児童発達支援事業所で記録を書いていた時のことです。カルテの書きかくときにちょっと気になることがあったので、カルテに書く前に保育士資格のスタッフの皆さんに、ちょっと聞いてみたことを書いてみます。やっぱり多職種連携は気をつけないといけない。ここでは子供のケースですが、大人や高齢者のリハビリでも同じことは現場で起こっていると思います。
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トンビ坐りってわかりますかあ?
児童デイで担当することになった新規ケース。
いわゆる「トンビ坐り」をします。子供のリハビリテーションに関わっている方ならどんな坐り方かわかりますよね。
他にも「割り座」とか「W-sitting」って表現することがあるかな。
正座の状態から、下腿の間にお尻をおろして座っているような座位姿勢のことですよね。
新規担当ちゃんがこの坐り方をしていたので、記録として書いておこうとしたんだけど、念のための確認として数人の保育士スタッフに
この坐り方のことなんて言いますか?
って実演しながら聞いてみたところ?
- お姉さん坐り
- 分からない
という返答。トンビ坐り、割り座、という答えは返ってきませんでした。
「横座り」のことをお姉さん坐りっていうスタッフもいたので大混乱。
けっきょく、「お姉さん坐り(トンビ坐り・割り座)」と記録用紙には記載しました。
正しく伝わらない記録は意味がない
紙のカルテにしろ、電子カルテにしろ、多職種が閲覧することになる記録には専門用語を控える必要があります。だからといってなんでも平易に書くっていうのも難しいもんです。
だから、最低限利用することになる用語については多職種間での相互理解が必要になります。
例えば 「ST」っていう用語は
リハビリテーション専門職の間では「言語聴覚士」と理解されますが、看護師さんやケアマネジャーの間では「訪問看護ステーション」の略号として使っている事業所もあったりします。
通常は、その前後の文章からどのような意味で用いている用語なのかってことを判断します。
だけど、「トンビ坐り」のようにまったく理解してもらえない用語であれば推測のしようもない訳ですよね。
多職種連携のために必要な要件の一つである
共通言語
は重要。よく使う用語だけれども、特定の職業の方しか使わない用語であれば共通言語になるまでの間確認しながら用いるか、ほかの表現と併記する必要があります。だんだんそれが共通言語になっていけば併記する必要はなくなります。
広がる裾野と多職種連携
リハビリテーション専門職の働く領域は拡大しています。
それに伴ってこれまで連携していなかった多職種との連携の必要性も高まってきています。とくに、地域リハビリテーションの領域ではその傾向が著名です。
医療分野でのみ働いていたリハビリテーション専門職は、自分たちが日常的に使っている用語が伝わらない可能性を常に考慮する必要があります。相手が確認してこなかったら通じているってことではありません。
確認してこないならこちらから確認するのです。めんどくさいことは誰もやろうとしない。だから、わからないまま放置されていることもあるんですよ。
そのあたりのことをしっかりと考えて行動しましょう。
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