【リハビリテーション会議】1、他職種のことを理解するってこと

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リハビリテーションマネジメント加算2(II)を算定する要件の一つになっている、リハビリテーション会議。主催する側、参加する側いろんな立場があるが、訪問現場で働く作業療法士として、このリハビリテーション会議はとっても大事だと考えています。だから、リハビリテーション会議をうまく運営するために必要だと考えていることをいくつかの記事に分けて書いてみたい。第1弾は他職種のことを理解するってことです。

リハ会議についてのアドバイスについての考え方は今でも通用しますが、制度や報酬については2015年時点のものです。


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私のことを少しだけ

普段は複数の訪問看護ステーションを掛け持ち勤務している2015年で臨床25年目のシーズンを迎える作業療法士です。

リハ中心のステーションもあれば、リハ職は私一人で他は看護師さんだけのステーションもあります。勤務しているのは訪問看護ステーションなので、私の事業所がリハマネ加算2を算定することはありません。だけど、勤務している事業所にはケアマネ・訪問介護・福祉用品レンタルの事業所を併設している事業所があるので、加算は取れなくても他職種との連携は普段から行っている。

リハビリテーション会議に参加したり、主催したりする理学療法士や作業療法士、言語聴覚士さんたちはうまく他職種と連携できているのかすこし不安。

だから自分の地域リハでの経験を少し書いてみる。

他職種の業務や役割を考える

リハビリテーションマネジメント加算2(II)の算定要件として

  • リハビリテーション会議の開催
  • 医師が利用者・家族に説明し同意を得ること
  • PT・OT・STがケアマネに情報提供を行う事
  • PT・OT・STが利用者の居宅を訪問すること

っていうのが書かれています。だけど、リハ会議に参加するのはケアマネさんだけではなくて他事業所のスタッフも参加する。だから理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の視点からリハビリテーションに関してのアドバイスや考えを他職種に伝える方がいい。でもここが難しい。

押し付けになるような助言や専門用語だらけの意味不明なアドバイスなんて意味がないからだ。

押しつけの助言にならないためにはまず他職種のことを理解する必要がある。

福祉用品のレンタルや住宅改修

ベッドのレンタルや杖のレンタルなど、介護保険でリハビリで関わる利用者さんの多くは何らかの福祉用品をレンタルして生活している。サービス担当者会議にも参加してくれている事業者さんは多い。

福祉用品のレンタルの事業者さんは、訪問や通所リハのように毎週毎週利用者さん宅を訪問することはなく、必要に応じて利用者さん宅を訪問するっていうパターンが多い。だから、普段の生活の様子であったり、ベッドや手すり杖の使い方などに関しては、リハビリスタッフの方が熟知しているってケースが多い。

そんな視点からみると

  • 福祉用品の適合判定
  • 状態に合わせた商品変更の助言

などはリハビリスタッフの方が効果的に行える。

だけど新しい商品のことをしっかりと把握している理学療法士や作業療法士は少ないが、レンタル業者さんは新商品のことをよく知っている方が多い。だから

こんなことで困ってるんだけど、こんな風な商品はないかな?

っていうようなことを尋ねると、新しい商品を紹介してもらえたりする。

訪問介護

訪問介護のヘルパーさんで、リハビリテーションのことをよく知っている人は少ない。だけど、週1回とか週2回の訪問リハビリや通所リハビリなどに比べると、はるかに訪問で関わる頻度が大きいのが訪問介護なんだ。

リハビリのことはわからなくても、利用者さんの生活の状況はもっともよく把握している

のが訪問ヘルパーさんだったりすることは多い。

私も併設されている訪問介護のスタッフから、

「○○さんの更衣の介助が難しくなってきた」とか

「○○さんの移乗介助が難しい」

といったような日常生活の困りごとの連絡を受けることがある。

生活するうえで本人が実践することが難しい部分を介助しているのは訪問ヘルパーさん、だから当然今のホントの生活をわかってるって感じなんですよね。

だから、関わる頻度の多い訪問ヘルパーさんに対して、リハビリ的な観点からのアドバイスをすることは非常に重要であると考えています。

看護師

他事業所の看護師が訪問にかかわっているってことは、投薬や点滴、褥創の対応など医療的ケアが必要で関わっていることが多い。

リハマネ加算を算定できるのは通所リハビリと訪問リハ事業所で訪問看護ステーションのリハビリでは算定できない。リハビリで関わる利用者さんの多くは状態が安定している方が多いので、他事業所の看護師さんがかかわっていないケースもある。

そんな状況で、他事業所の訪問看護ステーションの看護師さんがかかわっているということは、状態が不安定であったり、医療的ケアが必要であったりする利用者さんってことだ。

そんな利用者さんを担当しているリハビリスタッフなら、他事業所との看護師さんともきちんと連絡を取り合う必要がある。主治医よりも訪問看護師さんの方が医療的状態を把握している場合もあったりする。

だからリハビリテーション会議できちんと状況確認する必要がある。

お互いの落としどころを見つける

リハビリテーション会議では、リハビリテーションの観点から他職種に対して効果的なアドバイスをすることが望ましい。

だけど、それは他職種や他事業所の方に対して指示・命令するものではない。

他事業所や他職種の方が日常の業務の範囲内で実践可能なことをアドバイスするのが重要なんだ。いくらリハビリが大事だからと言って実践できないような特殊なことを依頼するっていうのは間違っている。

例えば、ヘルパーさんは「出来ないことを介助するため」に訪問している。そんなヘルパーさんに

15分ほどの見守りで、上着を着替えることできますよ

って言ってもダメなんだ。利用者さんはリハビリだから15分ほどかけて着替えをしてくれるのかもしれないけど、ヘルパーさんには助けてほしいから来てもらっているので、見守りではなく手伝ってほしいんだ。

だからせめて、

袖口のところだけ介助してもらえたら、あとは1人でできますよ

っていうようなアドバイスの方が現実的だと思う。

他職種が提供しているサービスの範囲内でちょうど実践できるようなアドバイスや、利用者さんも含めてお互いが納得できる、落としどころをを見つけて検討していく作業がリハビリテーション会議では必要であると考えています。

けっしてリハビリスタッフが高飛車で専門用語を連発することがないような建設的なリハビリテーション会議が実践できることを目指してほしいものです。

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note

2020年版
https://note.com/yamada_ot/m/m1f991727b13b

2019年版
https://note.com/yamada_ot/m/m0cbce4fae6d2

2018年版
https://note.com/yamada_ot/m/ma3fc5020f609

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