2020年で訪問リハビリテーションにかかわるようになって16年目になります。そんな訪問リハビリ経験の中で、ADLへのアプローチを効果的に進めるにはちょっとしたコツがあると考えるようになりました。最近「活動と参加」への取り組みが話題になっていることからも、ADLへ積極的にかかわることは重要なので、ちょっと書いてみた。
※2020年5月11日 追記しました
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訪問リハビリの流れ
訪問初日にどんなことをしていますか?
- オリエンテーション
- 身体機能の評価
- 徒手的なリハビリ
こんな感じで進めるパターンが多いのではないでしょうか?
特に訪問初日の場合は、対象者の運動機能面の評価などを中心にしてその流れで、徒手的に体を動かしながら評価みたいな治療的な対応をするってことが多いのではないでしょうか?
家族も本人も病院のリハビリテーションでしてもらっていた、徒手的なかかわりメインの心身機能へのアプローチを期待していることが多いから、徒手的なかかわりを否定されることもありません。
そうして、2回目の訪問も同じようなパターンで進んでいってけっきょく心身機能への関わりが続いてしまって、ADLへの関わりが低くなってしまうってことになってしまうのではないでしょうか?
本人や家族も病院リハビリのような徒手的なかかわりを当たり前のように受け入れるから、活動とか参加のこととかに興味がわいてこないんですよね。
訪問の初日のかかわり方を変える
そう、ADLへ積極的にかかわったり、活動への関わりを訪問リハビリでアプローチしたいと考えているなら最初が肝心だと最近考えるようになりました。
最初に訪問リハビリテーションでの大きな方針を提示することが大事なのだと思います。
家屋やADLの評価を行う
訪問初日に、玄関、ふろ、トイレ、居室などを一通り見せてもらいます。
利用者さんの状態によっては、実際に
- 玄関の出入り
- トイレの出入りやたちしゃがみ
- 風呂でのまたぎ動作
といった、退院後の生活で大変そうだと考えられる生活場面の評価を行います。
退院後でない利用者さんでも、今の心身の状態でどのような生活をしているのかということを評価することが重要です。
家屋の改修や福祉用品の利用なども訪問リハビリテーションで関わるんだってことをこの時にしっかりとアピールします。
実現したい課題をしっかり確認
生活の場面で実現したい課題を確認しましょう。
セラピストが運動機能面の評価を中心に行って
「もう少し手や足が動かしやすくなりますよ」
みたいに、訪問リハビリで実現すべき課題や目標をセラピスト主導で決定するのではなく、利用者さんや家族さん中心とした目標を選択する必要があります。
そのためには、訪問リハビリテーションで関わることのできるメニューを提示することが必要です。
- ADLにかかわることができる
- 住宅改修や福祉用品の選択にかかわることができる
- 利用者さんが希望する課題に対して支援することができる
訪問リハビリテーションで理学療法士や作業療法士、言語聴覚士がかかわることのできるメニューをしっかりと提示しないことには始まらないのです。
なんとなく開始するのをやめる
簡単にオリエンテーションして、なんとなく徒手的な心身機能へのアプローチを開始してしまう。
そうしているうちに、利用者さんも満足してしまい、ダラダラと徒手的なかかわりメインになってしまって、いつの間にか訪問開始して半年とか、1年とかが経過している。
こんなパターンが多いのではないでしょう?
こんなパターンがダメなんです!
最初にしっかりとADLとか活動への参加への関わりができるということをアピールすることが大事なのです。
病院リハビリテーションでそのようなかかわりをしっかりとしていないこともあるので、訪問初日にしっかりとアピールです。
- 徒手的なリハビリだけを行うのが訪問リハビリではない
- 状態改善を望むなら、いろんな手段を用いて支援を行う
- 治療ではなく、リハビリテーション支援をするのが訪問リハビリです
こういったことを、訪問開始の早い段階で家族や本人に伝えてお互いの共通の理解を作ることが積極的にADLへアプローチすることにつながると思います。
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