新米管理職がすべきこと4「俯瞰する習慣を身につける」

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医療系や介護系で働いている新米、若手の管理職の方向けに書いているシリーズの第4弾です。細かな指示を新人にすることも大事なのですが、これからさらに上のランクにステップアップを目指す方にとって大事なのは俯瞰することを習慣づけることだと思います。そんなことを書いてみました。管理職者でなくても、この俯瞰する力をつけると仕事はスムースにできますよ。


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俯瞰するってこと

別に辞書で調べたりしたわけではないので、私なりに「俯瞰する」ってことをアバウトに書いてみると

  • 一歩ひいて全体を見渡してみること
  • 個を見るのではなく全体の中での個を見る
  • 大きな流れの中で今何をしているのかを見る

こんな感じかな。

新米の管理職の方って、けっこういろんなことをきっちりとしないといけないって思いこんでいる方も多いと思います。それはそれで大事だと思います。

だけど、一つ一つのことをしっかりと行うってことは一人一人の職員がすべきことなんですよね。

管理職だからといって一般職員の何倍もの仕事を実行できるわけではないので、全ての業務を管理職がやるのではなく、重要な仕事であっても部下に「任せる」ってことも必要になってきます。(「任せる」ってことについてはまた後日書いてみます。)

医療や介護の現場では、多職種がいろんな人の指示を受けて動いています。あなたも管理職としていろんな仕事を任せられたり、部下に任したりしています。ごちゃごちゃした中で、最も大事なのは

  • 今やっている仕事は全体の中のどの部分なのか?
  • 歯車の一つとして働いているけど、どの部分の歯車なのか?

って感じで、自分や自分のチームがやっている仕事はどの部分なのかってことをしっかりとみるってことが大事になってきます。

そのようにして、全体を見渡すこと、全体の中で今している業務がどの部分なのか、チームアプローチのどこを担っているのか、ってことを把握することで、多職種との連携がスムースに進むようになってくるのです。

全体を見る「俯瞰する」習慣を身につけるからこそ、全体の中での仕事の優先順位をつけることもできるようになるのです。

チームアプローチと俯瞰

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の連携はとにかく押し付けになりやすいってことをこのブログではよく書いています。

自主トレやADLの介助方法などを看護師や介護職などの病棟スタッフの忙しさも考えずに、「あれやっといて」「こんなふうに介助しておいて」などと連絡するってことが多いんですよね。

そしてそれがきっかけで、部署間のもめ事に発展するってこともしょっちゅうある事です。

こうなってしまう原因は「俯瞰」するって視点がないからです。

自分の業務のことだけを考えているんです。介助方法や自主トレを指導することは間違っていない。だけどいくら良い指導であっても、それを実践するスタッフのシフトや業務スケジュールのことまで考えないと実践してもらえないのです。

リハビリスタッフのことだけではなく、病棟の動き、看護師や介護職の動き、病棟のスケジュールなどを俯瞰して、その中でどのようなアプローチであれば、病棟スタッフに自主トレやADLの介助方法を見直してもらうことができるのかってことを考える必要があるのです。

このような考え方をする能力が管理職には求められます。

部下の行動を把握しながらも、多職種との連携の中でその行動が妥当かどうかを判断するのです。

たんに、自主トレの方法が適切かどうか、介助方法が適切かどうかを判断するだけではなくて、それを実践する病棟との関係を見ることが必要になってくるのです。

それには部下の行動だけを見るのではなく、病棟全体の動きを俯瞰する必要があるのです。

ケアマネの仕事と俯瞰

この俯瞰する行動は介護保険で働いているケアマネジャーさんに最も求められる行動です。

ケアプランに盛り込まれている、多くの事業所や多くのスタッフの行動の全体を把握する能力こそが俯瞰するってことなんです。

利用者さんからのクレーム

私のこれまでの経験では、中立・公平とは言いつつも利用者さんからのクレームに対しては利用者さんの立場側に位置しているケアマネさんが多くいます。

だけど、ホントは利用者・サービス提供者どちらの意見も公平に聞いてほしいなって思います。

これができていないのは俯瞰する能力に欠けているからだと思います。

クレームがあると、謝罪することに主眼が置かれたり、クレームの対応をすぐに行いたいって考えがち。だけど、クレーム対応で重要なのは

  • 何があったのかを知る事
  • 利用者、サービス提供者両方の意見を聞くこと

というような客観性が求められるわけですよね。その為には全体を見渡しながらどのように行動すべきかということを考える必要があるんだけど、ついつい利用者さんの側の意見ばかりを聞いてしまうことが多くあります。

両者の立場や意見を俯瞰するからこそ解決策が見つかるのです。

俯瞰することを習慣にする

何事も慌てて行動しないことがいいんです。

急いで対応すること、急を要する対応ってことと慌てて行動するってことは違います。

急いで対応しないといけない時こそ、まず「俯瞰」してみて全体を見渡しましょう。その全体の中今すべきことを考えて行動することが、管理職者に求められていることなんです。

俯瞰する習慣を身につけてみませんか?

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