ICFのこと

ICF(国際生活機能分類)って当然リハビリテーションに関わる理学療法士や作業療法士、言語聴覚士や看護師びの方なら知っていますよね。ICIDHはリハ関係者しか知らなかったけど、ICFはリハビリテーション関係者だけでなく、医療や保健、福祉に関する分野まで浸透しつつあります。だけどしっかり理解されていないことも多いので書いてみました。


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ICFって何?

回復期リハビリテーション病院や老健で使われている「リハビリテーション実施計画書」はICFの概念に沿って作成されています。そんなことからも、ICFの知識や、ICFに対しての理解が地域リハビリテーションの領域にとって重要だということがわかるかと思います。

ではコラムをお読みの理学療法士や作業療法士、言語聴覚士のかたや看護師、介護職の皆さんはICFのことをきちんと理解していますか?
ICFの概念図なんかはよくご存知かもしれませんね。ところが、ICFの重要なポイントはそれだけではありません。ICFの最も重要なところは共通言語であるという事なんですよ。知っていますか?

共通言語としての役割

ICFで最も重要なのは、概念図ではなくてじつは共通言語としての役割があるという事なんです。

しかし、共通言語としての役割があるということが十分に医療従事者には浸透していないように感じています。

医師、看護師、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、介護福祉士などなど、どのようなスタッフ、職種においてもICFを基盤にして対象者に関わる場合の言語を共通化できることがICFの重要なことです。

何が共通なのかというと対象者の状態を表す言葉が共通だということです。

例を挙げてみましょう

  • 長距離歩行の獲得を目標とする

カンファレンスなどで対象とする利用者の目標が上記のように「長距離歩行の獲得」であったとしましょう。
じゃあ、具体的にどれくらいの距離を歩けるようになったら「長距離」なんでしょうか?

  • 10メートル?
  • 100メートル?
  • 500メートル?
  • 1000メートル?

この対象者に関わる医師、看護師、理学療法士、作業療法士などそれぞれの職種が思い浮かべる長距離の具体的な距離がバラバラであったとしたら、どうなると思いますか?

理学療法士は100メートル歩けば「長距離」の目標を達成と判断し、主治医に「目標を達成した」と報告しても、主治医の考えている「長距離」が500メートルと判断していれば、目標は達成できていないってことになりますよね。このような状態であれば、チームアプローチなんてしっかり行えなくなります。

そこで重要になってくるのが共通言語なんです。
ICFでいうところの長距離とは1キロメートル以上をさします。だからこの場合はすべての職種が協力して1キロメートルの歩行を目指して関わる必要があります。

医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護福祉士の全ての職種が「長距離歩行の自立」は1キロメートルだと共通の理解があるので、それに向けた取り組みをチーム一丸となって取り組めるのです。

用語が定義されている

ICFではこれだけではなく、

  • 更衣動作には何と何が含まれるのか?
  • 整容動作とは何を指すのか?

など、多くの項目についてそれぞれの状態を定義しています。

たとえば、ICFの更衣動作には

  • 衣服を着ること
  • 衣服を脱ぐこと
  • 履物を履くこと
  • 履き物を脱ぐこと
  • 適切な衣服の選択

というようなものが含まれています。更衣動作=衣服のみの着脱だけではないのです。

また、運動機能での一例をあげると

「歩行」と「移動」は別のものであると分類されています。「移動」と「歩行」の違いを理解できていますか?

歩行とは「常に片方の足が地面についた状態で、一歩一歩、足を動かすこと」ですが

移動とは「歩行以外の方法によって、ある場所から別の場所へと身体全体を移動させること」となっています。歩行以外の方法というのは、駆け足やスキップなどが含まれています。

このようにして、リハビリテーションの場面で日常的に利用している用語のほぼすべてが、定義されているのです。

それらを理解して職種の領域を超えて共通した理解のもと対象者に関わることがICFの考え方なんですよ。ご存じない方、忘れていた方はICFもう一度勉強しなおしてみてはいかがでしょうか?

定義されているからこそ、共通言語として利用できるんです。それぞれの用語を本当に理解することが必要ですよ。

定義されている用語をすべて網羅するこの本をお手元に一冊どうぞ!

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2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

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