急性期~地域まで!セラピストのトータルな連携

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先日の投稿に質問をいただいたりしたので、もう少し書いてみた。地域包括ケアっていうものに対してリハビリテーションにかかわる理学療法士や作業療法士、言語聴覚士がより効果的に連携する手段について考えてみた。


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「地域包括ケア」っていうけれど

地域包括ケアシステムの構築に向けて、PT・OT・STの各協会が日本レベルで進めているのが、地域ケア会議への参画であったり、介護予防事業に対してのセラピストの参画である。

そういった協会主導レベルのものではなくて、もっと各地にある地域包括ケアセンターレベルの、セラピストにとって身近な範囲でもっと地域包括ケアシステムの構築に向けて、実践することができればよいなって考えているのが、

所属施設の垣根を超えた 急性期~地域のセラピストのトータルな連携システムの構築

です。

その地域にいるセラピストが、すべて顔の見える関係になってスムースに情報交換できたり、お互いの施設の勉強会や会議なんかに相互に出席できるような地道なレベルの連携を構築することが必要だなって考えています。

課題は山積み

回復期リハは地域リハのスタート地点!病院セラピストは意識改革が必要!!の記事に対していただいた質問の中にこんな一文がありました。

退院後に訪問リハを他事業所にお願いするケースもしばしばあり、家屋評価やサマリーを提出しております。これまで訪問リハのスタッフから問い合わせがあった事も無いし、元々訪問リハを利用されていた方や利用する訪問リハの事業所が決まっている方でも病院に状態を確認しに来られた事も無いです。担当者会議にも来られません。

同じように感じている、病院所属のセラピストも多いと思います。

ここにはいくつか問題があります。

  • 情報の伝達が一方向になってしまっていること
  • 担当者会議など、病院の働きかけに対して地域のセラピストが対応できていない
  • 他事業所に依頼したケースのフィードバックが病院側にもたらされない

まだまだ、地域レベルでのセラピスト同士の顔の見える関係が築けていないって感じます。

病院が地域からのフィードバックを受け取ることの意味

いまや、病院のリハビリテーションだけで患者さんのリハビリテーションが終了する時代は終わりました。

退院後もいろんなサービスの選択肢が存在します。退院後も患者さんは何らかのサービスを受けて、生活を営んでいらっしゃいます。

だったら、退院して半年後の生活の状態、退院して1年後の生活の状態を知ることで、

  • 入院中のリハビリでもっと工夫できることがあったのではないか
  • 家庭のことを配慮してもっとADL指導で介入しておく方法があったのでは?

など、退院後の生活の状況をしっかりと把握することで今現在入院中の患者さんのリハビリテーションに何らかの形で反映させることができるのではないでしょうか?

これまで、なかなか知ることのできなかった患者さんの退院後の状態について、地域のリハビリテーションにかかわっているセラピストからフィードバックを受けることができれば、より効果的な病院リハビリテーションができるのではないかって考えています。

病院と地域がつながる意味

退院してすぐに何らかのサービスが開始されるような場合は、病院のセラピストから地域のセラピストに情報が伝わっていることが多い。

だけど、退院してすぐにサービスを利用しなかったり、状態が悪化して退院して1年くらいしてから地域でのリハビリテーションサービスを利用されるような患者さんの場合、病院からの情報伝達は途切れてしまう。

退院して状態が悪化して、1年後くらいの訪問リハのサービスを利用される方の場合、当面の目標は

退院時の運動機能

になることもあります。だけど、その時に退院時の状態を把握しているのは家族と本人だけ。正確な情報はどこにもありません。

退院して、1年もたった方のサマリーを病院が書いてくれることもありません。

でも、顔の見える関係が構築でいていると、地域のセラピストが病院のセラピストに電話1本かけるだけで、患者さんの退院時の状態がわかるのではないでしょうか?

また、退院してすぐの場合であってもサマリーに書きにくいような情報などもスムースに情報伝えられますよね。

顔の見える関係って楽なんですよ。誰にどの情報を伝えればいいのかってことがわかるからね。

所属施設を超えた連携体制の構築

同じ法人、同じ職場だけのチームワーク、チームアプローチから、

地域で丸ごとリハビリテーション

みたいなチームアプローチに発展できることができれば、地域包括ケアシステムのリハビリテーションはより効果的なサービスを提供できるのではないでしょうか?

なんとなくなイメージですけど、

近くの病院や施設のセラピスト100人くらいと顔の見える関係になる

ってことができれば、地域で丸ごとリハビリテーションに近づくのではないかな。

なんとなく「活動と参加」へのアプローチからの脱却

病院のセラピストは心身機能の改善が優先です。だけど、活動や参加に全くアプローチしないことはありません。

だけど、その活動や参加へのアプローチが退院後に実践されているのかどうかってことは病院にいるだけでは確認できない。

確認することができないまま、なんとなく漠然としたイメージだけで「活動と参加」にアプローチしているのはイマイチではないでしょうか?

地域のセラピストと連携することで、漠然とアプローチしているものがより明確にアプローチすることができると思います。

だから、病院のセラピストには地域のフィードバックが必要なのです。

そのためには、所属施設にこだわらない連携体制の構築が必要なんですよ。

コメント

  1. 吉田真代 より:

    いつも読ませていただき勉強になります。
    確かに、特にリハに関しては病院からのサマリーはあっても、地域から病院へのフィードバックはないことがほとんどですし、意識も低いように思います。
    もっと顔のみえる関係にならないといけないと思います!
    勉強会後の懇親会などは最近は参加者少ない印象ですが、コミュニケーションをとりやすいので、参加したほうがいいなぁと思ってできるだけ参加してます。

    • 吉田さんへ

      コメントありがとうございます。
      双方向な関係を築いていくことが、これからの地域リハビリテーションには必要って感じています。
      顔見知りの人に連絡するのと、知らない人に連絡するのとでは情報の伝達の質も変わってくるって思います。

      やまだリハビリテーション研究所の研修会では毎回懇親会開催していますが、参加率はあまりよくないかな。飲めない人でも情報交換できるから参加してほしいんですけどね。

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