訪問の時間を勝手に延長はダメだよ、ってことを書いてみたい。利用者さんのためになるからって言っても訪問時間を安易に延長するってことは事業所にとっても、同僚のスタッフにとってもよくない。そんなことを考えてみた。
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訪問時間の延長が必要な場合
利用者から了解をもらったうえで、やむを得ないようなトラブルが発生した場合は訪問時間を延長することはたまにある。でも私のように訪問リハビリテーションに従事しているような場合、そんなにしょっちゅうトラブルが発生することはない。
看護師さんが訪問するケースでも、しょっちゅう状態が悪化して毎日毎日延長するってことはあまりないと思う。
介護保険にしろ医療保険にしろ、ある程度の時間区分で報酬が決定されているので、その時間はきちんと守りたい。
私がここで言いたいのは、そのように必要に応じて延長する正当な理由がないにもかかわらず延長することに対しての戒めです。
こんな延長はよくないよ
訪問看護や訪問リハビリの事業所にはたいてい、常勤スタッフと非常勤スタッフが混在している。常勤スタッフの担当患者数は非常勤に比べると多くなるだろうし、1日の訪問件数も違ってくる。
非常勤スタッフの方が比較的訪問件数が少ないっていうパターンが多いかな。
私が管理業務をしていた時に、新しく訪問業務を開始することになった非常勤スタッフによく言っていたことがある。
サービスのつもりで、よかれと思って必要以上に利用者さんの家に長居するのは避けてください。訪問の時間枠は決まっています。非常勤で担当ケースが少ないうちは、時間に余裕があるからついついゆっくりしてしまいがちですが、利用者さんにとっては長く訪問されてあたり前ってことになってしまいかねない。気を付けてくださいね
同じ患者さんを異なるスタッフで複数回訪問するときに時々あるトラブルです。
たとえば正規の訪問時間枠が40分の利用者さんの場合。
常勤スタッフAは訪問件数が多いのできっちりと40分で訪問をこなす。だけど、非常勤スタッフBは訪問件数が少なく時間に余裕があるのでその同じ利用者さんの訪問を45分~50分くらいすることがある。
こんな場合、利用者さんの側から見れば、きちんとルールを守って仕事をしているスタッフAよりも、いつも長く訪問してくれるスタッフBのほうが良い人材だと思ってしまうことがある。
これって問題なんですよね。スタッフAは決してサボっているわけではありません。ルール通りにきちんと仕事をしているんですよね。むしろきちんとルールを守っていないスタッフBが評価されてしまう。
管理職としてはスタッフBをきちんと指導する必要があります。
スタッフも利用者さんもきちんと理解する
時間には限りがありますし、次の利用者さんの家に訪問する時刻もだいたい決まっています。
だから、時間はきちんと守りたい。それはスタッフだけではなく、利用者さんの側にもきちんと訪問時に伝えておくべきことですし、事業所内でルールを統一しておく必要があると思います。
- 訪問時に利用者さんが外出中で、訪問予定時刻の20分後に帰宅した。どうする?後には訪問の予定が詰まってる
- 訪問リハビリ中に来客対応してしまった利用者さん、リハビリが15分間中断。その時間を訪問枠として扱うそれとも、15分延長する?
- 訪問中に利用者さんに電話かかってきてなかなか終わらないけど、訪問終了時間が来てしまった。どうする?
事業所側の都合で訪問予定時刻に遅れてしまったりした場合は、その後の訪問時間をずらしたり、他のスタッフと交代するなどして正規の時間枠の訪問をすることが一般的です。
だけど、利用者さん側の都合で時間がずれたり、訪問時間内にリハビリや訪問看護と全く関係のないことで時間をとられたりしたときの対応っていうのは事業所によって色んなローカルルールがあると思います。
私は利用者さんから、
「今日はリハビリよりも相談事をしたいから体を動かす時間をいつもの半分にして残りの時間は話を聞いてほしい」
とか
「孫の運動会に行ってたくさん写真を撮ることができた、それを見てほしいからいつもより10分早くリハビリ終えてほしい。一緒に写真見よう」
って言われましたので、その通りにしたことがあります。こちらの訪問の事情をよく理解していただいている利用者さんでした。
そんな利用者さんばかりではないと思うので、何かあった時にスタッフが困ることのないように訪問時間枠の考え方については事業所ごとにきちんとルールを決めておいてあげたほうが良いと思います。
リハビリや看護の内容よりもある意味気を使わなければならないのが時間の使い方なんですよね。これをきちんと対応することができれば訪問スタッフとして1人前といえるのではないでしょうか?
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