【症例検討】就学前の取り組み「覚えられない」ことへの多職種連携

2016年度から勤務している児童デイサービスと訪問看護ステーションを併設している事業所でのこと。児童デイは訪問と違って、事業所内でお仕事をするので、スタッフの人とは良く話す。訪問看護のスタッフはみんな外に出てしまうので、お昼にならないと会えない。だから、児童デイのスタッフとはよくケースの話をする。保育士さんといろいろ考えながらやっているケースのことのご紹介。


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指示を覚えられない

保育士さんが担当しているのは就学前のケース。

赤と青の積み木を持ってきて

って伝えても取ってくることができないんですよ。最初に伝えている「赤」だけ持ってくるんです。

ってことを保育士さんから相談されました。

こんなケースを作業療法士として考えるときは

  • 言葉の理解がきちんとできているのか?
  • 色の概念とかマッチングとかできるのか?
  • 記銘力はどうなのか?
  • 視知覚に問題は?

ってことを考えます。一つ一つ担当の保育士さんに質問して、おおよその現状を確認しました。

色の概念はしっかりしていて、マッチングも可能。視知覚にも問題はなさそうなんですよね。保育士さんの評価では、記銘力に問題がありそうなんですよね。

教室の端っこで指示を出して、教室の反対側にある積み木置き場から指示された色の積み木を持ってくるんだけど、2つ伝えているのに1つしか持ってくることができない。

だから、アドバイスとして

  • 移動距離を短くする
  • 指示の数を調整する
  • メモを持たせる

等の段階付けをしながら工夫してみたらってことをアドバイスしました。

保育士さんの取り組み

2週間後、保育士さんが「ワーキングメモリが・・・」ってことを言いだしたから、簡単に記憶のことを説明。

すごいな、ワーキングメモリとか調べてたんだ

って感心していたら、保育士さんこの2週間でいろんなものを作り出していました。
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積み木だと興味を持てないかもしれないから、子どもの好きなキャラクターだと覚えられるかなってことで、こんなものを作りました。

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どこに自分の好きなキャラクターがあったのか、めくったら当たっているかな?

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ヒントとして、ちょっとずらしてい部分的見せたらわかるかな?

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積み木を持ってくるって指示を保持することができないなら、カードを持って積み木のところまで行って、色と形が同じ積み木を持ってくることができるかな?

十分に連携できる

カードを持って積み木を取りに行っても、そこに行くまでに他のお友達が遊んでいたらそれが気になって指示を忘れたりすることもあるそうです。

これって高齢者の検査と一緒ですよね。物品見せて、他の質問してしばらくしてから「何がありましたか?」って質問しますよね。

子どもだから他のことに気を取られると、指示を忘れたりする。

だから、積み木を取りに行く前の段階として、キャラクターがどこにあるのかな?ってことで覚えることの練習に取り組むそうです。

積み木のカードはいろんなパターンのものを用意してくれています。

発達の過程でどんな風にどんな概念が形成されるのかってことも大事だけど、作業療法士の知識も十分に子供へのアプローチに応用することはできます。

保育士さんはそれまでワーキングメモリなんて単語知らなかったんですが、今回のことがきっかけでワーキングメモリのことを調べたんですよね。

保育で使う道具もめっちゃ上手に作ってくれます。僕は指示やアドバイスすることが多いんですけどそれに基づいてこんなものまで作ってくれるんですよ。大変助かっております。

どんな領域でも、作業療法士は多職種と連携できるってことです。

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2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

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