私は作業療法士という仕事についています。病気や障害のある方のリハビリテーションをする職業です。子供のリハビリテーションにも関わっていますし、豊中市の保健センターの保健師さんと一緒に発達の遅れのある子供さんの育児についてのアドバイスなども行っています。(2019年4月時点)
そんな経験から、発育の遅れに対して不安なお母さんたちに少しアドバイスを書いておきます。
※このコラムは作業療法士としての私個人の見解であります。このコラムをお読みの方の育児に責任を果たすことは出来ません。発達の遅れが心配な場合は最寄りの保健所・保健センター、小児科医にご相談ください
赤ちゃんの運動発達の遅れのこと
保健センターや保育園で運動の遅れの相談に対応してきました。最近多い赤ちゃんの発達の遅れは
- 8カ月なのに四つ這いなどのハイハイができない
- 寝返りをしない
- つかまり立ちは出来るけど、歩けない
- 1歳半なのに歩けない
- 6カ月を過ぎたのに一人で座ることができない
色々な相談が寄せられます。
今はネットでいろいろ検索すると
○カ月で○○が出来るようになる
みたいなことがすぐにわかる時代。インスタなんかでも自分のお子さんがこんなこと出来るようになったって感じの写真もたくさんある。だから「どの時期」に「こんな運動が出来る」ようになるって情報があふれていて、それを自分の子供さんと比較して不安になったり焦ったりすることが多いようだ。
しかし、子供さんの成長は一律ではなく発達の速度には差があります。同じ誕生日に生まれた赤ちゃんが、同じ日に一斉に首が座ったり、同じ日に一斉に寝返りができるようになったりしません。
「○カ月で〇〇ができるようになる」という発達の指標にはある程度の幅があるということをまず知っておいてください。
徐々に幅は広がる
首が座るのはだいたい、3~4カ月くらいです。早い子供さんだと2カ月過ぎくらいから首が座ることもあるし、遅い子供さんだと5カ月くらいの場合もあります。
その幅は3カ月くらいあるわけですよね。
寝返りは、6カ月前後くらいで出来るようになりますが、やはりその幅は4カ月くらいあります。
成長するにつれて、「○○」ができるようになるって言うことの個人差による幅は大きくなります。
厚労省が発表している資料だとこのような感じになります。
-
※この資料の出典はこちらです
- 平成22年乳幼児身体発育調査の概況について(厚労省のサイトに移動します)
グラフの下の方「運動項目」が並んでいます。
それぞれの運動をどれくらいの時期(横軸)に、何パーセントの子供さんができるようになるのか(縦軸)ということを表しています。
一番右の「一人歩き」の場合、8カ月くらいから出来るようになる子どもさんが出始めて16カ月くらいにおおよそ100%の子供さんができるという割合になっています。
この幅実に8カ月もあります。
私が関わっている保健センターでも、歩行の開始時期が遅いという相談が多く寄せられます。
早い子供さんの場合お誕生日までには歩き始めますが、成長がゆっくりな子供さんだと1歳半くらいが歩き始めということも経験しています。かなり成長の差の幅が大きいですよね。
子供さんの成長の速度は一定ではありません。個人差があります。そうしてその個人差は成長とともに少しずつ大きくなります。運動の発達についても個人差はあります。
首が座るようになる⇒寝返りができるようになる⇒お座りができ始める⇒四つ這いが出来るようになる⇒お座りが安定して倒れなくなる⇒伝い歩きができるようになる⇒少しずつ歩き始める
というような順序で少しずつできることが増えているような場合、多少発達がゆっくりでも様子を見ることが多いです。
発育の遅れなどにご不安な場合は最寄りの保健所や保健センターなどにご相談ください。
- 一般の方からの個別のご相談や問い合わせには対応していません。
- 保育園や幼稚園、支援者関係者からのお問合せには対応いたしますが、有料での対応となります。
⇒子どもの運動発達に不安があるお母さんのための運動や動作の観察のポイント1
気に入ったらフォローしてください
YouTubeで動画公開しています。
やまだリハビリテーション研究所のYouTubeのチャンネル
新しい学びの形を提供します
フォロワーさんは300名くらいです!
⇒https://note.mu/yamada_ot/
Twitter
フォロワーさんは500名くらいです
⇒https://twitter.com/yamada_ot_labo
Facebookページ
フォロワーさんは2100名くらいです!
⇒https://www.facebook.com/yamada.reha.labo
やまだリハビリテーション研究所のLINE@を開設しました
ID検索の場合は
@yamada-ot.com
(@を含めて検索してね)
【↓↓週末にゆっくり読んでみてください↓↓】
2019年版 病院リハと地域リハをつなぐ・変える
(スポンサー広告)
コメント