訪問で小児・子供のリハビリにかかわっていると、多くの機関、施設、病院、職種などとかかわることが多い。しかしながら、子供にかかわっている関係者は多いがスムースな連携が行われているかというと十分ではないように思います。なんでそんなことになっているのでしょうか?連携をどうやっていったらいいのか、ってことを少し書いてみたいと思います。
スポンサー広告
連携をマネージメントするコーディネーターがいない
介護保険であれば、ケアマネジャーが複数の事業所や職種のコーディネートをしていますが、医療保険でサービスを受けている場合、そのような人材はいません。
地域によっては、地元の保健師さんや自治体の福祉担当の職員さんがやっておられることもありますが、保健所や自治体って定期的に職員の異動があるものなので、長期間にわたってコーディネートする人材はいないといっていいでしょう。
そのため、医療保険で各種サービスを受けることの多い、小児を対象とした訪問サービスではコーディネーターが不在となりやすく、連携については担当者任せになることが多くなりがちなんです。
養育者がコーディネートするのは難しい
コーディネーターが不在となると、養育者(主として母親)がその役割をせざるを得ない状況となることが多くなります。すべての事業所の担当者を一番知っている人物が母親だからです。
ところが、母親は自分の子供の状態はよく把握していても、専門家ではありません。訪問の看護師、リハビリを担当している理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、訪問診療している医師のような専門知識を持っているわけではありません。
それぞれの職種の間に入ってメッセンジャー的な役割を担っている母親ですが、専門家ではないので、担当者が行っていることを正確に伝えるというのは至難の業なんですよね。
やっぱり担当者同士の連携が重要
専門家ではない母親のメッセンジャー的な役割は必要最小限にすべきだと思います。
必要な事柄は担当者同士が直接連絡を取ってやり取りするほうが効率的で、的確な連携が行えるはずですよね。
でもなかなか連携のための時間を確保できない
顔を合わせたお付き合いが連携の第一歩であると私は考えています。しかし顔をお合わせるってなかなか難しいですよね。
医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ヘルパーさん、訪問入浴いろんなスタッフがいますが、それぞれ担当の利用者さんを抱えていて顔を合わせる時間がなかなか取れないのが現状だと思います。
まずは伝えることから始めよう
とりあえず、お母さんからかかわっている事業所名や担当者名くらいは聞いておきましょう。
そして、まずはお母さんを通じて、自分の事業所の名刺や連絡先などを他の事業所のスタッフに渡してもらいましょう。自分がこの子供さんにかかわっているんだっていうことを知ってもらうことから連携を始めてみてはいかがでしょうか?
相手に自分の存在が伝わっていると、必要に応じて電話などで連絡をとるときとかに少しはスムースに話が伝わるのではないでしょうか
たとえば、補装具や車いすのこと
訪問業務では車いすや補装具を作成することはできません。
通園施設や病院などで処方してもらったり、学齢期では支援学校などで処方されることが多いようです。
通園施設だと担当の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が確認しながら、車いすや座位保持装置などを作成することが多いのですが、支援学校では理学療法士や作業療法士のかかわりがない場合もあります。
そんな時訪問担当の理学療法士や作業療法士が母親と通じて、もしくは直接担任の教員に連絡を取ると、より良い補装具や車いすの作成が可能となります。
また、完成した車いすなどは通園施設や病院では完成時に適合判定やフィッティングの調整を行いますが、自宅に持ち帰ってからはなかなかフィッティングの機会がありません。
そんな時は訪問の理学療法士や作業療法士が調整する必要があります。自宅にある車いすや座位保持装置などは、ついつい見落としがちなものなんですよね。
車いすや座位保持装置などでも訪問スタッフと通園のスタッフや、支援学校の関係者と連携をとる必要性があるのです。
きっと他の事柄についても様々な職種や事業所が連携することで、超重症児であってもより良い在宅生活が送れるのではないでしょうか
まずは、連絡先の情報交換から始めてみてはいかがでしょうか?
コメント
[…] 小児領域の訪問リハビリ 『連携の課題』 […]