前回の納豆混ぜるっていう課題に引き続き、今度はフライパンをしっかり持つっていう目標設定をした。
そのことについて少し書いてみよう。
経緯はこんな感じ
月数回不定期に関わっている3時間2回転の通所介護事業所でのことです。
マシンのトレーニングの合間に新規ケースや継続ケースの評価をしつつプログラムを考えて職員さんにお伝えしています。
今回2人の女性の利用者さんを評価していたのですが、偶然にもお二人ともに
フライパンしっかり持てない
って話してくれました。
炒め物とかで、フライパンを固定することくらいは出来るんですが、フライパンを持ち上げてお皿に移したりするときに片手で持ち上げられず、両手で持っていると。
だから上手に盛り付けたりできないし、料理番組のように手首のスナップを効かせて炒めるなんてとてもできないと。
じゃあ、それ目標にしようってことになりました。
課題を探し出す
活動と参加へのアプローチのために必要な「体験や経験の積み重ね」
このコラムでも書きましたが、患者さんの経験や体験をセラピストが蓄積することが、活動と参加へのアプローチには必要です。
だから、
活動と参加へのアプローチに取り組んだことのないセラピストはそのようなデータベースが自分にないので、最初はめちゃくちゃ苦労する
そこそこ随意性の良い要支援とか要介護1くらいの状態の主婦の患者さんでも
- 洗濯機からの取り出し
- 洗濯物を高いところに干す
- 布団の上げ下ろし
- 風呂の掃除
- 大根とかカボチャを包丁で切る
こういった動作は、難しいと相談される経験が多い。
だから、ADLが自立しているような主婦の患者さんを担当した時には、このような動作の遂行が可能かどうかってことを確認したりするようにしています。
これまで、自分が担当していた患者さんの困りごとに耳を傾けて、目標として取り組んできた課題というものは、ほかのケースにとっても困りごとである場合が多いのです。
だから活動と参加にアプローチするということは、こういった患者さんの経験や体験をセラピスト自身の中に蓄積することができます。
そうしてその蓄積したデータベースが自分の中にあるからこそ、ほかの患者さんの生活状況をより効率的に把握できるようになると考えています。
活動と参加にアプローチするセラピストは、どんどん取り組めるようになる。
活動と参加にアプローチしないセラピストは、まったく取り組めない
そんな状況になっていくでしょうね。
今回の経験を活かして、主婦がやってみたいけど苦手な活動としてフライパンの操作が僕のデータベースに登録された瞬間でした。
最初は難しいけど、繰り返していけば、活動と参加にアプローチすることは難しくありませんよ。
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