90代男性の訪問に入るようになって2カ月くらい。行くたびに状態が良くなっている。だてに90超えていないってことだね。
(スポンサー広告)
こんな感じのケース
90代男性
2カ月ほどの入院を経て自宅に戻るも、起き上がりとか移動に介助が必要となり訪問リハビリを開始。
内部疾患での入院だったので、四肢の動きなどは良好も2カ月の入院で廃用性症候群みたいに筋力や体力が低下しているような状態。
入院前は屋内伝い歩きしていたっていうので、そこが最終目標。
でも初回では移乗も要介助。何よりも、いわゆる古傷というのか、ヘルニアによる腰痛が強い。動くたびに痛みがあるようす。入院前は痛みはなかったってことなので、体幹周囲の筋力の低下によって腹圧が低下していて痛みが増強しているように感じました。
だけど、理解力も良好で四肢の動きには問題なし。移乗は介助だけど、突然倒れこんでしまうほど体力や筋力の低下が著しいわけではありません。
とりあえず、移乗の自立を目標に訪問することにしました。
リハビリの関わり
訪問時にまずすることは、起き上がり動作の確認です。
起き上がり動作で、腰の痛みがあるかどうかってことを確認します。また、起き上がり手順をしっかりと覚えているかどうかをチェック。
起き上がりの手順はしっかりと覚えています。痛みがひどくなければ一人で起き上がれます。
週1回の訪問では毎回起き上がりをチェックして、痛みのチェック。
1か月後には介助なしでの移乗ができるようになりました。
5回目の訪問くらいになると、交互式歩行器での歩行も可能になりました。
2か月後には腰に痛みがなければ、軽介助で屋内杖歩行ができるようになりました。
このケースで意識したこと
マッサージとか可動域訓練とか、徒手的なかかわりの時間よりも能動的に動いてもらう時間を多くとるように意識して訪問していました。
90代とはいえ、もともと多くのことを一人でされていた方。入院して少し弱ってしまったけど麻痺があるわけではありません。だから、自分で動くことの時間を増やして、精神的にも自分で動くようになってほしかったんです。2カ月ほど病院で寝たきりだったけど、家では自分で動くっていうイメージを復活させてほしい。
だから、腰の痛みがよほど強くない限り、動いてもらっていました。
幸い、寝返り、起き上がりで痛みの強い日はありましたが、立ち上がりや歩行ではほとんど痛みはみられません。
だから、移乗⇒歩行器歩行⇒杖歩行とできそうなことにチャレンジ。
歩行器歩行がきっちりできるようになってから、杖歩行の練習を開始するのではなく、歩行器歩行も監視は必要です。でも、能力的には杖歩行も軽介助で可能な状態なので、杖歩行の練習を始めました。そうすることで、意欲アップを狙いました。
家族がいない時間に一人で勝手に危なっかしいことをするような利用者さんではないので、こんな取り組みができました。
卒業をどうするか?
当初は半年くらいの関わりが必要と考えていたのですが、もうちょっと短くなりそう。
入浴介助で同じ事業所の看護師さんも訪問しています。腰に痛みがなければまたぎ動作もできるようになっている様子。
屋内の移動が自立した段階で卒業。
訪問看護師さんの訪問の様子を聞きながら、レベル低下しそうなら訪問リハビリ再開ってパターンになるのではないかな。
この事業所には、リハビリスタッフは私だけなので状態改善したらなるべく終了したいんですよね。
同僚の看護師が定期的に状態観察してくれるから、悪化したらタイムリーに再開する。もし私の空き枠がなくても看護師さんと連携して、必要なことを当面は看護師さんにしてもらうことも検討すれば、1人セラピストでもなんとかなる。
普段から同僚の看護師とこまめに情報交換してるからできることです。
90代ってすごいよ
90越えの利用者さんを担当させていただいていつも思うこと。
だてに90越えていないな!
ってこと。
肺炎とかで入院しても90代の人って復活してくるケースが多い。表現の仕方は悪いけど、
低空飛行することはあっても墜落しない
って人が90越えの利用者さんには多いように思います。入院してしまっても戻ってきてくれるんですよね。そうして、比較的短期間で元の状態に戻ってしまう。
90まで生きているのは90まで生きている強さがあるってことなんですよね。
コメント