Facebookページにメッセージをいただきました。
生活の中でのリハやりたいと思い転職しました。しかし自分がやっていることを、周りから見ると、「食事の準備や散歩や園芸などへの関わり」なんてセラピストじゃなくて誰でもできるじゃんと思われていそうで。自分でもリハの視点を持って関わっているつもりですが、あれ?誰でできるんじゃと思ってしまうこともあります。つい個別の身体リハに逃げそうになります。
(文章は一部改編しています)
病院でのリハビリテーションではなくて、生活期のリハビリテーションに足を踏み入れたセラピストの多くが感じている焦燥感というか、自分のやっていることは正しいのかな?って迷ってしまったりしている人は多いのではないかな。
今は過渡期!
卒後すぐに生活期リハに関わるようになった若手からも、病院から転職してきたセラピストからもよく聞く話だ。
- 病院のセラピストが花形みたいに感じる
- 同期との飲み会で治療手技の話を自慢げに話しているのを聞くと「私って遅れてる?」って感じる
- 自分のやっていることは介護職でもできそうだ
- セラピストだけど送迎業務していていいのかな?
2025年に向けてリハビリテーション業界はまさに過渡期にあると思います。制度の改変や活動と参加への取り組み、職域の拡大などホント色んなことがどんどん巻き起こっています。だから新しい領域、特に生活期セラピストに関わるようになったセラピストがいろんな不安や疑問を持つのは仕方がない。
だけどね、従来のような心身機能偏重のリハビリだけではもうだめなんですよ!
病院のセラピストが花形みたいに感じる
「回復期リハ病棟」って言うくらいだから、回復期にある人が入院するんでしょ。そんなのある意味回復して当たり前じゃないの?それを自分の手柄みたいに話しているセラピストがいるんならとんだ勘違い野郎だね!
同期との飲み会で治療手技の話を自慢げに話しているのを聞くと「私って遅れてる?」って感じる
その手技でどんな患者さんでもたちどころに元通りにできるならすごいよね、だけどそんなセラピストいない。その手技で患者さんが笑顔になったりハッピーになったりしてるのかな?ただの自己満足じゃあないの?だいたい君のその治療手技は誰がスゴイ手技だと判断してるの?
自分のやっていることは介護職でもできそうだ
介護職と同じ視点で、同じことやってるならセラピストとしての意味ないじゃん。更衣の介助だって動作のこと何も考えず介助するのと、本人のバランスとか上肢機能のこと考えて介助するのとでは見た目は同じでも意味が違うんだよ。見た目を気にするんじゃあなくて、自分が何のために関わっているのかってことを考えてみてよ!見た目なんて気にしなくてもいいんだよ!
セラピストだけど送迎業務していていいのかな?
目的持って送迎してる?利用者さんが車の乗り降りするときのバランスとか評価してる?利用者さんの玄関の出入りとか確認してる?玄関先に出てくる家族さんたちは介護に疲れたり疲弊したりしていない?送迎業務でもセラピストの視点は活かせること知ってる?
個別・マンツーマンだけがリハビリじゃあない
その人がその人らしく生活することが出来ればいいんじゃないのかな?
それを実現するのは、マンツーマンの個別リハビリでしか実現できないのかな?
患者さんや利用者さんと「爆笑」したり「楽しそう」にしたりして過ごすことが出来ればいいんじゃないのかな?
どの患者さんもいつかは在宅に戻る。特養なら施設が在宅ってことだ。誰しもがいつかはリハビリテーション専門職の手から離れていく。
リハ専門職が関わらなくなった時に、患者さんや利用者さんが楽しく自分のやりたいことを出来るようにする。
このコラムでも書いているけどそのためには触らないリハビリテーションだ。
こんな風に考えているセラピストはきっと少数派だ。
いま生活期のリハビリテーションに取り組んでいる人も少数派。だから自分たちのやっていることが正しいのかどうかが不安になるんだと思う。
だって大多数のセラピストは病院リハビリなわけで、大多数のやっていることの方が正しいって感じるからね。
少数派が不安になるんだよ!
