訪問看護ステーションではセラピストで加算が取れない

2015年の介護報酬改定の具体的な数字が出た。事業所によってはいろいろ対策を考え始めている時期だと思う。前回の改定でもそうであったが、今回の改定でも訪問リハビリ事業所と訪問看護ステーションの点数に差が出ている。そのことについて書いてみた。


(スポンサー広告)

訪問のリハビリの事業所の違いについて

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が地域で利用者さんの家を訪問して行うのが「訪問リハビリテーション」。

現時点では、そのサービスを提供することのできる事業所は2種類。

  • 訪問看護ステーション
  • 病院や診療所、老健などの訪問リハビリテーション事業所

この2種類の事業所から理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が利用者さんの自宅を訪問してサービスを提供する。利用者さんの側からすれば同じようなものだが、提供する事業所側の事情は少し違っている。

医師の存在

訪問看護ステーションには医師は在籍していない。地域の主治医が訪問看護ステーションあてに指示書を書いてくれるというシステム。どこの医師からの指示書でも訪問することはできる。訪問看護ステーションと地域の医師とで契約とかしているわけではありません。

それに対して病院や診療所の訪問リハビリテーション事業所には医師が在籍している。老人保健施設にも医師はいる。

基本的にはその医師が出している指示書でその事業所に勤務している理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が訪問を行う。
じつは看護師さんも同じで、病院や診療所の看護師さんも在籍している医師からの指示で訪問している。

他の病院にかかっていても、定期的に情報提供を受けて診療を行っていれば訪問をすることができる。

所属している事業所に医師が存在しているかどうかってことが、訪問看護ステーションと訪問リハ事業所の大きな違いだ。

看護師の立場から見れば、看護師だけで起業することができるし、どこの医師からも指示を受けて訪問できるってことはすごい事だ。だけど、リハビリスタッフの立場から言うと、ちょっと事情が変わってくる。

訪問看護ステーションでは算定できない加算がある

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が関わることで算定できる加算がいくつかある。

2015年度の介護報酬改定でも新設があったものだ。

訪問リハビリテーション事業所では
・リハビリテーションマネジメント加算2(II)

通所リハビリテーションでは
・リハビリテーションマネジメント加算2(II)
・生活行為向上リハビリテーション実施加算

これらの加算はいずれも、チームで関わっている事業所と連携して利用者さんの状態向上に努めた場合にとれる加算だ。

同じように訪問で関わっている、訪問看護ステーションの理学療法士や作業療法士、言語聴覚士ではこの加算が取れない。

私が勤務している2か所のステーションにはヘルパー事業所が併設されている。普段からヘルパーさんとは情報交換したり関わり方を話し合ったりしている。だけど、加算を取ることはできない。

なぜ加算が取れない?

ここからは個人で感じていることです。まったくの私見です。

リハビリは医師の指示のものに実施するってこと

加算を取れることができる、生活行為向上リハビリテーション実施加算、リハビリテーションマネジメント加算はそれぞれ、通所リハビリテーション事業所、訪問リハビリテーション事業所のそれぞれで算定できる。

通所リハビリテーション事業所の多くは老人保健施設に併設されている。老健には医師が勤務している。

訪問リハビリテーション事業所は病院、診療所、老健が提供することができるサービスで、ここにも医師がいる。

そうしてこれらの加算を取ることができる条件の一つに医師との連携が書かれている。

それに対して、訪問看護ステーションには医師はいない。どこの主治医の依頼でも指示を受けることができるけど専属の医師はいない。おそらくその差が加算の差なんでしょうね。

リハビリテーションはあくまでも医師の指示・管理のもとで行う

だから医師が在籍していない訪問看護ステーションでは十分な連携が出来ないって思われているのかな?

これまでは点数の差があったから納得できた

加算が取れないことは以前からわかっていたことだ。

だけど、訪問看護ステーションからのリハビリ提供については、他のサービスに比べて少し介護報酬が高めに設定されてきた。だから、加算が取れなくても何となく納得できた。

だけど、2015年の介護報酬の改定では訪問看護ステーションからの訪問リハビリも、訪問リハビリテーション事業所からの訪問リハビリも介護報酬に差はなくなってきた。

だけど訪問看護ステーションでは加算を算定することはできない。

これってどうなんだ?

安易な開業への歯止め

リハビリ職が訪問看護ステーションという看板で開業するケースは増えてきた。

これを医師会や看護協会はどう思っているのかってことですよね。リハビリテーションはあくまでも医師の指示のもとで実施しなさいってことなんでしょうね。

訪問看護で開業するよりも、病院や老健、診療所で訪問リハビリや通所リハビリしているほうが加算もついて報酬が高いからそちらから訪問すればいいんじゃないの

っていうような誘導を感じるのは考えすぎなのかな?

新しい学びの形を届けます
やまだリハビリテーション研究所noteサイト

2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です