(2015・6月)急性期・回復期でのマンツーマンリハビリテーションの重要性

介護報酬の改定で「活動と参加」がクローズアップされ、当サイトでもそのことの必要性について書いてきた。また、回復期においても「活動と参加」への取り組みが必要であるという記事も掲載した。だからと言って、急性期病院や回復期リハビリテーション病院での治療で「活動と参加」ばかりに取り組む方がよいと思っているわけではない。ちょっとそのことについて書いてみた。


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2015年介護報酬改定の整理

今回の改定で急にクローズアップされた感じが強いが、「活動と参加」へ注目が集まっている。

通所リハビリテーション(デイケア)と訪問リハビリテーションではリハビリテーションマネジメント加算2が新設され、通所リハビリでは生活行為向上リハビリテーション実施加算が新設された。

とりわけ、通所リハビリテーションではリハマネ加算2と生活行為向上リハビリテーション実施加算を合わせると3000単位という加算になる。これまでの改定では見たことのない大きな加算だ。

点数だけではなく、リハビリテーション職員のかかわりの重要性も強調されている。

  • リハビリテーション会議
  • 居宅訪問による指導
  • 医師を含めた多職種連携の必要性

地域でのリハビリテーションに対して、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが中心になってマネージメントやコーディネートすることが必要で、積極的に関与する仕組みになった。

急性期や回復期のこと

診療報酬改定は2年ごとの改定で、次の改定は2016年。

当サイトでも書いているが、2015年の介護報酬の改定の影響は2016年の診療報酬改定にも及ぶだろうし、なによりもその次の2018年の診療報酬・介護報酬の同時改訂にかなり大きな影響を与えると私は予測している。

そんな状況の2015年6月現在、回復期リハビリテーション病棟におけるリハビリテーションにおいて9単位の算定が難しくなっていることがFacebookなどのSNSで話題になっている。私の周囲の回復期リハビリ病棟勤務のセラピストに確認しても、9単位算定が難しくなってきていることは確認できた。すべての患者さんで算定できないわけではなく、一定の条件を満たしていると算定できないようだ。

2016年の診療報酬改定への影響

2015年介護報酬改定でクローズアップされた「活動と参加」への関わりについては、2016年の診療報酬改定でも何らかの内容が盛り込まれると予想している。

このことは、これまで理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が「活動と参加」を軽視してきたことへの警鐘だ。

だからといって、すべてのセラピストがリハビリテーションの時間のすべてを「活動と参加」にあてるようになるってこともおかしなことだと思う。

マンツーマンリハビリテーションの重要性

急性期や回復期においても、退院後の生活を予測して「活動と参加」に対してアプローチすることは重要なことだ。

っていうよりもいつの時期、どの領域においてもリハビリテーションというものは

  • 心身機能
  • 活動と参加

この両側面に対して常にアプローチするものだと考えています。それぞれの時期や患者さんの状態によってそのアプローチの比重が変わることはあるでしょうが、どちらか一方にだけアプローチすることなんてありえない。

だけど、「活動と参加」がクローズアップされるとそればかりにだけ取り組んでしまうようなセラピストも出てくることが懸念される。

「活動と参加」にアプローチするなら、患者さんの潜在能力をしっかりと引き出してからにしてほしい。また、患者さんの潜在能力を引き出すには時間がかかることもある。だから「心身機能」へのアプローチと、「活動と参加」へのアプローチは常に同時進行になる。

マンツーマンリハビリ

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がしっかりと時間をかけて、マンツーマンで3職種が集中的にかかわることができるのは急性期リハビリと回復期リハビリテーション病院だけだ。介護保険ではなかなかそのような体制が難しい。

じゃあ、マンツーマンのリハビリテーションで何をすべきか?

マンツーマンで関わることができる時間を利用して、患者さんの能力を最大限に伸ばしてあげることだと思う。じっくりしっかり時間を確保できるのは現在の医療システムでは、この時しかないんだ。

私のように介護保険領域で働いているとよくわかる。

じっくりリハビリするってことの重要性。介護保険領域ではやりたくても制度的にそのような時間を確保できない。入院している3か月とか4か月っていう時間は非常に貴重なんだ。

2018年の同時改定に向けて

残されている時間は少ないのですが、急性期リハビリテーションと回復期リハビリテーションにかかわっている理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は9単位ものリハビリテーションができることの重要性を理解して、積極的にこの必要性をアピールしてほしい。

黙っていては、きっと今の状況は良くならない。声を大きくしても良くて現状維持でしょう。だけど何もしないよりは少し変化があるかもしれません。

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2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

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