リハビリは病院だけで完結しない、そのことに気づいてますか?=地域連携の必要性=

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理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職の半数以上はまだまだ病院で働いている時代。回復期リハビリテーション病棟は多くの人員を必要とする基準があるから仕方がないのですが、リハビリテーションはもはや病院だけで完結する時代ではありません。そのことをきちんと理解しているセラピストと全く理解していないセラピストでは、リハビリテーションの内容は変わってくると思うってことを書いてみた。


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1980年代は病院だけで完結してた

私が作業療法士になったのは1991年です。当時はリハビリ専門の病院は少なく、退院後の外来リハビリを提供している病院も少なく、ましてや介護保険もない時代でしたので、病院だけでリハビリテーションは完結していました。

リハビリ入院した病院に引き続き外来にも通うってことですよね。入院期間も今のように短くはなく、半年くらい入院することが多かったのです。だから、自分の病院のことだけを考えてリハビリテーションというサービスを提供していればよかったのです。

自分が担当した患者さんは、在宅に戻るし必要な患者さんは外来でフォローすればよいので、地域と連携しなくても全く問題はありませんでした。

今は病院だけで完結しない

回復期リハビリテーション病棟が医療保険に登場し、介護保険もできた今は、リハビリテーションを必要とする患者さんの入院期間は1980年代のそれと比べると明らかに短縮してきました。

平均在院日数と自宅復帰率を把握してますか?

地域リハビリテーションの研修会で講師をする時に必ず受講生に尋ねる質問がこれ、

「平均在院日数と自宅復帰率をしっていますか?」

答えることのできる受講生は半数くらいですね。

自宅復帰率が低ければ低いほど、患者さんは転院していますし自宅に復帰している患者さんの多くは地域でリハビリテーションを受ける必要度の高い方が多いと思います。

病院の近所に転帰する

回復期リハビリテーション病院から転院する、施設に転所する患者さんの多くはその回復期リハビリテーション病院がある近隣の施設に行かれる方が多いと思います。
自宅復帰する患者さんの多くも、近隣の介護保険事業所のサービスを受ける方が多くなると思います。

回復期リハビリテーション病院の半径数キロメートル以内の事業所のサービスを引き続き利用される患者さんが多いと思います。

近隣の事業所との連携体制は整っている?

病院に勤務している理学療法士や作業療法士、言語聴覚士のかたは、近隣にお勤めの他事業所の理学療法士や作業療法士、言語聴覚士ときちんと連携できていますか?

転院サマリー書いているから大丈夫!

なんて勘違いしていませんか?

顔の見える関係の構築が重要

私が訪問リハビリで担当している患者さんの家族が疲弊してきて、レスパイト入院の相談を担当のケアマネジャーさんにされていました。
複数の病院が候補に挙がったのですが、ケアマネさんの情報では病院の中身のことまでは不明でした。幸い、候補に挙がった病院はすべて私が親しくしているセラピストがいる病院でしたので、早速セラピスト仲間に問い合わせました。

すると

空床状況、レスパイトの担当窓口、レスパイト入院中のリハビリの実施状況

といった情報をすぐに連絡してくれたので、そのまま家族さんにお伝えして病院選びの参考にしてもらいました。

普段から顔を会わせているセラピストなので、私の問いかけにすぐに対応してくれたのです。

病院から地域に出るだけではなく、地域から病院に戻る利用者さんも多くいます。そんな時にも、お互い顔の見える関係ができていると情報の伝達はスムースに行えるんですよね。

病院だけに引きこもってたらアカン!

リハビリテーション専門の病院に勤めているから、治療技術が向上するって勘違いしているような若いセラピストもいるのではないでしょうか?

リハビリテーションが病院で完結する時代はもう終わっています。

病院で経験することのできる、患者さんの治療経験は、その患者さんに必要なリハビリテーションのごく一部でしかないのです。退院してからの患者さんの変化のことも考慮したリハビリテーションを実践するには、退院後の患者さんの状態のことも知らなければならないのです。

そのためには、病院に引きこもっているだけではアカン!のです。

自分から積極的に外に出て、地域のセラピストと情報交換ができる体制を築くことが必要なんですよ。

外に出ていますか?

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