触れない、徒手的な関わりをしないリハビリテーション。この話をするとたいてい反論される。だけど、訪問リハビリの役割っていうのは「触らない」で出来るようになるってことだと思っている。
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僕は楽をしたい!
先日の訪問リハビリ中に家族さんとか利用者さんに言った言葉です。
早く僕を楽にさせてください
脳出血による後遺症で、失調による動揺が大きく歩行では歩行器が必要な方。歩行器がないと危ない。だから、屋内移動は四つ這い移動。体格が良い利用者さんなので、立位でバランス練習をしているとこちらも汗だく。
だから利用者さんに言ったんです。「早く僕を楽にさせてください」って。
さぼりたいわけじゃあないよ
早くバランスよくなって、汗だくのリハビリを終えて、しっかりと屋内歩行が自立できるようになったら訪問リハビリは卒業っていう目標があります。
汗だくになるのではなくて、利用者さん本人にできることが増えてくれば、僕は楽になる。
利用者さん自身にできることが増えれば、僕は楽チン。
訪問リハビリってそういう一面があるってことですよ。
触らない時間も必要
以前にも書きましたが、リハビリで徒手的なことをやってから、バランスの確認とか、歩行状態の確認なんてしていたら、ホントの能力なんてわからない。
徒手的なリハビリする前に、どれくらい歩けるかとか、どれくらいバランス能力があるのかってことを評価しないといけない。
だけど、訪問リハビリで比較的長く利用者さんにかかわるようになると、
- まずは、徒手的に体を動かす
- その延長で、徒手的に関わりながら次の練習をする
- 最後に、バランスとか歩行能力とかを確認する
こんな感じのパターンになりがちでしょう。
リハビリする前の状態の確認ができない。普段の日常でどんな動きをしているのかってことの確認をする時間がいつの間にかなくなってしまっている。
訪問リハビリのセラピストも、利用者さんも家族さんも
触って何かリハビリする
ことに慣れてしまっている。
だけど、大事なのは普段の生活の場でどれくらいのことができるのかってことだ。
だから、訪問リハビリにかかわるなら、まったく触らないで評価したり、動いてもらったりするような時間を確保することも必要だ。
とくに、要支援や要介護1や2くらいのある程度動けるし、ADLもそこそこできるレベルの利用者さんの訪問リハビリなら、徒手的なことをしない時間が必要になる。
訪問リハビリの卒業
要支援~要介護2くらいの状態の利用者さんでなかなか訪問リハビリを卒業にもっていけないっていうことはよくある。
それは、
訪問リハビリの時間内に実施するパターンが決まっている
からだ。前述したように今の時点でできることを評価したり確認したりする時間が、訪問リハビリの時間に組み込まれていない。
なんとなく訪問して、なんとなくリハビリして、なんとなく帰る。
なんとなくリハビリ
これをやめない限り、訪問リハビリ卒業は難しい。
極端かもしれないけれど、徒手的に何もしない時間を組み込まない限り卒業ってできないと思う。
すべての利用者さんがこれに当てはまるわけではありません。でも、あてはまる利用者さんもいると思います。まだまだ少ない、訪問リハビリというサービスを効率的に展開するには、こんな視点も必要だって思います。
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