作業療法の治療場面でよく見るのが、お手玉とか輪投げとかを治療種目として用いる治療プログラムだ。リーチ動作とか、手指の把持機能とかの改善を目的に行われている場面もあれば、なんとなくactivityとして輪投げやお手玉なんかを選択しているセラピストも多いのではないでしょうか?先日書いた、リーチ動作の段階づけと関連して、ちょっと輪投げとかについて書いてみます。
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輪投げというactivity
リーチ動作の改善、座位や立位バランスの改善、手指の把持機能の改善なんかに用いることがある「輪投げ」。
レクレーションとして用いる「輪投げ」だったら、リングを的に向かってポーンと投げるのですが、リハビリテーション室や作業療法室で見ることが多いのは、輪っかを把持したまま、目標でリリースするというような設定が多く、投げるってことは少ない。
目標に向かって、リーチするってことがわかりやすいから治療として用いる作業療法士も多いのではないでしょうか?
10回リーチしたら終わり?
〇〇さんあと10回入れたら終わりましょう!
こんな掛け声をかけている、セラピストはいないでしょうか?
その10回っていう回数に意味はあるのでしょうか?何となく10回はキリがいいからやっているようなら、そのプログラムはやる必要がないんじゃあないかな?
その課題で目指している、運動や動作っていうものはどんな動作なんでしょうか?
目指している動作が可能となってきて、それを学習するために「あと10回!」っていうのなら理解できます。でも「何となく10回」っていうならまったく意味のない治療です。
治療には目的があるはずなので、その目指している状態に近づくために治療プログラムが存在するのですから、回数ではなくて状態を見て判断すべきなんです。患者さんのモチベーションを高めるために回数を設定することはよくあるけどね。
治療の目的は何?
輪投げを使って行っている治療プログラムの目的はなんでしょうか?
もしその課題の目的が、リーチ動作の改善であれば「リーチ動作の段階づけ」でも書いたように、輪投げを利用していろいろな段階づけをすることが可能だ。
輪投げを使ったリーチ動作の段階づけ
たとえば治療目的がリーチ動作の改善にあるなら、色々な段階づけを考えるべきだ。だらだらとリーチを繰り返しているだけの輪投げには意味がない。
- リーチする方向
- リーチする距離
- リーチする姿勢
リーチ方向であれば、前方、側方、後方などいろんな方向に段階づけすることができる。
リーチ距離であれば目的としている方向に少しずつ距離を伸ばしていけばいい。アバウトでない方がいいなら、その距離をきっちりとメジャーとかで計って取り組んでみてもいい。
リーチする姿勢が、座位なのか立位なのかによっても変わってくる。立位で取り組んでいるなら下肢の支持性や立位のバランスが関わってくるし、座位であれば、体幹や骨盤周囲の支持性とかが関与してくる。机上動作であれば、上肢を空間に持ち上げてリーチするのか、机の上に手をのせたまま動作をするのかによって、肩甲帯周囲も含めたアプローチになるのかどうかってことが関与してくる。
輪投げだけでもいろんな段階づけをすることが可能なんです。
そのactivityを選択している目的
患者さんとの親和性がいい、治療目的に適している、などactivityを選択する理由は様々だ。何となくそのactivityを選択するくらいなら辞めた方がいい。
治療プログラムの選択っていうのはその課題が適しているから選択するのであって、なんとなく「輪投げ」を選択しているなら治療としては問題だ。ほかにも効率よく治療できるプログラムが存在するかもしれないのに、ただ何となく「輪投げ」を選択している可能性があるからだ。
ぜひとも、目的をもって「輪投げ」を選択してほしい
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