地域リハビリの拠点としての老人保健施設

群馬県の老健協会さんから研修会の依頼をいただいたので、老健施設が地域リハビリテーションで果たすことのできる役割について考えてみた。かつては私も7年間ほど老健に在籍していた経験も踏まえて書いてみる。


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老健が地域にあるってこと

老人保健施設は、地域のリハビリテーションの拠点になれるかの世がある施設なんです。

厚労省のホームページのっている、地域包括ケアシステムの概念図によると、地域包括ケアシステムは中学校区単位でのシステム耕地を目指しているようです。

地域包括ケアシステム概念図

「地域包括ケアシステムは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域(具体的には中学校区)を単位として想定」しているとのことです。

実際はこれよりももう少し広い範囲が老人保健施設の営業範囲なんですが、各地にあるっていうのは大きなメリットなんですよね。

多彩なサービス種別

  • 入所
  • 短期入所
  • 通所リハビリ
  • 訪問リハビリ

まあ、これだけのサービスを同じ事業所から提供できるっていうスタイルは、他の事業所からみると結構脅威だと思う。

言い方を変えれば、老健のサービスのいずれかを利用しているとほかのサービスも同時に利用できることができる可能性があるってことだ。短期入所や入所サービスは空きベッドがないと無理なんだけど、顔見知りのスタッフがいる施設を利用できるっていう気軽さが利用者さんの立場から見ると大きなメリットだ。

老健のセラピストとしての気概

私が老健で働いていてはじめて気づいたことが、利用者さんが最後に利用する施設なんだってこと。

リハビリ病院で働いていた時は、退院後の担当患者さんが最終的にどんな状態で、どうなったのかってことを知ることが難しかった。

だけど、老健だと近隣の利用者さんがほとんどなので、サービス利用中に入院してもわかるし、サービスがいったん中止になってもご家族が本人さんのことを報告に来てくれたりする。

そうして、残念ながらお亡くなりになっても家族さんから連絡をいただいたり、通所リハビリ(デイケア)の送迎中に葬儀案内の看板を見て気づいたりして利用者さんのを知ることができる。

そうなんですよ、地域で働いているってことはその利用者さんの人生の最後に寄り添っているってことで、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士はその利用者さんのQOLを変えることのできる職業なんですよ。

だから、老健のセラピストの方には

 

  • 地域のリハビリテーションの最後の砦
  • 利用者さんにとって最後のセラピスト
  • 地域を支えている

自分たちがこの地域のリハビリテーションを支えているんだっていう気概というか自負を持って働いてほしいっていつも思っている。

老健のリハビリスタッフの中には、法人内の移動でなんとなく働いている方もいるかもしれない。でも、老健っていうところはなんとなく働くところではなくて、地域リハビリテーションの拠点なんだってことを知ってほしい。

ホントは期待されている

老健にはセラピストの配置義務がある。

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士を必置しなければならない施設なんです。私が老健で働いていた時期は個別リハビリに対しての加算はありませんでした。だけど、改定のたびに老健のリハビリにはいろんな加算がつくようになりました。

確かに書類つくりは大変だし、病院よりもスタッフは少ない。だけど、診療報酬や介護報酬でリハビリ関連の点数がどんどん下がっている中、老健のリハビリだけは違う。いろんな加算がついて点数が増えている。

実はこれってすごいことなんですよ。

  • リハビリテーションマネージメント加算
  • 生活行為向上リハビリテーション実施加算

これもかなり大きな点数がついている。それだけ老健の役割として期待されているってことだ。

老健を中心にして地域がつながる

全国各地にある老健を中心にして、地域リハビリテーションがその地域に根付いていったらいいなって思う。

病院にはセラピストのいる病院もあればいない病院もある。だけど、老健には必ずセラピストがいる。だから、老健を中心にしてその地域のセラピストたちが情報交換したり、勉強会したりして双方向な関係を築くことができれば、その地域の地域リハビリテーションは大きく発展することになる。

そういった意味で、老健のセラピストが地域で果たすことのできる役割はたくさんある。

めっちゃ期待してるんですよ。

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2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

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