きちんとわかっていますか? 『患者さんから学ぶ』ってこと

よく言われていることですよね。臨床では「患者さんから学びなさい!」あなたも言われたことがあるのではないでしょうか?でも、それが具体的にどんなことか、きちんと理解している理学療法士や作業療法士、言語聴覚士はどれくらいいるのかな?きとんとわかっていますか?

担当してから退院までの経過をまとめる

私が以前に勤務していた病院では、入職して4年目になるとそれまで担当した患者さんの、入院から退院までの経過をまとめるという課題がありました。人数はうろ覚えですが、20人とか30人とかだったと思います。

  • 疾患名、年齢
  • 初期の評価
  • 問題点と目標
  • 経過
  • 退院時の状態

これを一人につき簡単にまとめるって作業を休みの日にやっていました。当時はいやでいやで仕方がなかったのですが、今振り返ってみると、この作業を通して自分の基本ができていたように思います。

皆さんは自分が担当している患者さんの状況を簡潔にまとめてすぐに口頭で報告できますか?そういったことは日々意識していないとすぐには口頭報告できません。

全症例でなくてもかまいませんから、2カ月に1人くらいはA4用紙に一人分の簡単なまとめをしておくと、症例報告の能力が上がりますよ。

自分が行った治療で患者さんがどのような変化をたどっていったのかをしっかりと確認する作業をしましょう。

治療そのものがあなたへのフィードバック

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の方の場合、治療では徒手的なかかわりをすることが多いと思います。

徒手的治療という意味だけではなく、患者さんに触れる、介助して動かす等、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が自分の体で相手の体に触れて治療する場面は必ずあります。40分や60分の治療時間で一度も触れずに治療する場面というのはそうそうないでしょう。(特殊な目標や治療内容では触れない場合もありますが、、、)

では、そのあなたが介助している、触れていることに対して、患者さんがどのような反応を示しているのかということをきちんと意識しながら触れたり介助したりしていますか?

あなたの触り方や介助の仕方、誘導、コントロールの仕方によって患者さんの反応というものは変化するものです。その変化に対してこちら(理学療法士や作業療法士、言語聴覚士)のコントロールの仕方も変化させなくてはなりません。

こちらの意図するようにコントロールできる時もあれば、うまくいかないときもある。

うまくコントロールできないときには、動かし方やコントロールする部位などを変化させたりする。

患者さんからの反応をフィードバックとして受け取り治療内容を変化させる。大雑把な表現でいえばクリニカルリーズニング(臨床的推察)といえます。これを治療中は常に行っていることになります。(クリニカルリーズニングはもっと奥が深いものですが、上記のようなことも含まれています。)

一ミリの違い

「クリニカルリーズニングならいつもやっている」

という声も聞こえてきそうですが、どこまで細やかに相手の反応を感じたり評価しているのでしょうか?

もしくは相手の変化に対して理学療法士や作業療法士、言語聴覚士はどれほど細やかな対応をしているのでしょうか?

皆さんは、患者さんの体をコントロールする、あなたの手でハンドリングするときに、どれくらいの精密さで患者さんをコントロールしていますか?

1ミリ単位で動きを意識していますか?

それとも1センチ単位、5センチ単位、10センチ単位あなたの精密さはどれくらいでしょうか?

それくらい細やかな意識を持ってコントロールすべきものだと思っています。1ミリ単位の動きであっても患者さんによっては反応が変わってくることがあります。

1ミリで変化が出る患者さんに対して、5センチ単位でしかハンドリングのコントロールをできなければ、患者さんの細やかな反応に気づくことはできません。

だから、あなたの手が患者さんに触れているときには集中して変化を感じ取らなければならないんですよ。

他のことを考えながらできるものではありません。

患者さんから学ぶということはセラピストの能力を伸ばすことのできる、最も効率のよい方法なのです。

あなたが患者さんから学んでセラピストの能力を向上させることが、これから担当する患者さんの治療がより効果的になるということです。

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2018年同時改定や2025年問題、地域包括ケアシステム、子どものリハビリテーション、そんなテーマでさらに価値あるコラムを書いています。

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