この1ヶ月セラピストに会ったり、研修会で話すたびに、「介護保険の改定の事を知っていますか?」と問い続けてきた。介護保険領域で働いているセラピストは、何となく知っているという人が多かったが回復期リハ病棟で働いているセラピストの多くは「詳しく知りません」って回答する人が多かった。やっぱりそうなんだってこと。
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領域ちがえば他人事なんだ
このブログでも何度も書いていることだが、今年(2015年)の介護保険の改定は来年度の診療報酬改定にも影響を与えるだろうし、何より3年後の診療報酬・介護報酬同時改定に対して大きな影響力を持っていると考えている。
だから今回の介護報酬の改定の概要やリハビリテーションに関する加算の内容については、領域に関係なく理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのセラピストなら知っておいてほしい。
だけど、私がこの1ヶ月であった介護保険領域以外のセラピストの多くは介護報酬の改定の内容を把握していない。
やっぱり知らないんだ!
率直な感想だ。回復期リハビリのスタッフにしてみれば、いま目の前の業務に大きな影響はない。
管理職が知っていればいいっていう程度なのかもしれない。
管理職をあてにしてはいけない
「高齢者の地域における新たなリハビリテーションの在り方検討会報告書」
(PDFファイルが開きます)
全てのセラピストに読んで欲しいこの資料によると、セラピストの平均年齢は30代。
今年47歳の私のような、40代以上のセラピストもいるにもかかわらず平均年齢が30代ってことは20代のセラピストが非常に多いという職業人口の構成になっているのがリハビリテーション業界。
20代のセラピストが私のようにバリバリ働くような年齢になるだろう20年後には、今40代のセラピストの多くは引退しているでしょう。
だから、今40代くらいの管理職をあてにしてはいけない。40代くらいのセラピストであれば現状のリハビリテーション業界のトレンドとか「これからのリハ業界」のことを把握していないといけない。
だけど、回復期リハに勤務している多くの若手セラピストが2015年の介護保険改定の情報を知らないという現状は、私の周囲だけなのかもしれませんが、その若手の上司の方も何も知らないって可能性が大きい。
そんなことでは、これからの10年を、もしかしたらこれからの5年すら乗り切れないかもしれない。
だから、介護保険改定の情報を把握していない上司のもとにいるセラピストは、独自に今のリハビリテーション業界の現状を知る努力をするべきだ。
最も大事なのはこれ!
2015年の介護保険改定の見えてきたこれからのリハビリテーション業界で重要になっていくであろうキーワードは
- 「心身機能」だけでなく「活動と参加」への積極的なアプローチ
- リハ職だけのリハビリ治療ではなく、多職種連携でのリハビリテーション支援の実践
- 地域で暮らすことを考慮したリハビリテーションの実践
この3つのポイントについては、介護保険領域だけではなく回復期リハビリテーション領域、小児領域や精神疾患領域で働いているセラピストも知っておいてほしい。
どの領域で働いているにしても、地域にお住いの利用者さんを対象にリハビリテーションしている。
そしてセラピストの周囲には多くの多職種が存在している。その多職種との連携はこれからの時代必須になってくる。
連携は急にはできない
多職種連携、チームアプローチっていうのは急に実践できるものではなく、経験を積むことで円滑な関係を築きながら行っていくものです。
いつの間にか連携できているのではなく、
効果的な関わりをを続けることでお互いの信頼関係が深まるからスムースな連携を実践することができるのです。
だからどんな領域で働いていても、いまから実践しなくては身につかないし、間に合わない。
30代以下のセラピストは是非知っておいて!
これからのリハビリテーション業界には少し辛い改定が待っています。
日本の景気がよほどよくならない限りこの状況は変わらないでしょう。
だから、皆さんの職場の上司の言う事だけを信頼していればいいという時代ではありません。
自分から積極的に多くの情報を集める努力をしてください。自分にとって心地よい情報だけ見て安心するのではなく、自分にとってつらい情報とも向き合う努力をしてみてください。
とりあえず、この資料だけでも目を通しておいてほしい。
「高齢者の地域における新たなリハビリテーションの在り方検討会報告書」
(PDFファイルが開きます)
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