「統合と解釈」と「考察」の違いってあるのか?

学生からよく聞かれることだ、「統合と解釈」と「考察」には違いがあるのですか?学生さんに対してきちんとした解答をしているセラピストはいるのかな?って感じることがあったからちょっとだけ書いてみる。
※まったくの個人的見解です、他のセラピストによって考え方が違う場合があります。実習中の学生さんは指導者に必ず確認してね。


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臨床の症例報告では・・・

作業療法士として働きだして24年目としての経験をちょっと書いてみます。

大阪や近畿、全国規模の学会に何度も行っていますが、その時の症例報告では「考察」という用語の方がよく用いられます。「統合と解釈」という用語も使うセラピストはいますが、圧倒的に「考察」という用語を用いて発表する人の方が多い。

「考察」は自分の担当した症例の治療内容やその結果に対して吟味して検討した自分の意見を書く部分だと思っています。

  • あの治療で取り組んだ課題が、このような結果につながったのではないか?
  • 検査値に差が出ているのは、本人の能力のこの部分が向上したからで、それはこの治療プログラムの影響が・・・

いわゆる検査・測定は客観的な数値であるわけですよね。そこに変化が生じた理由について、自分の治療プログラムがどのような影響を与えているのかとか、患者さんの能力の変化とか、自分が予測した通りの変化が出たのか出なかったのかとか、そこから考えられることとかを書くのが考察ではないかと考えています。

だから、一般的には治療経験を振り返って、どうだったのかってことを書くのが「考察」ではないかと思うのです。

「統合と解釈」とはなんだ!

臨床で働いている人の症例報告では「考察」が一般的なのですが、学生さんのレポートでは「統合と解釈」が一般的です。

じゃあこの違いは何かってことです。

私が学生さんに求めている統合と解釈の内容は

「面接や検査測定、インタビューなどの広い意味での「評価」の結果と、患者さんの動作やADL面での問題点の因果関係を結びつけて、目標設定やプログラム立案を行う過程」だと捉えています。

たとえば、何らかの障害により「ペットボトルを持てない患者さん」がいたとしましょう。

だけど、「ペットボトルを持てない」原因はいっぱいあります。原因によって対処法は異なります。

  • 手指の筋力が低下していて持てない
  • 手掌部の感覚が低下していて把持したことがわからなくて持てない
  • 手指の関節可動域に制限があって把持できない

まあ他にもいろいろとペットボトルを持てない原因は考えられますが、いっぱいあるわけです。このように目の前の患者さんの、ADLの問題点や課題というものは観察などから明らかになります。だけど、その原因については評価しなくてはわからないわけですよね。

だから、学生さんは色んな評価をします。その評価の結果と目の前の患者さんの問題点を結びつけるのが「統合と解釈」だと思います。

評価をして、筋力の低下が原因でペットボトルを持てないのなら、筋力増強する必要があるので、そのような目標を設定しプログラムを立案します。

可動域制限が原因でペットボトルを持てないのなら、可動域を改善するプログラムを立てる必要があります。

実際には複合的な要因があるのでこんなにスッキリしないのですが、「統合と解釈」っていうのはこんな感じものだと考えています。

目標やプログラムを立案する段階で、評価結果と問題点を結びつける過程。

だから、初期評価レポートでは必ず記載してもらいます。

「統合と解釈」と「考察」の両方を書く場合もあります

初期評価では「統合と解釈」を書いてプログラム立案くらいまでを課題とすることが多い。

最終学年の実習とかで8週間くらい実習する学生さんには治療結果としての再評価をしてもらってレポートをまとめてもらう事が多いですね。

そうすると、疾患や患者さんの状態によっては6週間前後でも治療期間前後の状態が変化している場合があります。

そこで最終レポートに書く段階では「統合と解釈」に基づいて実施したプログラムの効果や目標や課題の設定が妥当であったかどうかを自分なりに考えて書いてもらう「考察」という項目を追加してもらっています。

「統合と解釈」に基づいて実践したプログラムや設定した目標が実習全体を通してみて妥当であったのか、もっと良いプログラムはなかったか、統合と解釈は適切であったかどうか、っていう症例を担当して全てを振り返ってみて考えたことを「考察」として書いてもらうわけですね。

学会とかで発表するときには、だいたい症例全てのことをまとめて最終的に報告するので「考察」として発表するのですが、学生さんの場合は、「統合と解釈」という過程を経てプログラム立案などを行う必要があるので「考察」とは別に記載してもらっています。

実習指導者に確認しましょう

だから、統合と解釈を省いたレポートは考えられない。評価結果から患者さんの問題点との因果関係を考えるプロセスを省いてプログラム立案はできないからです。

臨床で働いているときも、頭の中ではそのプロセスを省くことはありません。学会などで発表するときはトータルでまとめて「考察」とすることはありますが、「統合と解釈」という過程を省いて治療に取り組むということは考えられないからです。

微妙な用語の違いはありますが、「統合と解釈」という過程は必ず必要です。

どのように表記をするかという問題については実習指導者と相談してくださいね。

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