【リハビリ】退院すると心身機能が低下するの?維持することって?

退院したら状態が悪化したから、再入院する。担当している利用者さんで入退院繰り返す人はいるけど、そんな話ではなくてリハビリでの入院に関してのこと。先日他の人のブログで、「入院中はリハビリしているから状態を維持できるけど、退院したらリハの量が減るから状態は悪化する」みたいな記載があったんだけど、それならいつまでも病院と同じ量のリハビリを続けないといけないってことになるのかってことを考えてみた?


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地域の現場で感じること

これまでいわゆる地域リハビリテーションの現場である老人保健施設とか、訪問現場でも働いてきた。そんな経験だけど、

病院からの退院後に、みるみるADL能力や運動機能が低下してあっという間に何もできなくなってしまう

っていうような利用者さんは少ない。

進行性のがん疾患、誤嚥性肺炎、何らかの合併症、などなどリハビリテーションを必要とするようになった原因の疾患以外の要因で状態が悪化することはある。
だけどそのような合併症や他の病気の発症などがない限り、急速に心身機能が悪化することは本当に少ない。

病院と自宅の違い!

よく言われることだけど、いくら病院のリハビリ室にあるシミュレーターとかが優れていても病院と自宅の環境は同じではない。

だから、

自宅と病院との環境の変化により、病院で出来ていたADLが自宅で遂行できなくて、一時的に能力が低下したようになってしまう

という事は良く経験する。

だけど、これは自宅という環境に適応できていないだけであって、訪問リハビリテーションで介入したりすることで改善することも多い。本来持っている心身機能を自宅で発揮しやすいようにするって関わりですよね。

このことをレベルが低下したって捉えている家族さんが多いんだけど、そのあたりは訪問でしっかりとお話する。

自宅でやっと気づく

病院っていうのはリハビリテーションには適しているけれど、自宅での生活とは根本的に異なっている。

だから、自宅に戻ってからいろいろと気づく患者さんは多いようです。

  • 以前の生活との違い
  • 1人っきりでいる時間が長いってこと
  • 食事は看護師や介護の人が持ってきてくれるわけではないってこと
  • 入院中にかなり体力が低下していたってこと(疲れやすい)
  • 今までと同じことができない
  • 何をすればいいのか、一日は長いな・・・

半年とか1年ぶりに自宅に帰ってきて嬉しいはずなんだけど、自宅っていうリアルな生活の場に戻ったからこそ以前との生活のリアルな違いに気が付くんですよね。

そんな時期に、病院と自宅の環境の違いで病院で遂行できていたADLが自宅で出来なかったりすると、かなり落ち込むし、状態が悪化したって感じてしまうのはやむを得ないと思います。

あと、ときどき家族さんから聞くのは、

「介護とかお見舞いとかで家族が病院に行くときは、入院してるから優しくできるけど、自宅に戻ってきたら家の中にいるのは日常。だからそんなにしょっちゅう優しい言葉なんてかけない。」

まあ、何事も日常に戻ってしまうってことですよね。

病院セラピストは知っていますか?

先日書いた記事は「退院後に患者さんがこんなことを言っているのを知っていますか?」というコラムでした。
病院セラピストよ!これが現実だよ!「病院と同じリハビリをしてください」 問題について(1)

それだけではなくて、退院後の自宅の生活ではこんなことを患者さんは感じているってことを病院で働くセラピストの方は知っていますか?

毎日リハビリテーションを病院で行うのは、心身機能を向上させたり、参加や活動にアプローチするためです。

だけど、毎日リハビリテーションを実施しているからADL機能や心身機能を維持できていて、退院して毎日リハビリテーションを実施することができなくなったら、その能力や機能を維持できないのではないかという不安を患者さんは抱えて退院します。

そうして、退院してリアルな生活に戻るとできないことがたくさんある。

毎日リハビリテーションがないということと、出来ないことに気づくタイミングがぴったり一致するからこそ

退院したから悪くなった、毎日リハビリテーションしてないからだ

ってことにつながっていってしまいます。

最初に書きましたが、退院しても急激にADLが低下するという経験はあまりないんですよね。

だから、地域リハビリテーションの現場では、自宅退院や施設へ転所した最初の1カ月くらい、自宅や施設の生活にソフトランディングできることに力を注ぎます。

  • 毎日リハビリがなくても大丈夫・・・
  • 急激に機能低下しませんよ・・・
  • 環境に慣れれば生活できますよ・・・

と話しながら訪問リハビリで関わっています。

これまで担当した利用者さんの経験談をたくさん伝えたりします。

退院後のリアルなイメージ

おそらく病院のセラピストはこういった現状を知らないのではないかな?

だって退院してホントに悪化するなら退院させたらダメでしょ。

退院して悪化するってことは、入院中のリハビリテーションの効果がその場限りのもので患者さんに能力として蓄積していないってことでしょう。

そう言ったことを理解していないで、微妙な筋緊張の変化とか姿勢の変化に一喜一憂したり、手技だけに興味があって生活見ていなかったり、目標とリアルが乖離していたりするから、患者さんにきちんと退院に向けた退院指導ができていないんじゃあないのでしょうか?

退院後のリアルな生活を知るためには、リアルな生活の現場に踏み込むしかありません。

退院後のリアルな生活の現場に踏み込むことの少ない病院のセラピストさんたちは、地域リハビリテーションの現場で働いているセラピストと情報交換したりとか定期的に研修会を開催することで、よりリアルな生活の現場を学んで、病院リハビリテーションに反映させなければなりません。

そう言った関わりが、患者さんの不安を減らすことにつながります。

地域のリアルなリハビリテーションの現場を知る努力をしていますか?

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2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

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