6カ月で終了の衝撃!グローバルにリハビリテーションを考える!

脳血管疾患の入院によるリハビリは6カ月しかできない。制度改定の当初は衝撃でしたが今では当たり前。

そうして今年、2015年の介護報酬改定でリハビリテーション関連での大きな目玉となった生活行為向上リハビリテーション実施加算。この加算が話題になったのは加算の名称が長いってことだけではありません。実はこの加算を算定すると、6か月後には通所リハの本体の基本単位数が、減額されるのである。
通所リハビリからの卒業を想定している加算だってことで話題になった。だけど、このことはもっとグローバルに地域リハビリテーションを考えるきっかけになるかもしれないってことを書いてみた。

地域リハに関わりのない方も是非最後まで読んでほしい。このことは病院リハビリにも今後影響を与えるからだ。


(スポンサー広告)

生活行為向上リハビリテーション実施加算のこと

私が個人的に調査している範囲では、この生活行為向上リハビリテーション実施加算をバンバン算定していますよっていう事業所はない。

そもそも算定要件の一つである、リハマネ加算2を算定している事業所もまだ少ない。リハマネ加算2を算定している事業所でも、数名の利用者からまず算定している状況である。

だから、そこに上乗せして生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定している事業所はさらに少数派となるわけだ。

そうしてこの生活行為向上リハビリテーション実施加算は6か月間継続して算定して、通所リハビリをさらに継続するのであれば通所リハビリ本体の単位数が減額されることになっている。

通所リハビリを卒業することが前提の加算なわけだ。

このことに対して、

なじみの環境を持つことが出来た利用者さんに対して、

「もうここには来ないでくださいね」

って言いにくいっていう理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は非常に多いだろう。

事業所としても、いくら加算の点数が大きいとは言っても、利用者数が減る可能性がある加算を算定するのは躊躇するでしょう。

もっと地域リハビリテーションをグローバルに考える

しかし我々リハビリテーション専門職種は、厚労省でこんなことを指摘されたという苦い経験がある。

漫然とダラダラとリハビリテーションを継続している

このことを聞いたときには衝撃を受けた。結構今でもこのことは引きずっている。このように指摘を受けたことを記憶にとどめているリハビリテーション関係者は多くいるでしょう。

その後の診療報酬の改定や介護報酬の改定で、リハビリテーションを実施する時間や期間にある程度の制約が加わるようになったのもこの意見がいまだに尾を引いているからだと推測している。

  • 国の財政
  • リハビリテーションシステム
  • 地域リハビリの在り方
  • 高齢者の人口
  • 2025年問題
  • 地域包括ケアシステム

こういったことをひっくるめて考えても、ある程度期間や時間を区切って必要な人に必要なサービスを提供するってことは必要だ。

このあたりのことを考えるならば、

通所リハビリテーションを6カ月で卒業することっていうのはそんなに悪いことではないという風に感じる。

本当に6カ月以上の通所リハビリテーションの利用が必要なのかどうかってことをしっかりと吟味する必要があるってことだ。

そこを抜きにして、

利用者さんを通所に終了することはちょっと難しい

っていうなら、それは

漫然とダラダラとリハビリテーションをしている

ことになるのかもしれないんだってことだ。

地域包括ケアシステムで考える

地域包括ケアシステムでは、おおよそ中学校区の範囲でのシステムを検討している。

その範囲内での事業所なり、多職種などが連携して高齢社会を支えていこうとしている。自分の事業所のことだけではなくもう少しグローバルに考えないと6カ月卒業は乗り越えられない。

私は訪問リハビリテーションに従事しているが、訪問リハビリでは利用者さんの自宅でダイレクトにADLにアプローチしたり、いわゆる活動や参加にもアプローチすることができる。

