2019年11月16日追記
「病院と同じリハビリをしてください」っていうことを、退院先で言っている患者さんが結構いるんだってことを書いたコラムの第2弾。なんでこんなことになるのかってことを考えてみました。
※このコラムは作業療法士のやまだが、地域で働いている立場から、病院で働いているリハビリテーション専門職に対して書いているコラム・メッセージです。リハビリテーションを受けておられる患者さんを批判しているわけではありません。日本のリハビリテーションシステムに対しての個人的見解です。リハビリテーションを受けておられる患者さんが自分のやりたいリハビリを受けるということを否定している記事ではありません。
「その1」はこちら
⇒病院セラピストよ!これが現実だよ!「病院と同じリハビリをしてください」 問題について(1)
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病院のリハビリのこと
回復期は回復する事が見込める時期だから、回復期
リハビリテーションに関わっているセラピストの関与も大きいが自然回復もする。
とにかく回復期は回復する傾向にある。だからその時期に担当してもらったセラピストへの信頼は大きくなる。回復してきた時期に関わってくれたリハビリテーション専門職に信頼を寄せてしまうのはありがちなことだ。
時間的にも、入院期間中にもっとも多く接する時間が長いのは病院のセラピストだろう。
回復しやすい時期に関わって、入院中に最も長い時間密接な関わりをする。だから身体的にも心理的にも患者さんや家族さんに与える影響は大きい。
回復期のリハビリテーション専門職はその事を意識しているのだろうか?そういったことを理解して関わっているだろうか?
自分が患者さんや家族さんとの「関わり」の一つ一つが影響を与える可能性があるってことを意識しているのだろうか?
退院後の生活や運動機能やADLといったことだけではなくて
リハビリテーションについての「イメージ」とか、「考え方」とかそもそも「リハビリテーションとはなんなのか」ってことを入院中に患者さんは学んでいくということを知ってるのか?
リハビリテーションのイメージ
病院でしてもらっているリハビリがその患者さんの持つリハビリテーションのイメージになる。
いい意味でも悪い意味でもイメージを植え付けてしまうんだ。
マッサージみたいなリハビリをしてもらったら「リハビリテーションはマッサージなんだ」って理解するだろうし、歩いてばかりいたら「歩くことがリハビリテーションなんだ」って理解するだろう。
だから、退院してから通所リハビリとか、訪問リハビリとか、老人保健施設とかを利用するようになって、そこでの施設オリエンテーションとか初回のリハビリテーションでリハビリテーションに関する質問とか希望を確認すると、病院で行っていたリハビリテーションのイメージを伝えようとする
そうしてその結果が
「病院と同じリハビリしてください」ってことだ
病院で実践していた、いつも同じメニューをすることがリハビリテーションだって言う風に認識してるってことだ。
訪問リハではこうなる!
多くの利用者さんは、状況や時期や環境によってバリエーション豊かな展開をするのがリハビリテーションだとは認識していない。
だから訪問先で風呂の出入りの練習をしようとすると
「それはヘルパーがやることやから、あんたは体を動かしてくれたらえーねん」
って言われる。
庭の手入れが好きだと言う人に
「じゃあ外に出て一緒に草木の手入れができるように、訪問リハビリしましょう」って言うと
「そんなんリハビリテーションちゃう」
って言われる。
僕の実践しようと考えているリハビリテーションのイメージと、利用者さんが持っているリハビリテーションのイメージが大きく違うってことだ。
一体病院のリハビリテーションって何をしてるんだ?
じゃあ、地域リハビリテーションにつながるような、退院後の生活をいい感じにするような、入院リハビリテーションっていうのは、どうすればいいのかってことは次回のコラムに続けます。
病院と同じリハビリ問題3 「退院後のことまで考えた病院リハビリの実践が必要
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