とある研修会でお会いした作業療法士さんから聞いたお話をもとに書いてみます。全く実用的でない会議ならやらなきゃいいのにね。退院前カンファレンスのことを書いています。
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聞いた話はこんな感じ
お会いした作業療法士さんは地域で働いています。退院前カンファレンスがあるので、病院に出向いて出席。
退院する患者さんの家は広いらしく、伝い歩きができるだけでは移動に不安がある。玄関にも上がり框があって上り下りするのは結構難しい。
入院を担当しているリハスタッフにそのことを確認すると
「家そんなに広いんですかあ、上がり框の練習なんてしてませんよ」
在宅のセラピストも、ケアマネジャーも唖然としたそうです。
退院前、1週間くらいの出来事だそうです。
義務的なカンファレンスならやらなくていいよ
退院前カンファレンスにしろ、退院前の在宅訪問にしろ、何らかの加算が取れるから実施している、カンファレンスや居宅訪問の実績を上げるためだけに実践している。
そんな病院もあるってことなんだろうね。
入院中の経過を確認して、在宅のスタッフに必要なことを伝達して円滑な退院ができる。だから退院前カンファレンスをするんですよね。
退院するってことは、在宅に戻ることを前提にリハビリテーションを行っているはずですよね。
ってことは当然、患者さんの自宅の様子とか、家に戻るにあたっての問題点なんかを把握したうえで入院リハビリテーションをしているんじゃあないのかな?
そうして退院前カンファレンスでは、入院中に達成できなかった問題点をどうするか検討したり、在宅に戻るにあたっての現時点での評価などを在宅スタッフに伝えて、どんな準備をすればよいのかってことを検討するんだよね。
それなのに、退院する患者さんの玄関の様子を把握してないとか、家の広さを知らないとかって、いったいどんなリハビリしているのかな?
病院のルーチンワークとして退院前カンファレンスなんかをするくらいなら、やらなくていいよ。
在宅スタッフも暇じゃあないのよ。
加算をとるためにやるくらいなら、やらなくていい。
建設的で意味のあるカンファレンスを!
「回復期と地域のバトンをつなぐ」という記事でも書きましたが、退院前カンファレンスに参加してくる事業所さんっていうのは無数にあるわけではないんですよね。
出席してくれるケアマネジャーさんも地域の事業所もある程度数は決まっている。そうして、リハビリテーションのスタッフもだいたい決まっている。
だから、ある程度Face to Faceなお付き合いができるようになって来たら、退院前カンファレンスにおいて
- 病院のスタッフから聞きたい情報
- 地域のスタッフから聞きたい情報
っていうものを、病院のスタッフも、地域のスタッフもある程度把握できてくると思うんですよね。
相手が求めているものを察する能力
これがないと建設的な退院前カンファレンスはできないと思うんですよ。
自分たちの情報だけを相手に押し付けるような、非建設的なカンファレンス。楽しくないですよね。
相手が求めている情報が何かってことをしっかりと察する。そのためには他事業所や他職種とある程度お付き合いしないといけない。
お付き合いを重ねるから、相手が求めていることが何なのかってことがわかってくる。
実りある退院前カンファレンスを実践するのは意外と難しいみたいです。
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