お家でリハビリ1「急に悪くなることはないよ」

退院されてからのリハビリのことを少し考えてみたい。リハビリテーション病院で7年、老人保健施設で7年、そして訪問看護ステーションからの訪問に関わるようになって10年。そこで得た経験を少し書いてみる。病院でリハビリテーション(理学療法、作業療法、言語療法)等を受けて、退院して急にリハビリテーションの量が減ることに不安を感じている方は多いと思います。だけど、家でできるリハビリテーションもあるということを少し書いてみたい。

この記事については、作業療法士としての個人的主観をまとめているものです。科学的根拠に基づいているわけではありません。当然ながらここに掲載していることにあてはまらない場合もあるということをご理解ください。全ての疾病、障害をお持ちの方に対して該当する訳ではありません。免責事項をご理解の上お読みください


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退院してからの体の変化

当然ながら、病院での生活状況と自宅での生活状況は異なります。何らかのリハビリテーションを受けている方にとっては病院と自宅とを比較した場合、病院の方が生活しやすい状況というか生活しやすい環境なのです。

だから、自宅に戻ると

病院ではできていたことも自宅でできなくなってしまう

という状況が生じてしまいます。

これは多くの場合、環境の変化に伴うことが原因なのです。

「病院でできている」というのは「病院という環境でできている」動作なのであって、自宅と環境が異なれば病院でできていたことも自宅ではできなくなってしまいます。

体の状態というものは退院したからといって急激に変化するものではありません。私の経験では、進行する病気でない場合は退院してどんどん状況が悪化するということはあまり経験したことがありません。

私が主に担当する高齢の方や脳卒中(脳出血や脳梗塞)の後遺症、骨折などの治療やリハビリテーションを終えて退院した方を訪問で担当していますが、体の状態が急激に悪化する人はほとんどいません。

だけど、

  • 「病院でできていたことが、出来なくなってしまった」
  • 「疲れやすい」

って方は結構多い。たとえば、トイレ動作や車いすからベッドへ移る動作なども病院では一人でできていたのに、自宅ではできなくなってしまうということは時々経験します。

トイレについている手すりの位置が病院のトイレとは少し違っている
車いすとベッドの位置関係が病院と自宅では少し違っている

こんな理由で一時的に病院でできていたことも、環境が異なれば難しくなってしまうことがあります。けっして退院と同時に能力が低下してしまった、状態が悪化したわけではないのです。

自宅の生活に慣れるのには時間がかかる

脳卒中で入院生活を送る場合半年くらい入院することが多いのですが、半年も入院すれば体力も低下しますし、病院の生活スタイルに合わせた体の状況になってきます。病院での生活リズムに体が馴染んでしまうんですよ。

半年くらい入院していたら、杖で歩いて退院した場合でも家に戻れば疲れやすくなったりします。体力はそれくらい低下するのです。

だから、自宅の生活に慣れてくるのに私の経験では、3か月くらいはかかるのではないかと思っています。担当している患者さんとお話していても、最低でも3か月くらいは家での生活になじむのに時間がかかるとおっしゃる方は多くいます。もっと長い時間かかる方もいます。

だから、まずは自宅での生活リズムに慣れることが大事なのです。

朝起きて、着替えて、朝ごはん食べるといったことも病院のリズムと自宅のリズムは違うので、こういったことに慣れていくことが退院後の目標の一つになります。

入院が長ければ長いほど、自宅に慣れるのには時間かかかることがあります。

無責任な言い方かもしれませんが、まずは焦らずに自分の生活のパターンを作り出していきましょう

【リハビリや看護関係者の方へ】

退院して一時的にADL能力が低下することはよくある事です。これは病状が悪化したわけではなく環境に適応しないことが原因で生じます。まずは自宅の環境に慣れる、自宅の環境を整えるような取り組みが必要になります。

また、病院を退院されるような場合には、患者さんの不安を軽減する意味でもこのような環境の変化から起こりうることを説明しておいていただければ、患者さんの不安感は軽減する場合があります。

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2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

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