検索で「症例発表 イヤだ」と検索して、このサイトにやってきた人がいる。症例発表することがいやなら理学療法士や作業療法士、言語聴覚士や看護師などの医療系の職業につかなければいいんだと思う。この業界に身を置くなら「症例発表」は嫌でもやらないといけないんじゃあないかな。そんなことを書いてみた。
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経験を蓄積することが必要
あなたは今までの人生を振り返った時に、あなたが体験したすべての出来事を記憶していますか?
あなたがすべての出来事を記憶することができる人物なら症例をまとめるって作業は必要ありません。だけど、あなたが経験した症例をまとめて発表することで、役に立つ人はいると思う。
症例をまとめるってことはあなたの経験を蓄積する作業をする事です。そして、症例を発表するってことは自分の経験を他者に伝えるってことと、自分とは異なる視点でその症例に対しての他者の意見や考えを聞くってことです。
症例を発表するのが嫌だ!
って思っている人はこのどちらかが嫌なんでしょうね。
- 症例をまとめるという作業
- 人前で症例を発表すること
人前に立つことが嫌でも、症例をまとめるっていう作業をしない事には経験を蓄積することはできない。
何度も言うが、全ての出来事を記憶するようなスーパー人物ならまとめなくていいが、普通の記憶力しか持ち合わせていない場合、担当した患者さんへの治療などの経験はどんどん記憶からなくなっていってしまいます。
そうすると、治療の経験を蓄積することが難しくなってくるので、何年働いたとしても経験を積んでいくということはできません。それは単に長く働いているというだけであって、経験を蓄積することはできていないのです。
だから経験を蓄積するために症例をまとめて残すのです。
第3者からの意見に耳を傾けることは必要
成長するためには辛口な意見にも耳を傾ける必要があると思っています。むしろ、辛口な意見を言ってくれる人分が私には必要だと感じています。
- 自分に足りていない事
- 上には上がいるっていう事
- 世の中はもっと広いってこと
そんなことを気付かせてくれる存在が身近にいないのであれば、積極的に症例を発表するべきです。
自分では素晴らしいと思っていた症例の発表であっても、全く異なる価値観の持った人にとっては「たいしたことない」ものなのかもしれないのです。そんなことを気付かせてくれる場が症例発表なのです。
ほとんどはカボチャかジャガイモ
作業療法士なので、リハビリテーション系の学会にはよくいきますし、座長の経験もあるし、全国学会の企画運営をした経験もあります。
そんな立場から
人前でしゃべるのが苦手だっていう若手の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士さんや看護師さんに言っておきます。
「症例発表を聞いてる、フロアーに座っている人の大半はジャガイモやカボチャと同じで、ただそこにいるだけで、あなたに有益な意見を言ってくれるわけではありません」
発表を聞いて、演者に対して有益なアドバイスをしてくれる機会は非常に少ないと思います。せっかく発表しているのに、質問すらしてもらえないこともあります。座長すら何もコメントしてくれないこともあります。
ジャガイモやカボチャ相手に発表しているのと同じなんです。だから、緊張する必要なんて全くない。堂々と発表すればいいんですよ。
だけど、有益なアドバイスや意見をしてくれる人は時々いるんですよ。だから発表って面白い。いいこと教えてくれたりする人がいるんですよね。そんな人は、意地悪なこと言ったりしません。非常に前向きにいろいろ指導してくれたりします。
そんな機会やチャンスを求めて症例発表をしています。
常に進歩しなければならない
経験を蓄積するのは、自分がもっと高いレベルに成長するために必要な作業なんです。
医療業界にいて、目の前の患者さんを少しでもいい状態に改善したいなら少しずつでもいいから成長しないといけないんですよね。私が尊敬している医師からは
「大学病院は、臨床・教育・研究が3本柱。これは医療従事者にとっても同じなんですよ」
と教えられました。
どれか一つに偏ってもいけないんですよね。だから、この3つにまんべんなく関われるようなスタンスで仕事をしています。
訪問看護ステーションで臨床をしながら、養成校で非常勤講師として後進を育成し、症例発表で考えるって日々です。
あなたも日々進歩していますか?
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