4月から関わるようになったパーキンソン症候群の利用者さんとのかかわりのことを書いてみる。最近のコラムで訪問リハでも早くから利用期間の設定とか適切な目標の設定が必要とは書いていますが、そうはいかない場合もある。だけど、関わり方次第でこんな風に展開することもあるってことを書いた。
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こんなケース
70代、パーキンソン症候群。
屋内はゆっくりとした歩行。ただ、日によって、時間帯によっては介助歩行でないと移動できないこともある。
身の回りのことは何とか自分でできる。
今年の4月から担当したんだけど、その時点では訪問リハビリでの関わりよりは通所系サービスに行って体力の維持とか運動量のアップを図りたいケース。
だけどこのケース、退職した前任スタッフからの引き継ぎケース。
自宅でリハビリテーションしてもらうことが楽しみだったようなんですよね。だから、関わってすぐに通所利用をすすめることもできなかったし、期間を区切ることを伝えることもしませんでした。
引き継ぎではなくて、新規で訪問開始だったらある程度の期間とか訪問での目標を一緒に設定したかもしれません。
ここがポイント
屋内歩行とか座位での体操とか、立位でバランス練習とかやってたんですよね。
訪問して1カ月半くらいがたったとき、床に降りる練習をしてみました。レンタルしてる歩行器(ピックアップ歩行器)を台代わりにして立位から膝立ち、そうして四つ這い、床座位って感じでゆっくりと練習。
床からは逆の順序で立ち上がりの練習をしました。
けっこう上手にできたんですよね。だけど今まではそんな練習をしたことはなかったと本人と家族。
「こんなリハビリは初めてだ」っていうから
他にはどんなことしてみたいですか?訪問の時間にチャレンジしてみたいことありませんか?
っと聞いてみた。
そうしたら
- この時期なら近所のクリニックの前の植え込みがきれいだから見に行きたい
- 玄関の前の花の手入れをしたい
っていう話が本人や家族から出てきました。
今まで外に出る話は出てこなかったんだけどね。
リハビリの範囲をきちんと伝えること
退職した前任者のかかわり方は詳しく知りません。
だけど、室内でリハビリテーションをすることが当たり前なんだと本人も家族も思い込んでいたんだと思います。
だから、いろいろ話をしていても外に出るっていうような希望は出てこなかったんでしょうね。
でも
床におりて坐ったり、床から立ち上がったり
今までのリハビリテーションで取り組んだことのない課題にチャレンジしたことで、リハビリテーションではいろんなことにチャレンジしてくれるんだっていう風に思ってもらえたんでしょう。だから、本人や家族さんから新しい課題や目標が出されたんです。
長期的に関わっているようなケースでも、このように本人や家族がきちんとリハビリテーションっていうものを理解してくれたら、継続ケースであってもきちんとした具体的な目標を設定することはできる可能性があるということです。
マンネリなリハビリテーションプログラムではなく、活動の範囲を広げることができるのです。
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