理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の学生さんの実習ではとにかく「出来ないこと」の評価が中心になりがち。「できない」ことを「できる」ようにするのがリハビリテーションの役割の一つなのかもしれませんが、できない事ばかりを評価するのではなくて、できることの評価、これからの可能性を拡大することの評価も重要なんですよ。あなたたち学生さんも「ダメな学生だ!」って言われてしまうような粗探しされるよりも、「ここをこんな風にすればもっと伸びるよ」ってい言うような前向きな評価をしてもらった方が成長するでしょう!それと同じですよ。前向きな「出来ること探し」をしてみませんか?
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「できない」こと評価至上主義
利用者さんや患者さんのマイナス面ばかりを探し出して評価をする学生。
検査・測定では標準的な指標があって、そこに到達しないデータばかりを集めることが中心になります。
- 可動域の制限
- 筋力の低下
- 歩行速度の低下
- できないADL
たくさんたくさんの「出来ないこと探し」をすることが多いのが理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の学生さんの実習では延々と続くことが多い。まあ、学生さんに限らず、臨床で働いているセラピストも基本的には「できないこと」を中心に評価している人が多いのではないでしょうか?
でも冷静に考えてみてください。
「あれもできない、これもできない、こっちもちょっと難しそう、できないこといっぱいありますねえ、あなた」
こんなこと言われて嬉しいですか?
数値の評価は簡単ですよ、でも質の評価もしましょう
できる or できない
わかりやすい基準ですね。
数字で結果の出る検査・測定
評価したって感じだし、わかりやすいですね。
これらの評価を否定するつもりは全くありません。治療前後の比較では数値で比較するほうが統計とかとりやすいしね。
だけどADLなどの評価の場合は、単純に数値化することが難しかったり、「できる or できない」って判断が難しかったりする場合もあると思います。
実用的なのかどうか?
たとえば、上着の着脱に5分くらいかかるような場合、「できる or できない」でいうと「できる」ってなりますが、その動作が実用的かどうかってことを考えると、ちょっと微妙ですよね。
シャツ1枚着るのに5分かかるんですもんね。
できるけど、改善の余地はあると思うんですよね。じゃあ、なぜ5分もかかるのかってことが大事になってきますよね。
- 上肢の動きに問題があるのか
- 手順の理解に問題があるのか
- バランス保持能力に問題があるのか
色んな原因が考えられると思います。
たんに「できる or できない」ではなく、実用的ではない動作の場合、なぜ実用的ではないのかっていうことを評価する必要があります。
できることは何か!
極端な例かもしれないけど、ALSの患者さんの場合は残存機能というか随意的に動かすことのできる部位をしっかりと評価する。
随意的に動かす部位が残っていれば、その部分の運動を利用することでコミュニケーション機器の利用につながるからだ。どんなスイッチを選択すればよいのかってことの評価になる。
できない事の評価ではなく、できることの評価の一例だと思う。
コーヒーが大好き!
コーヒー好きの利用者さんの一例を研修会で取り上げることも多い。
普段は寝て過ごすけど、コーヒーだけは自分で淹れる。豆を挽いてコーヒーメーカー使って淹れる。
そのために、歩行器でしっかりと移動する。リハビリはあまり好きではないけど、コーヒーは大好き。
そんな利用者さんと訪問の時間を使って二人でゆっくりとコーヒーを飲んだりしたこともありました。コーヒーが好きだから能動的になれるっていう利用者さんもいるんですよ。
こんな利用者さんも、普通に評価したら出来ないことだらけだし、問題や課題もいっぱいあると思う。でも「コーヒー好き」っていうことを評価できれば治療的課題の発見につながる。
出来ること探しが重要です
評価をするうえでは、「できない」ことさがしをするっていうことを否定しません、しかし治療の目標設定や、本人さんの能動的な行動を引き出すっていう視点で考えると「出来ること探し」の方がはるかに重要になってくる。
利用者さんのモチベーチョンや意欲を引き出すのは「できること」や「やってみたいこと」「すきなこと」である場合が多いからだ。
否定的な要素、マイナスな要素を山のように突きつけられて利用者さんを落ち込ませるだけでは、リハビリテーションを前に進めることはできません。
やりたいことを見つけるのがリハビリテーションなのではないでしょうか?
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