パーキンソン病でふらつくことあるけど歩くことができる利用者さんの訪問リハビリテーションっていうのは、訪問に関わっている人なら誰しも経験するケースだと思う。
そんなケースで、状態が良くなっていると私は評価しているのに、自覚症状としては変化ないと話されるご本人さんとのやり取りから考えさせられたことを書いてみる。
こんな経緯
訪問開始して約半年。
歩行時の歩幅は徐々に大きくなり、歩行速度も増しつつある。
自宅内なのでTUGはできないけれど、場所を決めて毎月「椅子から立ち上がり、リビングを横切り往復歩いて椅子に座る」という測定をしている。
30秒起立、2STEPなどなどのも毎月1回測定し、徐々に改善している。
だけど、本人は「ふらつき感は全くよくならない」と話される。
言葉の定義とか主観のこと
私の言う「ふらつき」とは小刻み歩行や姿勢反射障害との結果として歩行時にまっすぐ歩けなかったり、バランス的にふらつくことを指している。
だから、運動機能の評価として歩幅が大きくなり、歩行速度がアップしているという結果から「バランスが良くなっている」と判断している。
しかしご本人に尋ねると「ふらつく感じはよくなっていない」
さらにいろいろ話をすると
ご本人のふらつき感は「めまいのようなふわふわした感覚」のこと。静止立位の場面でも、身体が揺れることなく立位を保持できているようなときでも、自覚症状としては「ふらついている」と感じているというもの。
だから評価結果が改善していても、ご本人的には改善していないとなる。
僕の「ふらつく」と利用者さんの「ふらつく」という言葉の意味がまったく異なっているので、お互いの「結果」に対しての評価が異なっていることになるんですよね。
説明することの重要性
入院歴などなく、訪問によるリハビリテーションがご本人にとっての初めてのリハビリテーション。
開始当初から
「リハビリのことはわからないので、お任せします」
と話される。だからと言って、お任せコースでリハの内容をどんどん決めることはせず、きちんとお話しながらリハを進める。運動量とかプログラム内容についても定期的にご本人さんと話しながらリハを進め、目標設定もケアマネさん交えて決めてきた。
だけど「ふらつく」という言葉の意味についての共通の理解はこれまでしていなかった。
話し合いを重ねながらリハビリテーションを進めているからお行っても、すべてのことがきちんと伝わっているわけではないという事を学んだケースです。
興味ある方はお気軽にお問い合わせください。
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