(若手指導)エアーマットをマットレスに替えたいんですけど・・・

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4月に病院勤務から訪問業界に転職してきた臨床経験7年目くらいの理学療法士から「訪問で担当している利用者さんが使っているエアーマットをマットレスに替えたいのですが・・・」と聞かれたので、色々とアドバイスしたことを書いてみた。皆さんならどうしますか?


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なんでマットレスに替えたいの?

まず聞いたのは

「なんでマットレスに替えたいの?」

ってこと。何となく替えてみたいとか、エアーマット上ではリハビリしにくいからとかって答えるスタッフもいるので一応マットレスに変更してみたい理由を尋ねてみた。

「端坐位を取れるようになりつつあるので、座位の安定性をアップさせたいんです」

って解答がありました。そうか、それならマットレスへの変更を考えないといけないね。エアーマットでも圧を変えれば座位とることできるんですけど、このケースの場合はマットレスの方がよさそうでした。

マットレスに変更するために考えるべきこと

座位の安定性を高めるためにマットレスに変更するっていうのは、理学療法士さんから見たら正当な理由だ。だからといって同僚の作業療法士である私が、すぐにマットレスの種類の選定を行ってオススメなマットレスの選び方を指導したのかっていうとそんなことはありません。

マットレス選びの前にやらなくてはいけないことがあります。

  • 現在エアーマットを利用している理由の確認
  • 誰が、エアーマットの利用を選択したのか?
  • 他事業所が入っているかどうか?
  • 褥創が発生していないかどうか?

まずこれだけのことを担当理学療法士に確認しました。

エアーマット利用の理由

介護保険のサービスを利用しているので、誰かがエアーマットを導入したと考えられます。一般的にはご家族がエアーマットの利用を強く希望するってケースは少ないように感じています。

現在褥瘡がある、褥創発生の可能性が高い、寝たきりで姿勢変換が困難、等々なんらかの理由でマットレスを利用するよりもエアーマットを利用したほうが良い場合に、サービス提供機関の誰かがエアーマットの利用を提案するパターンがほとんどです。

だから、その理由によってはマットレスに変更することは難しくなります。

今回のケースでは、家人もマットレスの利用を希望していて、褥創などもないようなのです。

誰がエアーマットの利用を提案したのか

そう、誰が提案したのかって結構大事なんですよね。

同じ法人の事業所なのか、全く異なる事業所なのか、他職種なのか?

同じ法人内の事業所であれば、事情を聞いたりするのもスムースですし、現状を報告してマットレスに変更したいって伝えるのも楽です。だけど、これが他事業所の提案でエアーマットを利用しているのであれば、ちょっと勇気がいりますよね。

他事業所であれば

  • エアーマット導入の経緯を確認

したうえで、エアーマットからマットレスに替えたい旨を伝える必要があります。

今回のケースでは提案事業所は不明とのこと

他事業所と褥瘡の確認

褥創が発生していて、エアーマットを利用しているようなケースでは褥瘡の治療のために訪問看護ステーションが関わっていることが多くあります。

そうなると

  • 現在の褥創の状況
  • 治療の経過
  • 現在は治癒していても、今後発生する可能性

等は確認しなくてはなりませんし、仮にエアーマットからマットレスに変更したとしても、褥創が新たに発生しないかどうかってことを看護師さんと協力するなどして、確認しなくてはなりません。

現時点では褥瘡は無いようでした。

マットレス変更のためにすること

家族さんはマットレスへの変更を希望しています。現時点で褥瘡は無いようです。

だから、マットレス導入の垣根は低そうです。

まず、ケアマネさんにマットレス導入希望の理由などを説明するように指導しました。

その上で、

  • ベッド上端坐位保持しやすいマットレスの選定
  • 褥創発生を早期に発見できる体制の確認

おそらくエアーマットは褥瘡予防として導入されているらしいのです。だから、マットレスに替えることは問題なさそうなのですが、マットレスに変更することによって褥瘡が発生しては困るのです。

だから、マットレス導入後に褥瘡発生してしまったら困るので、発見しやすい体制を整えておく必要があります。

訪問入浴、訪問看護、ヘルパーさんなどなど、お尻や仙骨などの褥瘡発生部位を見る機会のあるサービスって結構あります。簡単に言えば、素肌を露出する機会のあるサービス提供機関に、マットレスに変更したことを伝達して、観察しておいてほしいんですよね。

そこまでの体制が整うのであれば、マットレス変更できそうだと考えたので、そのような対応をするように若手スタッフには指導しました。

訪問業界に転職して大変だけど、頑張ってくださいね。

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