回復期リハビリの退院目標はリアルな自宅復帰を想定する

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回復期リハビリテーション病院に勤務している理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方が設定している自宅復帰に関する目標はどれくらいリアルなんでしょう?訪問リハビリの現場で働いている立場から、リアルな目標について考えてみた。
2019年10月13日追記

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仏壇の位置を知っていますか?

退院前訪問や退院に向けて家屋状況などを家族から情報収集することは、回復期リハビリテーション病院に勤務している理学療法士や作業療法士、言語聴覚士なら当たり前のことだと思う。

でもたいていは、

  • 間取り
  • 玄関やトイレなどの位置とか導線

といったADLに関することが中心だと思います。

そのこと自体は否定しませんが、リアリティさには少し欠ける情報収集だと思います。基本的路線すぎるんですよね。

仏壇のある場所は1階ですか?2階ですか?

こんなことを聞いたことのある病院セラピストはどれくらいいるのかな?

特に高齢の患者さんであればあるほど、自宅にご仏壇があります。そうして、仏壇に手を合わせる習慣をお持ちの高齢者の方もいらっしゃいます。

1階が主たる生活の場で、トイレやベッドが1階にあっても、仏壇が2階にあればなんとしてでも2階まで上がろうとしようとする高齢者の方を訪問リハビリで担当した経験があります。それだけ、仏壇に対しての思いが強いってことがあります。

だから、仏壇の配置を確認するってことは大事なんだと考えるようになりました。ご家族にお願いして、仏壇の配置を変えていただいたこともあります。

洋式便座が低ければ補高便座を使う?

立ちしゃがみに課題のある患者さんに対して、退院にあたって洋式トイレに補高便座を使うこともあります。

補高便座を使うことに問題があるのではありません。

でも、その家でトイレを使うのは立ちしゃがみに課題のある患者さんだけではなくて同居している家族の方もトイレを使われます。
お孫さんと同居しているような高齢者の場合、本人さんには補高便座は便利でも同居しているお孫さんには不自由かもしれません。

そんなときは、取り外ししやすいタイプの便座を選んだり、補高の高さをぎりぎりまで低くしたりするような工夫が必要になる場合があります。

単に「立ち上がりにくいから補高便座」っていうような単純な図式ではないのがリアルな生活なんです。

退院後の生活の状況をどこまで把握できるか

退院した患者さんのフォローといいますか、退院後の経過をどこまで把握しているのかってことが

リアリティのある目標設定

につながるのです。

患者さんの生活の多くは、基本的なADLだけではないのです。

誰しもが行わなければならない、基本的なADLへのアプローチ以外にどこまでその患者さんのリアルな生活に迫ることができるかってことが今の回復期リハビリテーション病院に勤務している、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士に求められているのではないでしょうか?

自宅に戻ることが退院の目標ではありません!

自宅で生活すること!

が目標なのです。その生活のあり方にどこまでリアルに迫ることができるのかが課題なのです。

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