医療業界、特に理学療法士や作業療法士、言語聴覚士や看護師さんたちが管理職となって一番戸惑うのが「数字の管理」ではないだろうか?普通の会社のサラリーマンなら当たり前のことなんだけど、医療業界の管理職は数字に弱いと思います。そんなことを書いてみました。
数字を見てリハビリや看護しているわけじゃない!
いやいや、ちゃんと数字を見て業務しないといけないですよ。
- 「数字がすべてではない!」
- 「患者さんからの信頼が一番なんです」
若手の看護師やセラピストなら言いそうなことですよね。でもね、いくら患者さんから信頼されても数字が伸びなければ皆さんに支払うお給料は下がる一方ですよ。
だから、管理職者はしっかりと数字を読めるようにならないといけませんよ。リハビリテーション部の管理職者なら
- 1日や1ヶ月単位の治療患者数(入院、外来)
- セラピスト一人・1日あたりの担当患者数
- セラピストの担当患者数
- セラピストの空き枠の数や1ヶ月の単位の稼働率
こんな感じの数字はきちんと把握しておきたいところです。
看護師さんの管理職なら
- 空きベッドの状況
- 病床の稼働率
- 平均在院日数
- 自宅復帰率
っていうような数字を把握しているでしょうか?
せめて担当部門の数字は把握する
何故このような数字を把握しておく必要があるのでしょうか?
- この数字が病院の売り上げに関わってくる
病院の収入に関わる数字だから知っておく必要があるのです。セラピストの空き枠が一つもなく稼働率100%で動いている状態と空き枠があって稼働率90%の状態では当然ながら稼働率100%の方が病院の収入は多いのです。
もし年間通して空き枠があって、その空き枠の総数がセラピスト1人分に該当するなら人件費的に見ると1人余計な人材を抱えているという計算になります。
看護師さんであれば、平均在院日数の変化が病棟の売り上げに関わってくる場合があります。
お給料が必要ないのであれば、数値管理は必要ありません。でもお給料が必要なら数値管理は誰かがしなくてはならないのです。
数値管理は事務の仕事だ
っていう人もいるかもしれませんね。数値をしっかり管理するのは事務の管理かもしれません。しかし、現場の運営をしているのは理学療法士や作業療法士、言語聴覚士や看護師さんたちですよね。
その現場を自分たちの運営しやすいような業務内容や業務指針で行うには、病院経営者から求められる実績を残して初めて自分たちのやりたいように仕事をさせてもらえるのです。
数値を管理せずに事務に任せてしまうってことは、自分たちの仕事内容に事務が口を出してきても仕方がないってことなんです。
専門職が自分たちのやりたい仕事をやるなら、管理職として自分の部門の数値管理はしっかりとやる必要があるのです。
現場仕事だけしておいて済まされるのはヒラの職員だけです。
診療報酬や介護報酬の改定には目を通す
数値だけでなく、2年に一回の診療報酬改定や定期的に行われている介護報酬の改定などの情報にも目を通すようにしましょう。
診療報酬が改定されるということは、同じ働きをしても売り上げが変わる可能性があるってことです。
数値管理と同じように、改定情報についても事務の人任せにしておいてはいけないのです。
情報をしっかりと理解できているか、情報を多く集めているのかってことは管理職者として当然の行動なのです。
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