だけど、時代の流れを考えると生活期のリハビリテーションは非常に重要だ。
マンツーマン至上主義がすべてじゃないってことですよ!
今まで悩みながら生活期のリハビリテーションを試行錯誤してきたセラピストたちにとっては絶好のチャンスだと思う。
セラピストとしての矜持を持ってほしい
病院セラピストにもすごい人はいるし、生活期セラピストにもダメな奴はいると思う。
だけど、信念を持って生活期に飛び込んできたなら生活期のセラピストとしての矜持を持ってほしい。
見た目とか働き方とかリハビリの内容とかに右往左往したり、不安になったりすることはあるでしょう。
だけど、僕は作業療法士としての自分のミッションに誇りを持っている。
訪問リハに関わりながら利用者さんたちと新しいことに取り組んでみたり、爆笑したりしてみたい。利用者さんの新しい姿を発見してみたい。
そらまあ、自分の担当しているケースすべて理想的な関わりができているわけじゃあない。理想的なのは1割とか2割くらいかな。
だからといって、自信持てないわけでもない。これから何年かかけてその割合を増やしていけばいい。
リハビリテーション専門職としての矜持を持って生活期リハに自信を持って関わってほしい!
悩むことも多いし、つらいこともあるかもしれない。
だけど今は過渡期なんです。
僕たちの世代が試行錯誤しながら2025年や2035年の生活期リハビリテーションを築いていくんです!
やってやりましょう!
私は非常勤掛け持ちの作業療法士であり、コンサルタントなどではありません。
しかしこれまでの経験を活かしながら、病院のリハや生活期領域のリハ関連部門に対して、これからのリハビリテーション部門の在り方などに対してアドバイスや助言をすることはできると自負しています。
収益を上げるための助言はできませんが、より良いリハビリテーションを提供するためにはどうすればよいかということを、一緒に考えることはできると思います。
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コメント
自分も病院のリハビリで解決できない事例にぶつかり、生活期で解決できることがないかと思い介護保険分野に飛び込み、現在はデイサービスで管理者をしています。ただ生活期に来るセラピストの多くは病院で多くのプレッシャーの中リハビリをするよりのんびりやりたいという思いで就職しているセラピストが多いと思います。自分の感覚では同じ1年目でも病院のセラピストの方が汗かきまくってリハビリをやっていました。自分は老健で病院時代と同じようにALSの利用者様に歩行訓練を行ったり、脳卒中で車いす生活をしている利用者様に軽介助で歩行して頂くなど取り組みましたが、逆に非難されました(自立した生活につなげる端緒を得ようという思いで自分ができることをすべてやり、多職種に発信していました)。生活期に何十年もいるようなセラピストは基本老健は生活の場だから、自立のためのリハビリして何になるのかという者も多く、そういう者が下の世代にそのように教える、下の世代もそんなプレッシャーのかかるリハビリはやりたくないからどんどん内にこもる。そして介護保険分野ではセラピストも少なく1年目から先生と呼ばれ、ちょっとした医学的知識で乗り切れる場面が多いので言い訳だけがどんどんうまくなる・・・といった悪循環があります。そうなると多職種連携などしない方が自分の浅はかさに気づかずに済むし、連携していなければ他の職種が協力しないから自分たちは悪くないというエクスキューズにもなるという思いが少なからずあると思います。
山田さんのサイトでは病院セラピストが変わらなければならないという話をよく聞きますが、自分は生活期にいるセラピストの方が問題なような気がします。
今回のコラムを読んでいて、コメントさせていただきました。自分はどんどん地域に出て行こうと、現在地域の薬剤師さんたちと協働で多職種が集まるケアカフェなどの活動をしようと準備しています。
コメントありがとうございます。
生活期も病院にも問題はあるってことかあ。
私は最近生活期のセラピストとの出会いが多くて、病院セラピストとの接点が少ないから、病院セラピストに吠えることが多くなるのかもしれません。
、
どんどん地域で多職種連携を進めていってください。