観察のこと(3) 「観察する目を養う」

リハビリテーションの評価の基本は観察にあると思います。同じ患者さん、利用者さんを見て、患者さんの様子を箇条書きにするというような課題に取り組んだ時に、5つのポイント書けるセラピストよりも、10個、10個よりも20個書けるセラピストの方が優秀であると考えています。そんなことを書いてみました。


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観察のポイント

ぼーっと見ているだけでは何も観察することはできない。ぼーっと見るだけなら家族の方がよっぽどしっかりと観察できている思う。

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士だけでなく、回復期リハビリテーション病棟にお勤めの看護師さんなんかも観察するという行為は、患者さんへの関わりにとって重要な評価なんです。だからぼーっと見ているだけで得られる情報なんてない。

 

観察で大事なだって考えていることは

  • その患者さんの特徴を捉えるという事
  • 普段とは異なる変化に気づくという事

この2つが観察の重要なポイントだ。

患者さんの特徴を捉える観察

初期評価の時に行う観察で重要なポイントが、その患者さんの特徴を捉えるという事ではないでしょうか?

  • 片麻痺なので左上下肢の動きが悪い
  • 麻痺側の上肢の動きが不十分

脳卒中の片麻痺の患者さんに対しての学生のレポートなんかによく書いてありそうなフレーズです。これも観察から得られた情報としては間違っているわけではありません。

だけど、片麻痺患者さんが麻痺側の上下肢の動きが悪いのは当然のこと。じゃあ入院している患者さんがすべて同じくらいの運動能力なのかっていうとそんなことはない。同じように片麻痺という障害を抱えている人であっても、その動きや特徴はさまざまである。

だから、その人の特徴はどのようなものなのかってことをしっかりと観察して捉えることのできる目が必要なんです。

  • 随意性の有無や、どの程度運動できるのか、その範囲は?
  • 左右差はあるのかないのか、上下肢ではどちらの方が動きが良いのか?
  • 肩、肘等の随意性と末梢部の手関節や手指の随意性の違いはどうか?

その患者さん一人一人の特徴をとらえる必要があります。なるべく多くの場面を観察することで、その人の運動面での特徴を捉える目を持つことが必要になってきます。

同じ病気の他の患者さんと比較する目

特徴を捉えるということは、他の患者さんと比べて何か違いはないかどうかということを見るということです。

全く同じ特徴があれば、同じ特徴を持っている患者さんに対しての評価や治療が担当している患者さんの評価や治療の参考になる可能性が大きいと思います。

同じような特徴がなく、その患者さん独特の問題や課題があれば、その患者さんの問題に対して評価・治療を進めていく必要があります。

ベテランといわれている、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の方が新人や若手のセラピストと比べて評価時間か短かったり、適切なアプローチを比較的短期間で立案できたりするのは、経験を積むことによってセラピストの中に比較対象のデータベースが蓄積されているからです。経験による比較する目が養われているのです。

だから、効率的に評価の方法やアプローチを選択できるため、若手のセラピストに比べると短期間でいろんな取り組みをすることができるのです。

特殊な能力ではなく、比較すべきデータが多いので、同じ手順であっても効率よく進めるから早いのです。

普段とは異なる変化に気づく目

初めて担当する患者さんの「普段」の様子というものは、初対面ではわかりません。
何度か評価したり、治療したりする中で、その患者さんの普段の様子・普段の状態を把握できるようになります。

しっかりとした観察を継続的に行っているからこそ、普段の様子を把握することができるのです。

  • 落ち着きのないそわそわした患者さん
  • 重症で寝たきりの患者さん
  • 高齢で体力の低下している患者さん

患者さん一人一人の特徴を捉えるだけではなく、「落ち着きのないそわそわした患者」さんはいつも落ち着きがなくそわそわした行動をとっているのが普段の状態なわけですよね。普段の状態がどのような状態であるかを担当期間が長くなるにつれて把握できるようになってほしいのです。

その患者さんが、「段々落ち着いてきた」としたらどうでしょう?

それは、治療効果のあらわれであるかもしれないのではないでしょうか?

だんだん良くなっていっていう患者さんの「普段の状態」というのは

  • 3か月前の普段の状態
  • 1か月前の普段の状態

当然この2つの普段の状態も変化しているわけです。良い方向に変化している場合もあれば、悪い方向に変化している場合もあるはずです。

その患者さんの普段の状態と、今日の状態が同じであればあまり変わりがないということです。

その普段の状態と比べて、状態が悪いようであれば病棟や主治医に報告する必要があるのかもしれません。何が普段と異なるのかということをしっかりと観察して報告しなくてはならないからです。

その人の普段の状態を把握するということは、その患者さんの変化に気づくことができるという事につながります。

観察する目を養う

ぼーっとしているだけでは観察する目を養うことはできません。

普段から意識して観察することで

  • その患者さんの特徴を捉える
  • <その患者さんの普段の状態を把握する/li>

この二つを捉えることのできる目を養えるのではないでしょうか?

 

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ABOUTこの記事をかいた人

やまだたけし(作業療法士)

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