だけど、60分の関わりでは、体力低下や持久力の低下といったことに対してアプローチすることは難しい。

そのあたりのことへの取り組みが必要になれば、近隣の通所リハビリや通所介護の事業所を紹介することになる。

訪問で個別の課題にダイレクトにアプローチして、それをクリアーすれば通所リハや介護にその後のことを引き継いでもらうような関わりになる。

場合によっては、私の訪問リハビリを卒業してもらって、その後のリハビリテーションについては通所事業所に引き継いでもらうことになるってことだ。

こういった訪問と通所の連携っていうものは結構行われている。ケアマネジャーさんにも提案したりするしね。

通所リハから通所介護へ、そうしてフィットネスへ

じゃあ、通所リハビリテーションに引き継いだ利用者さんはその後どうすればよいのか?

ここからは理想論かもしれないが・・・

訪問リハビリから通所リハビリに引き継げるのなら、通所リハビリから通所介護へ、そうして地域のフィットネススタジオへと利用者さんを引き継ぐようなその地域全体での高齢者の流れを構築できないだろうか?

そう、グローバルな考え方が必要になる。

もちろんすべての要介護者に当てはまる図式ではない。

要支援とか、要介護1とか2くらいの人に当てはめたい図式だ。

介護予防事業っていうのは

今理学療法士会などを中心に作業療法士会や言語聴覚士会といったリハビリテーション専門職3団体が力を入れている、介護予防リーダー養成研修会っていうのは、要支援や要介護軽度者を対象にしている。もしくは、要支援予備軍ともいうべき、特定高齢者を対象にしている。

対象者の能力が上がれば、リハビリテーション専門職の関わりを減らしていく、

  • 時間を減らす
  • 期間を短縮する
  • 回数を短縮する
  • より軽度な人向けのサービスに移行する

いろんな手段を用いて、状態を悪化させることなく、段階的にリハビリテーション専門職種の関わりを減らしつつも健康的な生活を維持することができる。

地域包括ケアシステムが目指していることの中にはこんなことも含まれていると考えているのです。

そう言った視点から考えると、その地域のサービス提供事業所の種類とか量とかにもよるけど

6カ月で通所リハビリを卒業する

そのために減算規定があるってことは当たり前のような気もするんですよね。

減算によるサービス移行の誘導ってことですよね。

今は辛いかもしれないけど・・・

今はまだ地域がそのようなシステムというか、体制になっていないから、減算を理由にサービス提供を中断することには抵抗があるかもしれない。

だけど、もっともっと先のことを考えると

地域の事業所同士で連携を組んだり、業務提携を行ったりすることで、リハビリテーション専門職の関わりが質・量ともに多いサービスから徐々にリハ職の関わりが少ないサービスへと移行するシステムを構築する必要がある。

そうすれば、通所リハビリテーションを卒業するってことは当たり前になってくる。

そう、自分の所属している事業所のことだけを考えて、利用者さんにサービスを提供しているだけでは時代遅れになる。

利用者さんの状態に合わせたサービスを提供できる体制の構築がその地域には必要になってくる。

6カ月減算の背景にはこんな考えがあると考えています。

あなたはこんな時代についていってますか?

こんなお話をリアルに聞いてみたい方はこちらからどうぞ⇒⇒講演依頼のこと

新しい学びの形を届けます
やまだリハビリテーション研究所noteサイト

2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

2 件のコメント

  • いつも興味深く拝読させていただいております。今回も、おっしゃる通りだと思います。

    半年後、生活行為向上リハ加算終了後、デイケアを続けた場合、半年間、15%の減算となりますが、その後は元に戻るということでよろしいでしょうか?

    その意味合いは、どうお考えですか?

    お考えなどを教えていただきたく、お願いいたします。

    • 現在のところたぶん戻るのではないかと解釈していますが、詳細は自治体に確認しないとわからないですよね。出ている文面だけを見れば戻ると思います。

      ただ、他に受け皿がないのであれば継続して利用することはやむを得ないと思いますが、超長期的に広い視野で見れば地域ぐるみで支援してほかのサービスへ移行することを考える必要性があると思います。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です