動作分析という評価手段について、主として運動面に着目して分析することの重要性について書いてみる。理学療法士しろ、作業療法士、言語聴覚士にしろ運動をしっかりと分析できないと、その障害にアプローチすることは難しい。そんなことを書いてみた。
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動作分析で何をみるのか?
厳密に言うと、動作分析は運動のことだけを分析するのではなく、高次脳機能や感覚機能なんかについても考慮しないといけない。しかし、まずはしっかりと運動分析をする必要がある。
- 動作を遂行している関節の可動域
- 動作時の姿勢や姿勢の変化
このような事を運動面に着目して分析する。
たとえば、更衣動作で考えると
前開きシャツの着脱という動作では、主として運動を行うのは両上肢である。姿勢としては、座位でも立位でも動作の遂行は可能である。座位が保持できる能力があれば、前開きシャツの着脱は可能となる。
しかし、同じ更衣動作であってもズボンの着脱を考えると、
ズボンの着脱では、お尻の部分を脱いだり着たりするときには座位姿勢のままでは動作は行えない。一般的には立位姿勢を保持できる能力がないとズボンの着脱は困難である。しかも、足を通すときには片方ずつの足を持ち上げるという動作が必要となる。
座位姿勢のままでも片足を持ち上げて脱いだり着たりすることはできる。
前開きシャツに必要な座位バランスは、上肢の運動を保持するのに必要な体幹の保持能力で十分である。しかしズボンの着脱の時には、同じ座位であっても片足を持ち上げる必要があるので、能力的に比べると、同じ座位バランスとはいえズボンの着脱にはより高いバランス能力が必要とされるのである。
じゃあ、トイレ動作でのズボンの上下という動作はどうでしょう?
ズボンの着脱もトイレでの動作も、お尻の部分を脱いだり着たりするという点で立位を保持できる能力は必要ですが、トイレ動作では、両足で立位が保持できればズボンの上下が可能です。
しかし、ズボンの着脱という更衣動作を立位で行う場合には、片足で立位を保持する必要があります。トイレ動作よりも高い立位バランス能力が必要とされます。
運動の分析で得られるもの
患者さんの動作や運動を分析することで、まずどの部分にアプローチすべきなのかってことが見えてくる。
いくつかのADL動作を分析することにより、その患者さんの特徴を把握できる。多くのADLで共通して動作の遂行を困難にしている要因が見つかるはずだ。
治療の優先順位を考える場合、この共通して動作の遂行を困難にしている部分に着目してアプローチすることは大変重要である。
また、共通していなくても、特定の課題を遂行するのに問題になっている部分を見つけ出すこともできる。
動作分析をきちんと行える観察眼を養うということは
どの部分から治療に取り組む必要があるのかっていうことを見つけ出すことにつながるのです。
まずはしっかりと動作を観察しよう
まずはしっかりと患者さんの動作を観察し、分析してみてください。
最初は難しいですが、多くの症例を重なることで観察する時間は短縮されてきます。
難しくてもしっかりと観察しないと観察眼は養えないのです。
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