とりあえずリハビリしてください!っておかしくないかな?というコラムの続きです。
プランと指示書
【2018同時改定】「自立支援」って言葉の中身が議論されているね
上記のコラムにも書いたのですが、介護保険においてリハビリテーションに関するサービスを利用するには
- ケアマネジャーさんのプランに記載がある事
- 医師の指示書
が必ず必要である。
必要でないリハビリテーションが行われているという指摘を受けることもある。
リハビリテーションを中心に運営している訪問看護ステーションに関して、看護系の団体が手厳しい意見をしたりすることもある。
もしそう言ったことを何とかするのであれば、ケアマネジャーさんたちがサービスの適正化を図るようにすれば、極端なリハビリテーション依存のサービス提供は減少すると考える。
ケアプランに記載されない限り、リハビリを勝手に提供することはできないのですから。
自分たちの行動の結果をケアマネジャーさんに責任転嫁しているわけではありません。私たちリハ専門職にも反省すべきことはある事は理解しています。
元に戻らない
上記のコラムにも書きましたが、リハビリテーションを実施すればすべての対象者が元に戻るのではないのです。
延々とリハビリテーションをすれば元に戻ると考えておられるケアマネジャーさんがいるなら考えを改めてほしいのです。
2017年の厚労省の介護給付分科会に提出されている資料から引用すると、リハビリテーションの定義は
リハビリテーションは、心身に障害を持つ人々の全人間的復権を理念として、単なる機能回復訓練ではなく、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その自立を促すものである。
対象者の方の自立をどのように支援するのかということの手段の1つがリハビリテーションであって、リハビリテーションを実施することが目標ではないのです。
ケアプランに体の状態を元に戻すという記載があるのでしょうか?
そうではなくて、何らかの目的がありそれを達成するために各種サービスを利用するのでしょう?
自力で遂行することだけが自立ではない
目的とする活動を達成するための手段は様々です。
自力で何でもできることを目標にするとするなら、何らかの後遺症がある対象さんは目的の達成が困難になります。
そのためにリハビリテーションを行うのですが、その目的は元の体の状態に戻すことではないのです。
後遺症がある状態であっても、目的とする活動を実践する方法を考え工夫し練習することなのです。
介護保険におけるリハビリテーションは、活動と参加へのアプローチに舵を切っています。
この流れは2018年同時改定でも引き継がれていくでしょう。そう言った流れをケアマネジャーさんたちは理解しているのかな?
上記の図をしっかり見てほしい。
加齢という要素を考慮すれば、元に戻るなんてことはありえないのです。年を重ねれば個人差はありますが何らかの老化や衰えは避けることが出来ないのです。リハビリテーションで遅らせることはできても、元には戻せない。
少ない資源の効果的活用
作業療法士として地域の現場で出来ることはたくさんあると思っています。
だけど、リハビリテーション専門職の多くは病院で働いており地域の現場に出てくる理学療法士や作業療法士、言語聴覚士はまだまだ少ないのが現状なのです。
地域によっては介護保険で使えるリハビリテーションサービスがないところもあるでしょう。
だからこそ、リハビリテーションのことをきちんと理解して、適正な利用をしてほしいなと考えています。
⇒サービスの適正利用のこと
病院では医師が指示を出します。介護保険のサービスも同じですが、それに加えてケアプランに記載がなければ使えないという点でケアマネジャーさんの役割は非常に大きいのです。
地域で少ないリハビリテーション資源を効果的に運用するカギを握っているのがケアマネジャーさんではないでしょうか?
ケアマネジャーとリハ専門職の連携
ここ数年ようやく、リハビリテーション関係者とケアマネジャーさんとの連絡会や勉強会が立ち上がってきた。
そんな中で、リハビリテーション専門職は積極的に正しいリハビリテーションのあり方をケアマネジャーさんたちに伝えてほしいと考えています。
心身機能へのアプローチに偏重したものでもなく、ダラダラ提供するものでもないリハビリテーション。
リハビリテーション専門職は、積極的に情報発信すべきだ。
そのうえで、それぞれの地域のケアマネジャーさんと協力関係を築いてほしい。
2018年に向けてすべきことはたくさんあります。
⇒2018年同時改定に向けてリハビリ専門職がすべきこと
⇒2018年同時改定直前マガジン やまだstyle vol.9
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