ボタンを止めると言う動作・課題を段階付けするときに、ボタンの大きさの大小だけで考えている人もいるのではないでしょうか?そんなのだけでは不十分ってことを書いてみた。
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ボタンを留める(止める)という動作
更衣動作の要素の一つとして、ボタンをとめる という動作がある。手指の協調性を要する動作のため、手指の動きが不十分な患者さんの場合は、前開きシャツではなく、トレーナータイプの衣類を選択することが多い。
しかし、手指の動きがみられるような場合や、小児の症例のように発達の要素を伴って徐々にボタンという動作の学習をさせたいような場合は、段階づけを工夫することで、ボタンの操作が行いやすくなる。
やってしまいがちなのは、単にボタンの大きさだけで段階づけるということだ。間違ってはいないが、段階づけの工夫としては不十分だ。ボタンの大きなものから練習して、徐々に小さいものに段階づけるだけでは、課題の難易度の設定の工夫としては物足りない。
ボタンをとめる動作の要素
ボタンを留める動作を段階づけるときの要素として考えられるものの一例をあげると
- ボタンの大きさ
- ボタンの固さ
- ボタンの厚み
- ボタン穴の大きさ
- ボタン穴の固さ
- ボタンの位置
思いつくだけでも、これくらいは上げることができる。リーチ動作の段階づけでも書いたことだが、それぞれの要素について段階づけすることができる。
だから、ボタンの大きさだけで治療の難易度を決めるっていうのはかなり乱暴な考え方ってことなんです。
ボタンの大きさ
ボタンの大きさが大きいほうが難易度が低く、ボタンが小さいほうが難易度が高いという訳ではありません。
患者さんが大人の場合と、子供の場合では当然手のサイズが異なります。また、手指の協調性や随意性の違いによってもつまみやすいボタンのサイズっていうものがあるのです。
ですので、課題に取り組むべきボタンのサイズをいくつか試すことが必要なんです。そのボタンを基準として、大きくするのか小さくすべきなのかってことを段階づける必要があります。
ボタン穴の大きさや固さ
大人の患者さんでボタン操作で難易度が高いものの一つに、ワイシャツの袖のボタンがあります。
ワイシャツの袖の生地は他の部分に比べると少し厚みがあり固いものが多いのです。その為、ボタン穴にボタンを通すときに、通すのが難しかったり、ボタン穴にボタンをねじ込むことが難しいのです。
また、他の部分のボタンに比べるとサイズが小さかったりするので余計に厄介なのです。
カジュアルなタイプのワイシャツの中には、袖の生地が柔らかいタイプがあります。サラリーマンの患者さんの場合いろんなタイプのワイシャツを持っていることが多いので、自宅から柔らかめの生地のものを持ってきていただいたりすると、練習が行いやすい場合もあります。
ボタンの位置
ボタンの練習を考えるときに、ワイシャツなどの前開きタイプの更衣動作をイメージすることが多いのですが、他にもボタンを留めるという動作はあるのです。
我が家にはティッシュボックスのカバーはボタンで留めるようになっています。小児の患者さんの場合は人形のお洋服などを止めたりすることもあります。
小さな子供さんのケースの場合は、衣類のボタンを練習すると顔の向きとか、視線とかをボタンに向けることが困難で上手に練習出来ないことがあります。
人形とか少し上肢の操作が行いやすい位置のボタンなどを留める練習をしたり、自分が身につけている衣類のボタンを留めるのではなく、脱いだ状態のボタンを留める練習をするなど、といったアプローチの仕方もあります。
身につけた衣類のボタンの場合、袖口とか、胸の前などのように特定の位置にボタンがあり、その位置に上肢やを持ってこないと操作ができません。上肢機能が不十分な患者さんの場合なかなか練習ができません。
脱いだ状態の衣類の場合は、自由な位置にボタンを持ってくることができるので、ボタンの操作だけの練習をすることが可能となります。
脱いだ状態でもボタンが留めるようになってから、身につけた状態で練習するという風に段階づけることができます。
ボタンをとめるという動作を一例に挙げて段階づけを考えてみました。リーチ動作での段階づけと同じように、他にも考慮すべき要素は多くありますが、わかりやすくいくつかの条件に限局して書いています。
患者さんの状態に合わせて工夫してみてください。
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