リハビリがメインの訪問看護ステーションのこと

とある研修会で、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などリハビリ職がオーナーとなっている訪問看護ステーションに勤務している看護師さんから「リハビリ職がオーナーだと、リハビリには力を入れるが、看護に対してはマニュアルもなくアドバイスもない」と苦言を呈されていた。実はこの手の話を聞くのは、今年に入ってから三度目。すべて異なる看護師さんなので、少なくともこのような訪問看護ステーションが3ヶ所は存在していると言うことである。

なぜこのようなことになるのでしょうか?


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訪問リハビリステーションでは開業できない

ときどき「やまださんは何で自分で開業しないの?」と聞かれます。

知らない人も多いのですが、訪問リハビリステーションというのは認められていません。現在、東北の震災特区でのみ訪問リハビリステーションというものが存在していますが、それ以外の地域では理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職が、訪問リハビリステーションというものを開業することはできません。

独立や起業をしたい理学療法士や作業療法士、言語聴覚士けっこういてます。じゃあ、どうやれば開業できるのでしょうか? 開業や独立について 開業のリスクのこと という記事でも書きましたが、
街中にお店でも開いて「〇〇リハビリ屋」として、リハビリ的なことをして保険請求ではなく自費診療すれば開業できます。

介護保険や医療保険で開業しようとすると、リハ業務だけで開業する事業はないのです。だから理学療法士や作業療法士などのリハビリ職種が、リハビリ業務に関する仕事で介護保険や医療保険で開業しようとすると

  • デイケアやデイサービス
  • 訪問看護ステーション

という選択肢となってしまうのです。訪問リハビリステーションというような事業所は介護保険には現時点では特区を除き存在しないのです。

だから、リハビリ職がオーナーで看護師を雇用している訪問看護ステーションが生まれるのです。

リハビリ職がオーナーの訪問看護ステーション

リハビリ職が訪問看護ステーションを開業するときに、

  • 意気投合した看護師さんがいる
  • 身内に看護師がいる

このような看護師さんがいない場合、看護師を雇用することになります。訪問看護ステーションでは常勤換算で2.5人の看護師を雇用する必要があるからです。

訪問看護ステーションのことをどの程度知ってる?

訪問看護ステーションで独立を考えている、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方は事前にしっかりと訪問看護ステーションのリサーチをしているのでしょうか?

実際に訪問看護ステーションに勤務する、勤務経験のあるセラピストと一緒に立ち上げるなど、ステーションの経験があればまだよいのですが、全く知らないで独立する人がいるようです。

看護師は人数合わせではありません

訪問によるリハビリテーションを実施したいから、訪問看護ステーションを開設することが悪いことだとは思いません。

しかし、看護業務を十分に理解しないまま、常勤換算で2.5人の看護師が必要だからとりあえず雇用して、業務内容を十分に検討せず看護師さんを運用することには疑問があります。

私が苦言を聞いている訪問看護ステーションは、看護業務に関する検討が不十分なステーションのようです。

訪問看護ステーションの看護師は人数合わせではないのです。訪問看護ステーションは看護師とリハビリ職が両輪の活躍をして成り立つものなのです。

リハビリ中心の安定した利用者さんだけをフォローしているだけでは、リハビリ中心の訪問看護ステーションに明るい未来はありません。

訪問看護ステーションでリハビリと看護が連携する

訪問看護ステーションでのリハビリと看護の連携 という記事でも同じことについて書いているのですが、地域で在宅生活されている障害をお持ちの高齢者や子供たちを支えるのは、看護師だけ、リハビリだけでは不十分なのです。両方の協力が必要なのです。

状態が安定していればリハビリ

リハビリテーションというのは基本的には状態が安定している方に対して実施されます。しかし、何らかの疾患や障害をお持ちの方が常に安定しているわけではないのです。

状態が不安定になれば積極的なリハビリテーションは提供できません。そんな時には看護師の訪問が必要になります。そして、状態が安定すればリハビリを再び行えばいいのです。

看護師さんが不足している事業所では、不安定な状態になった利用者さんをどうするのでしょうか?いったん終了するのでしょうか?

そんなことでは地域に貢献できる事業所にはなれないと思います。

看護師がリハビリを提供

看護師さんもリハビリを実施してよいのです、法的にも問題ありません。状態が不安定な利用者に対して、理学療法士や作業療法士の医学的知識や提供できる技術が不足している時は、看護師さんがケアしながら、リハビリテーションを実施すればよいのです。

その内容については理学療法士や作業療法士がアドバイスをすればいい。

リハビリ職のオーナーの方へ提案

今年に入って3件も同じような苦言を聞くということは、このように人数合わせのように看護師を雇用している事業所が少なからずあるということです。

看護師さんとの業務内容の検討

あなたの事業所の看護師さんは、現在の業務内容について満足されていますか?もっとやりたい業務をお持ちの看護師さんはいませんか?

そんなことをきちんと話し合っていますか?事務業務だけを任せていて、不満に感じている看護師さんはいませんか?

一度しっかりと看護師業務について検討してみてはいかがでしょうか?

看護師がメインのステーションの見学と連携

リハビリ職がオーナーの場合、同じようにリハビリ職がオーナーをしている事業所を見学することはあると思います。

しかし、看護職がメインの事業所の見学をしたことがありますか?

私は、リハビリ職がメインの事業所、看護師がメインの事業所の両方に勤務していますが、どちらにもメリットとデメリットがあります。

しかし、看護がメインの事業所の方が、展開できる事業内容は多いように感じています。

ぜひ一度、近隣の看護がメインの事業所に見学に行ってみてください。

リハビリメインの事業所に比べると非常に多岐にわたる疾患を対象にしています。そんなところでの看護師さんの働き方は参考になることが多いと思います。

将来的な展望

医療保険にしろ、介護保険にしろリハビリテーションの置かれている立場は非常に危ういものです。実際前回の介護保険の改定では、訪問看護ステーションからのリハビリ職の訪問における点数は変化していますよね。

今後も増額されるよりは減額される可能性の方が高いのです。

そうすると、リハビリメインの事業方針の訪問看護ステーションの経営は難しくなってくると思います。

それに比べると、看護師さんの業界団体の力は強く、報酬改定のたびに訪問看護ステーションでの看護師関連に点数は加算が認められたり、点数が上がったりしているのです。

リハビリメインの事業方針では将来的に減収になる可能性があります。看護師と連携してこそ安定した経営ができるのではないでしょうか?

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