食事動作における姿勢の評価や分析

食事動作の評価についてはすでに書いているが、食事動作の分析をもう少し詳しく書いてみたい。「姿勢」と「上肢機能」について分けて考えてみる。まずは「姿勢」について書いてみる。


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食事での評価について

ADLの評価 食事動作のこと(学生さん向き)では評価のポイントについて書いているが、もう少し詳しく分析してみる。

食事評価の投稿では主に

  • 姿勢
  • 上肢機能
  • 嚥下機能

というようにアバウトに分けているが、もう少し姿勢のことを詳しく書いてみる。

基本的に食事は座位姿勢で行う事が中心となる。だから座位姿勢が良ければ食べやすいかというと、必ずしもそうではない。体幹をしっかり伸ばしてよい姿勢であっても、頸部の動きが制限されていれば食べにくくなる。だから、姿勢のことをしっかりと分析しない事には食事へのアプローチはできない。

食事の姿勢の分析

座れれば食べることが容易になるというのではアバウトな分析だと思う。

食事動作に関してもう少し分析すると

テーブルの上の料理を上肢を使って口に運んで、口に入れる

という動作になる。

だからそのためにどんな姿勢が必要かということを考える必要がある。わかりやすく言うと、テーブルの上の料理と口までの距離をどのようにして縮めるのかってことが必要になる。料理と口までの距離を縮めるという動作の大半は上肢によっておこなわれるが、上肢以外の部分も距離を縮めることに貢献している。

背もたれにもたれたままでは食べにくい

椅子で食べたり、こたつに入って座椅子で食べたり、車椅子に座って食べたりと背もたれがあるような椅子で食べる場合、背もたれにもたれているほうが、体幹がアップライト(まっすぐに立っている)になって食べやすい姿勢となる。

だけど、まっすぐになっているだけだと実は食べにくい。まっすぐ体が伸びている状態っていうのは、テーブルの上の料理と口の距離が最も遠い状態だ。だから食べにくい。実際に背もたれにもたれたまま食事をしてみればすぐにわかる。食べにくいし、必要以上に手を動かさないと食べることができない。

スプーンや箸を使う時には体幹がまっすぐな方がいいが、料理を口に運ぶ時には体幹や頸部をを少し前に倒して料理に顔を近づけるようにする。この方がスムースに食べることができる。

体を前に倒して、頸部を少し屈曲させて頭部を前に出すことで、口の位置を料理に近づけているのです。だから、頸部の可動性が不十分だったり、背もたれにもたれることはできても、背もたれから体を離して座ることができないような患者さんの場合では食べにくさが増してしまう。

顔が上を向いていては食べにくい

ベッドでギャッジアップして食事介助することもあると思う。この場合も、顔が上を向いたりしている状態では嚥下しずらくなる。頸部計る九九曲しているほうが嚥下しやすい。

だけど、介助するときには顔の位置があまり下向きになっていると口へ料理を運びにくくなる。だから、顔が少し上を向いたような位置になるようにベッドの角度を調整している場面を見かけることがある。介助するという点では確かにベッドを60度くらいに傾けているほうが口の位置を確認しやすく、介助しやすい。だけど、そのポジションでは嚥下しにくい。枕のポジションを調整するようにして、頸部が少し屈曲しているほうがごっくんしやすい。

座位を安定させるなら、下肢でしっかり踏ん張りたい

座位で食べるときに体幹の姿勢が重要だということを書いた。

体幹を安定させるには、体幹そのものの機能も重要だがそれと同じくらい下肢機能も重要だ。両足でしっかりと踏ん張るから、そこを土台にして体幹を支えることができるのである。

座位で食事をとるなら足底がしっかりと床面につける。車椅子なら、せめてフットレストに足底をのせるようにしておきたい。踏ん張れるような状態にしておく必要がある。上体が安定していても、下肢が不安定なら姿勢を保持することはできない。

下肢のポジションをしっかりと確認しないと安定した姿勢をとることはできないんだけど、車椅子の患者さんの場合テーブルの下に足が隠れているから、足のポジションを確認することができないから、意外と見逃すことになる。

ちょっとだけアプローチのこと

作業療法士ならスプーンを改造したりすることも多い。スプーンの柄を長くしたり、先端に角度をつけて口に入りやすくしたりするように改造する。これも料理と口の距離を近づけるための工夫だ。

同じように、料理と口の距離を近づけることができるようなアプローチを考える必要がある。

患者さんの状態は疾患や障害の程度によってさまざまである。だから、ここでは具体的に書くことはできないが考え方は書くことができる。

  • 姿勢を安定させる
  • 料理と口の距離を近づける工夫をする
  • 嚥下しやすい頸部の角度をとれるようにする

食事姿勢に関して言うと、これを何とかすれば食べやすくなると思います。

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2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

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