毎日「リハビリ」と言う問題について

前回の記事に続いて個人的にいろいろ感じるところのある「毎日リハビリ問題」について書いてみる。これを問題ととらえているのは、私の主観的な捉え方であり、これがリハビリテーションの業界で働いている人たちの一般的な捉え方かどうかはわかりませんが、わたしは「問題である」と捉えています。そのあたりのことを書いてみた。


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「毎日リハビリ」の何が問題なのか!

回復期リハビリテーション病院において、毎日リハビリテーションが受けられるって言うのは良いことで、否定はしません。なんらかの疾患や障害を持つことになってしまった患者さんの側から見れば、少しでも多くのリハビリテーションを受けたいというのは当然のことであり、回復のためには必要なことだと思います。

私が新人の作業療法士であった25年くらい前は1時間のマンツーマンリハビリというような制度はありませんでした。

それと比べると2014年現在の回復期リハビリテーション病棟では理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語聴覚療法(ST)を組み合わせて1人の患者さんは1日あたり最高で計3時間のリハビリテーションを受けることができる。このこと自体はよい事だと思っています。

いつかは病院を退院する

だけど入院期間は無限ではない。

リハビリテーションに関して言うと理学療法、作業療法、言語聴覚療法を毎日最大3時間のリハビリテーションを受けることができるのは最大180日だ。病気の種類によってはこれよりも短くなる。

この期間が終了すれば、病院を退院しなければならない。そうなると異なる病院に転院しても、老健に入所しても、自宅に戻って訪問リハビリを利用することにしても、毎日のリハビリテーションを受けることはできなくなってしまう。

そう退院すれば、毎日リハビリテーションを受けることはできなくなってしまう。

毎日リハビリできなくなることを病院のリハビリスタッフはきちんと理解しているのか?

退院すれば、毎日リハビリテーションは受けられない。老健に行っても、訪問リハビリを受けるにしてもせいぜい週に2回~3回程度。
マンツーマン時間は、最大でも介護保険の訪問看護ステーションからのリハビリ訪問で1時間となる。しかしこの場合は週2回しか訪問を受けられなくなる。毎日最大3時間だったものが、週に2回、1回あたり1時間のリハビリとなってしまう。

複数のサービスを介護保険のケアマネジャーと相談しながら組み合わせたとしても、毎日3時間なんてあり得ない。

こういったことを病院で働いている理学療法士や作業療法士、言語聴覚士たちはきちんと理解しているのか?

入院中に、退院後の患者さんの生活をイメージしながら、退院後のリハビリテーションや、介護保険のサービスの利用の仕方を考慮して担当患者さんに伝えているのでしょうか?

おそらくきちんと伝えていないでしょう。

突然知らされる現実

おそらく回復期リハビリテーション病院に入院中の患者さんの多くは、退院の直前になって退院後は毎日リハビリテーションを受けることができないという現実を知ることになるのだと思います。

そして不安になるのです、

毎日リハビリしないと退院してから病状が悪化するかもしれない

っていう不安。

現在10年間訪問リハビリの現場にいる作業療法士の立場から言わせてもらえれば、退院して毎日リハビリが受けられなくても病状が急激に悪化することはない。そのことは別の記事にも書いた。お家でリハビリ1「急に悪くなることはないよ」病院を退院してからのリハビリテーションのことお時間のある方は目を通していただければ嬉しい。

そこにも書いたが、環境の変化による一時的な能力低下はある。だけどそれは環境の変化による影響であって、リハビリを毎日できなくなったからと言うわけではない。病院の生活に慣れていた身体が、自宅の生活に慣れてくるのには少し時間がかかる。慣れてしまえば入院中のリハビリで練習していたことができるようになることが多い。

退院後を見越したオリエンテーションの必要性

こういった不安を患者さんに与えてしまうというのは、正しい情報をきちんと伝えない病院スタッフにあると考えている。

ケアマネジャーさんに

「毎日リハビリテーションが入るプランを組んでください」

って言わせるような「毎日リハビリ問題」を抱えている家族や患者さんが出てくるのは、正しい情報を伝えていない病院サイドの問題だと考えています。

  • 病院退院してからの、病状や身体状態の変化
  • 退院後に利用できるリハビリテーションサービスの現状
  • 毎日リハビリしなかったらどうなるのかっていう情報

こういった情報をきちんと入院時に提供できていれば、ある意味「疾患教育」というか「患者さん指導」ができていれば、退院後に大きな不安あを抱える患者さんや家族さんは減ると思う。不安が0になることはないけれども、減らすことはできる。

地域との連携で知る努力を

病院を退院した患者さんがその後どうなっているのか?

このことを知っていれば、今入院している患者さんへの関わりが大きく変わる。

だけど、そのことを積極的に知る努力をしようとするセラピストは少ない。だけど、

  • 退院してからの患者さんの様子や経緯
  • 地域のリハビリテーション事情

こういった情報をきちんと把握しておかなければ、いたずらに退院冠者さんの不安を大きくすることになる。そんなに難しい事ではない。

知ろうとする行動を起こすかどうかの違いだけで、目の前の患者さんの不安を軽減できるかどうかが変わってくる。

動いてほしい。

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