昨年は豊中の保育園さんで保育士さん向けに、発達と手の使い方についてお話した。石巻でも「気になる子供の手と道具の使い方」というタイトルのお話をしました。普段は地域リハビリテーションとか、多職種連携のお話が多いので、子供さんメインの講演依頼は珍しい。
だけど、先日「おもちゃの使い方」みたいな講演の打診が入ったのでそのことをちょっと書いてみる。
黒ひげ危機一髪
オモチャの研修で僕がよく例に出すのが黒ひげ危機一髪。
平べったい剣を上手につまむということで、手指の協調性の練習になる。
剣をスリットの向きに合わせて刺すということで、前腕の動きとか指先の向きを合わすという目と手の協調性の練習になる。
このオモチャは、剣をしっかりと奥まで「カチッ」となるまで刺さないといけない。だけど片手で刺そうとすると「カチッ」となるまで刺せず樽ごと動いてしまう。だから反対の手で支えながら樽を動かないように固定する必要がある。そうすると両手動作とか両手の協調性の練習になる。
ぼくと担当の子供と順番に刺すようにすることで、順番を待つ練習になる。
剣の色は4色あるので、色を指定してから刺すようにすれば色の名前を覚えたり、色のマッチングの練習になる。
黒ひげ危機一髪というおもちゃ一つでこれだけの課題を練習することが出来ます。
スゴイな黒ひげ。
ビー玉
ビー玉使って色んなことが出来る。
スプーンでビー玉をすくうと、手指の協調性の練習になる。
すくったビー玉をコップに入れることで、空間でのスプーンの保持や、方向や向きを合わせる練習になる。
手に5つくらいビー玉を握らせて、握っているビー玉を1つずつコップに入れる練習。手指の協調性の練習とか、橈側と尺側の手指の分離運動の練習になる。
ズボンのポケットにビー玉を入れておいて、一つ一つ摘まんで取り出す練習。視覚に頼らず手指の感覚だけで物を把持する練習になる。
ビー玉とスーパーボールをお椀にいれて、スーパーボールだけすくう練習をする。金属のスプーンでやると結構難しい。お椀の向きを合わせつつスプーンを動かすという両手の協調性の練習になる。
ビー玉すごいな。
子供のリハビリテーション
昨日大人のリハビリテーションの課題設定について少し書いた。
生活場面につながる治療場面の環境設定
大人のリハビリテーションやるセラピストの多くは活動と参加へのアプローチとか、本人の主体的なリハビリテーションとかに悩んでるでしょう。
小児のリハビリテーションのセラピストは多分そこは困っていない人が多いと思う。
子供はね、楽しくないと何もしてくれない。意味のない活動はなかなか取り組んでくれない。だから自然と、本人が主体的に取り組みたくなるような課題設定の工夫をしている。活動と参加を意識していない小児領域のセラピストは少ないと思う。
だから楽しいことを考えてくれる、保育士さんとの活動の方を喜んで実践する。ぼくより保育士さんとのかかわりを喜ぶ子供は多い。
だから負けないように僕もリハビリの設定を工夫する。
黒ひげ危機一髪にしろ、ビー玉にしろ僕が考えたような設定をその通りに実践してくれるようなことは稀だ。
だからおもちゃ一つにしてもいろんな使い方を想定している。
子供が選択したオモチャで、いかに本人の目指している機能を獲得できるように設定するかってところが作業療法士の腕の見せ所だ。
そう言った意味では、大人のリハビリテーションはある程度こちらの意図することを適当な設定でもやってくれるぶん楽かもしれない。だから、昨日のコラムのように輪っかとお手玉から脱却できないセラピストが多いんだろうね。
目的の見えない課題でも実践してくれるからね。
作業療法士なら課題の工夫をしてほしい。
そんな研修もできますよ。
以上、研修会を打診してきてくれた作業療法士さんへの感謝と、連絡いただいたことを基に書いたコラムです。
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⇒2018年4月研修会 2018年トリプル改定から考える「2025年に向けて実践すべきリハビリテーション」
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