通所リハ(デイケア)終了しないと減算になる生活行為リハビリテーション実施加算のこと

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平成27年度(2015年)の介護報酬改定の新設されている加算では生活行為向上リハビリテーション実施加算がリハビリ関係者では注目を集めていると思う。早くも研修会探しをしているセラピストは多いと思うが、ちょっと待ってほしい。この加算を算定するってことは、通所リハビリ(デイケア)を利用している利用者さんの利用を終了することになるんだってことを知っていますか?

このコラムは2月14日時点の情報をもとに書いています。
加算などについては現時点で公開されている資料を筆者が理解している範囲で書いています。最終的な確認は各自の責任のもと自治体などに行ってください。当サイトでは責任を負いません。


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減算が明記されているんですよ

生活行為向上リハビリテーション実施加算の点数「開始月から起算して3 月以内の期間に行われた場合 2000単位/月」と要件の研修会の受講にばかり目がいってこの減算を確認していないセラピストは多いのではないでしょうか?

6、生活行為向上リハビリテーション実施加算の実施後に通所リハビリテーションを継続した場合の減算(新設)
生活行為向上リハビリテーションの提供終了後の翌月から6月間に限り1日につき所定単位数の100 分の15 に相当する単位数を所定単位数から減算する。

「生活行為向上リハビリテーション実施加算」は文字通り生活行為を向上させることが狙いなので、通所リハ(デイケア)を卒業して生活していくことが前提となっています。だから、この加算を取った後も通所リハ継続しているなら減算になるようです。15%の減額ってきついな。

利用終了させることができるか?

かつて老健のデイケアで働いていた経験から考えると、利用終了を利用者さんに伝えることは難しい。

他のサービスよりも通所リハ(デイケア)が好きで、その施設のサービスが好きで利用している利用者さんが多い。だから、いくら状態が改善したからといって加算を理由で終了させるなんて難しいだろうって思う。

ケアマネが了承するのかな?

生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定要件の一つに「(4) 通所リハビリテーション費におけるリハビリテーションマネジメント加算2(II)を算定していること。」って記載があります。

ってことはもっとも加算の単位数が高いパターンとして

  • 生活行為向上リハビリテーション実施加算 2000単位(月)
  • リハビリテーションマネジメント加算2(II) 開始月から6月以内 1020単位/月

なんと3020単位/月となる。

月1回の訪問指導等の加算550単位もケアプランに組み込むことを嫌がっているケアマネジャーさんがいると聞いています。たしかに、カツカツの点数でケアプランを組んでいる利用者さんは多い。実情はわかるけど、必要だから実施しているものをプランに組み込んでもらえないのは辛いよね。

その550単位をはるかに上回る、3020単位もの加算を本当にケアプランに組み込んでくれるのか?かなり疑問です。

算定しない事業所が多くなるかも

生活行為向上リハビリテーション実施加算を実現するために、リハ系団体が厚労省に対して働き掛けた結果だと思います。だから、リハビリテーションの重要性・必要性が認められたって意味は大きい。

だけど、利用終了することが前提になっている加算を積極的に採用する通所リハでてくるのかな?
利用者さんのデイケア利用を終了しない為には

  • リハビリテーション実施加算を算定して上で継続利用して減算を覚悟する
  • 減算を避けるために、リハマネ加算だけを算定し生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定しない

ってことになるのかな。週何回通っているかってことも絡んでくるから、どれが収益的にメリットがあるのかは細かに数字をはじき出さないといけないね。

通所リハを併設している老人保健施設は、通所リハ以外にもショートステイ(短期入所)や入所、訪問リハビリのサービスを提供している。

通所リハビリに通いながら、必要に応じてショートステイを利用したり、状態が悪化したら入所したり、リハビリの必要性が高くなったら訪問リハビリを利用したりと、地域の拠点としてサービスを提供している。

顔なじみの職員がたくさんいるからその老人保健施設のサービスを長期的に利用している利用者さんが多いんだ。

そんな風に長期的に利用している利用者さんに対して利用終了を伝えられるのか。それに、利用終了したら新規の利用者さんを探さないといけないよね。ものすごく利用待機を抱えている事業所ならともかく、そんなにタイミングよく新規利用者さんがいるのかってことも問題だ。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の必要性が認められて新設された加算である「生活行為向上リハビリテーション実施加算」はリハビリ職としてはめっちゃうれしい。

だけど、実務的な運用面を考えると減算の可能性があるというのがちょっと悩ましい。

あなたの施設ではどうしますか?

コメント

  1. 稲村久 より:

    勉強させていただきました。
    減算となる所定の単位が指す意味はなんだと理解されてますか?基本料?生活行為向上の2000単位?総額?

    ご見解をお知らせください。

    • 稲村さんへ
      ここで言う減算の対象は「通所リハビリテーション費」だと考えています。稲村さんが言うところの、「基本料」かな。

      通所リハビリにくるたびに請求することのできるものです。

      減算が開始されるのは、生活行為向上リハビリテーション実施加算の期間が終了してからですので、減算が開始されるときには生活行為リハ加算は請求できないからね。

      ブログにも書いておりますが、最終的な判断は自治体担当者にご確認いただきますようお願いします。

      ブログに書いてる内容はいつでも研修会開催できますから、興味あれば声かけてくださいね。質問ありがとうございました。

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