関わっている事業所で先日相談のあったケース
小学生低学年のお母さん
「今までリハビリテーションとか児童発達支援事業所とかで目標にしてきたことはたいていできるようになったんです。でも次の目標をどんな風にしてあげたらいいのか全然わからなくて・・・。このまま無目的なまま色々なサービスを利用していていいんでしょうか?」
ざっくり書くとこんな感じのご相談でした。
リハビリテーションには目標が必要です
たしかにリハビリテーションやいろいろな支援のサービスにあたっては個別の支援計画やリハ計画を作成するので、目標が必要です。
乳児さんや幼児さんの発達で、
- 寝返りができる
- 座ることができる
- 伝い歩きができる
- 歩くことができる
- 一人で着替えることができる
- スプーンを使って食べることができる
- お箸を使って食べることができる
目に見えて「できること」が増えてくる時期は、成長や発達といった変化が良くわかるし、目標に到達したかどうかということの判断もわかりやすい。
でも一通りの身の回りのことができてきたタイミングで、「次の目標はどうすればいいんだろう?」って悩んでいるというか、モヤモヤしているご家族さんに遭遇することは珍しくありません。
臨床で働いている理学療法士さんや作業療法士さんも実は困っていることもあるんですよね、目標設定。
ADLの発達と目標設定
そんなときにいつも伝えることは
「焦る必要はありませんよ」
ということをまずお伝えします。今目標としたいことに気づかなくても、しばらくすると目標にしたいことに気づくことがあるんですよとご家族さんには説明します。
そうしてもう一つは
「今できていることの質を上げましょう」ということ。
- もっと上手にできるようになる
- 時間が短縮できるようになる
- 見守りや口頭指示やちょっとした介助が不要になる
- レパートリーやバリエーションが増える
そんなことをいつもお話ししています。
例えば更衣のことでもね
- 袖を通すのに時間がかかっていたけどシュッと通せるようになる
- ボタンのサイズに関係なく服を着ることができるようになる
- 袖のボタンを留めることができるようになる
色々なバリエーションというか段階付けがありますよね。
そんな感じで目標の設定の幅は広がっていくと思うのですよね。
目標にすべきことがなくなってきたっていう風に焦る必要は全くない。僕たちの普段の生活でも毎日毎日何らかの目標に邁進しているわけでもないでしょう。ゆっくりと目標設定していくことも必要ですよといつもご家族さんには伝えます。
でもリハビリテーションを提供している側の私たちはのんびりと考えるのではなくて普段の評価を適切に行いながら目標を設定していくことが必要ですよ。
ご家族さんの立場とサービスを提供しているセラピスト側の立場は異なるのです。
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