月1で指導している病院での事例検討会のこと。
介護保険でいうところの要支援~要介護1くらいのレベルの患者さんで、そこそこ随意的に動くことは出来るけど、コミュニケーション能力や高次脳機能的に問題があり、若手のセラピストが治療プログラムの立案に悩んでいるという事例が、2例ほど続いた。
そこそこ動けるけどADLに課題があるっていうようなケースはまさに作業療法士向きでワクワクする自分がいます。でも若手にとっては困るようだ。
プログラムと評価のずれ
杖歩行できるけど、ときどきバランスを崩しそうになる、片麻痺の方。
言語指示が入りにくいという評価結果がありました。課題になっているADL場面でもうまく指示が入らないから、失敗してしまうことが多く動けるけど見守りとか軽介助のADLが多いということになってしまいます。
そんな症例に対して若手セラピストは
まず立位バランスを安定させることを目的に
輪入れとかお手玉を使って、立位姿勢から前方へのステップとか後方へのステップの練習をしていました。
だけど患者さんは、その場面で要求されている活動を理解できていなくて、ノーステップで輪をいれようとしたり、立位姿勢のまま立ち尽くしていたりします。
その都度、OTが口頭とジェスチャーで伝えるんだけどうまくいくときと、上手くできないときがある。
上肢とか下肢の運動機能的には遂行可能な課題です。
評価で言語指示の入りにくさはわかっているんだけど、つい口頭指示しちゃうんでしょうねえ。
課題と環境の工夫
作業療法士は
輪っかとお手玉の治療プログラムから脱却してほしい
お手玉をお手玉として使うならいいよ。輪っかもホントに輪投げするならいいよ。
でもそれ以外のことに使うと、患者さんはどうしたらいいかわからないからうまく行動できないんだと思う。
このケースでは、言語指示入りにく、立位のバランス不安定でそこを何とかしたい。
それならお手玉とか輪っかとか使ってステップの練習するのではなくて、
- ほうきとちり取りで床をはく
- リハ室にあるタオルをハンガーにかける
タオルとハンガーの位置を工夫してステップ踏めるようにしておいたらいいかな。
掃除機とかでもいいなあ。ごみの位置を工夫すれば色んな方向にステップできそうだ。
言語指示入りにくいなら、指示しなくても患者さん自身が
今何をしたらいいのかなんとなくわかるような環境設定とか治療場面の設定
すべきでしょう。
要支援~要介護1レベルなら退院後の生活環境に近いような、アクティブな活動をすることも必要。
発想しよう考えよう!
問題点とか治療のポイントとか、患者さん自身に改善してほしい能力とかを考察することは出来ている。
だけど、それを治療プログラムに展開するときの発想が貧困な作業療法士が多い。
もっと
発想して考案してほしい
輪入れとお手玉使わないといけないルールが職場にあるのかなあ?
いあまあ僕もお手玉と輪っか使うときあります。否定しない。
だけど他の選択肢も考えてほしい。
訪問では輪っかは使わないなあ。現場にないからねえ。
OT室にあるから単純に使っているんだろうけど、もっともっと考えて治療プログラムを考えてほしい。
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