2019年11月16日追記
退院後に「病院と同じリハビリテーションをしてください」っていう患者さんがいるってことについて書いているシリーズの第3弾。じゃあ、病院ではどんなことを考えてリハビリテーションすべきなのかってことの個人的見解を書いた。
※このコラムは作業療法士のやまだが、地域で働いている立場から、病院で働いているリハビリテーション専門職に対して書いているコラム・メッセージです。リハビリテーションを受けておられる患者さんを批判しているわけではありません。日本のリハビリテーションシステムに対しての個人的見解です。リハビリテーションを受けておられる患者さんが自分のやりたいリハビリを受けるということを否定している記事ではありません。
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今どきのリハビリテーション
回復期リハビリテーション病棟での7単位以上のリハビリテーションには厳しい制限が付き、退院後のリハビリテーションについては介護保険でしか受けられない方向で制度改定は動いている。
今はそんな時代なんだ。
この二つの図に書かれているように、
病院リハビリテーションだけで患者さんのリハビリテーションが完結するわけではない
っていうことを病院で勤務しているリハビリテーション専門職は肝に銘じてほしい。
だから、退院後のことを意識したリハビリテーションの展開が必要なんだ。
「退院後のことは退院先のセラピストがやればいい」
なんてことを考えてはいけない。
「あと2週間で退院ですよ、今までと同じようなリハビリテーションは受けられませんよ」
なんて安易に言うだけではいけない。「今までと同じような・・・」って入院のリハビリと退院後のリハビリは全く違うのかのようなを宣言しているだけでは、無責任だ!
入院中のリハビリテーションから退院後のリハビリテーションまでトータルな関わり
が必要だってことだ
地元事業所との連携が必須
noteサイトに連載で書いているんだけど2025年に向けてはセラピストがやらなければならないことがたくさんある。
⇒2018年同時改定に向けてリハビリ専門職がすべきこと
⇒2019年版 生活期リハの視点で病院リハと生活期リハをつなぐ・変える
その中の1つが、病院と近隣の事業所との連携が必須だ。
退院後の受け皿である地域リハビリテーションとスムースに連携する必要がある。
退院先でどんなリハビリテーションが展開可能なのかってことを理解していれば、退院後のリハビリテーションの選択肢を知っていれば、
退院後の生活に向けて入院中に優先的に解決すべき課題
をしっかりと意識したリハビリテーションを入院中に実践することができるはずなんだ。
退院後にもリハビリテーションサービスを利用することが前提なんだ
連携とかチームアプローチとか言ってるけど、まだまだ病院と地域の連携は不十分だ。
定期的に地域で病院のセラピストも集まって情報交換しているようなエリアはすごく少ない。
きちんと連携しているなら
病院と同じリハビリテーションをしてください
っていうことを言う患者さんは激減すると思う。
退院後の生活を見越して、ある程度予測を立てて入院中に関わる事で退院に向けた準備とかオリエンテーションとかを実践していれば、そんなことにはならないと思う。
何よりも回復期リハビリテーション病院は地域リハビリテーションのスタート地点だってことを認識していますか?
病院で働いているリハビリテーション専門職は地域との連携がしっかりできていますか?
訪問や老健や通所で働いているリハビリテーション専門職は病院セラピストとしっかりと情報交換できていますか?
お互いが歩み寄りを見せていますか?
そんなことが2018年同時改定に向けては必要になんですよ
さらに実践すべきこと
その上で
- 触らないリハビリテーションの実践
- 興味関心チェックリストの活用
- 活動と参加への働きかけ
といったことを積極的に実践していく必要があると思います。
詳しくはこちらをご覧ください
⇒2019年版 生活期リハの視点で病院リハと生活期リハをつなぐ・変える
読んでるだけでは意味がない
このコラムを読んで
「はー、なるほど」
って感心しているだけではだめですよ。ぜひ実践してください。
2018年の同時改定、2025年問題に向けてリハビリテーション専門職がしっかりと病院や地域リハビリテーションの現場で生き残るにはそれしかありません。
報酬改定でいろんなことが厳しくなることに嘆いているだけではなくて、時代の変化に対応していかないと取り残されてしまいますよ。
いつかそのうちなんとななる!みたいな幻想を持っているなら、間違いです。
誰も助けてくれないし、いつか何とかなったりしない!
行動に移した人だけが生き残れるんです!
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