生活行為向上リハビリテーションが2015年の介護保険の改定で注目されている。とくに、通所リハビリテーションでは当初の3カ月なら2000単位を算定できるというのも収益という視点では魅力。だけど、何か新しいリハビリテーションプログラムができたって勘違いしているセラピストがいるかもしれないので、書いてみた。
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活動と参加へのアプローチへの見直し
なぜ2015年の改定で、生活行為向上リハビリテーションというものが新設されたのかってことをイマイチ理解していないセラピストも多いでしょう。算定要件を満たすために研修会に行った理学療法士作業療法士、言語聴覚士さんも多いのではないかな?
このサイトで何度も書いているが、そのことを理解するためにはこの記事を読んでほしい。
新人PT・OT・STにも読んでほしい「高齢者の地域における 新たなリハビリテーションの在り方検討会 報告書」
この記事に掲載している資料を読めばなぜこのような加算が新設されたのかわかるはずだ。
目標の設定のあり方
リハビリテーションの目標の設定の位置づけというか、目標のあり方が問われている。
- 何のための運動能力の改善なのか?
- なぜ痛みの軽減にアプローチするのか?
- 体力向上が何につながるのか?
実施しているアプローチはいったい何を達成するために行っているのか?ってことが生活行為向上リハビリテーションでは問われています。
そのアプローチが対象者、利用者さんの「活動」と「参加」に対して貢献しているのかどうかということが、生活行為向上リハビリテーションでは重要なのです。
新しい考え方ではありません
ICFでいうところの心身機能へのアプローチに偏っていた従来のリハビリテーションから活動や参加といった具体的な到達目標へと視点を切り替えるのが、生活行為向上リハビリテーションです。
介護保険の改定でこのような加算が新設される以前から、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は対象者の方の生活動作の改善に向けてアプローチしてきました。わかりやすい表現をするとADLやIADLへのアプローチすることは、対象者の方の活動や参加を改善するために行っていたのです。
だから、従来からきちんとリハビリテーションを実践しているのなら生活行為向上リハビリテーションを実践することができるのです。
だけど、
- 微妙な関節可動域の改善にこだわる
- 筋緊張や姿勢の改善だけにこだわる
- リハビリの中身を利用者さんが全く理解していない
なんだか、マニアックなリハビリテーションを実践していて利用者さんの心身機能の状態が少しずつ改善しているのにもかかわらずADLの状態は全く改善していない。
セラピストの自己満足的なテクニックの向上だけにとらわれて、部分的な筋緊張の軽減や姿勢の変化にこだわっていて生活動作に全く変化がみられないとかというようなリハビリテーションが実践されているようなことが、前述した資料には記載されています。
そんなことばかりやっているから、リハビリテーションは質が低いと評価されてしまっているのです。
生活行為へのアプローチってこと
ちょっと語弊があるかもしれませんが、
セラピストが望むような美しい姿勢での動作よりも、多少姿勢がよくなくてもADLが改善するならその方がいい
ってことだと思うんですよね。まあ、よくない姿勢で二次障害が生じるようなら問題なんだけど、そうでなくて実用的な活動が行えるならそれでもいいって思います。
具体的に達成すべき動作や活動を明確にするってことが重要。
セラピストだけでなく他職種や利用者さんご本人やご家族が到達したかどうかってことを判断できるような目標を設定して、そのためにプログラムを実践することが、生活行為向上リハビリテーションなのです。
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