超重症児といわれる子供さんのリハビリテーションに従事していると、なかなかリハビリテーションの効果を実感することができなくて「どうしたらいいんだろう?」って悩むことも多い。だけど、超重症児でもリハビリテーションの関わりが非常に重要だってことを書いてみた。
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表情すら変化がわかりにくい
超重症児を担当していると、
- 随意的に動かせる部分が少ない
- 視覚や聴覚刺激がしっかりと受け取られているかの判断も難しい
- 表情の変化もない
- こちらからの刺激に対しての反応も乏しい
というようなケースに出くわすことがあります。現在、教育的指導がメインで契約していただいている訪問看護ステーションでもそのような超重症児のケースの訪問看護や訪問リハビリの指導を行っています。
初めてこのような超重症児のケースを担当することになった場合、多くの理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、看護師さんはかなり戸惑うようです。自分たちが関わっていることに対しての反応が非常に乏しいから、自分たちの関わりが「プラス」なのか「マイナス」なのかの判断も難しいと感じているようです。
表情すら変わらないようなケースだと確かに訪問で関わることの難しさを実感することが多い。
お母さんは気づいていることが多い
だけど、そんな超重症児であっても一番関わる時間の長いお母さんは、子供さんの表情の変化に気づいていることが多いんですよね。
私が訪問すると、いつもと同じ表情をしているんですが、お母さんからは
「今日はちょっと機嫌がいい感じですよ」
とか
「今日はちょっと怒っていますよ」
って言われることがあります。
私にしてみればまったく変化がわかりません。
だけど、週1回のペースで半年くらい訪問すると何となくお母さんの言う表情の変化がわかるようになることがあります。具体的にどこがどんな風に動いているのかってことを表現するのは難しいのですが、表情の変化を少し掴み取れるようになるんですよね。
お母さんに「今日はちょっと不機嫌ですか?」
って聞くと「そうなんですよ、昨日からウンチ出てないんです」
みたいに、私の担当児に対しての表情の見立てが当たっていることが増えてくるんですよね。
そう、時間はかかるけど意識してみて、お母さんから今日の表情や状態のことを聞いて、表情を毎回見ているとちょっとした変化に気づけるようになるんですよね。
お母さんがやらないようなことをしてみる
リハビリテーション場面ではいろんなことを試します。
色んな刺激を入れることで何か変化しないかな?
っていうような感じで評価するんですよね。
- ソファーにもたれて座って、周りをクッションやぬいぐるみで埋め尽くして一人で座ってみる
- バランスボールに座って体を弾ませてみる
- 少し濡らしたタオルで手を拭いてみる
色んなことを試します。そうしながら、
嫌がったり、嬉しそうだったり、つまらなさそうだったりする活動がないかな?
っていうのを見つけるんですよね。
最初は嫌がっていても、段々と慣れてきてい嫌がらずに楽しめるようになったりすることもあります。
変化や刺激の少ない毎日
いろんな疾患が原因で超重症になるのですが、結果的に寝たきりになっているケースが多いんですよね。
だけど、子供の頃っていろんな刺激に囲まれて生活しているんですよね。だから身体に悪影響を与えない範囲であればいろんなことにチャレンジしてほしいんですよね。
姉妹や兄弟がいる場合はけっこうもみくちゃにされていることも多いのですが、一人っ子だと刺激の少ない毎日が多いケースがおられます。
だから、リハビリや看護の時間にいろんな刺激、遊び、新しい姿勢を試すことで、本人の今までにないような反応を引き出していけたらいいのになって考えています。
重症でも変化する部分は見つけられる
変化に乏しいのが超重症児かもしれません。
だけど、訪問で関わるケースでは徐々に小さな変化を見つけることができることがあります。小さな変化かもしれませんが、気づくことが大事なのだと思っています。
体が硬くならないようにしっかりと可動域訓練することも大事だと思うのですが、いろんな刺激や、体験をすることで新たな発見をすることも大変重要なかかわりであり、訪問看護や訪問リハビリの役割であると感じています。
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