リハビリの連携 時代による変化

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医療保険による入院期間の短縮に伴い今と昔では連携の意味も変わった。25年くらい前のリハビリ病院では平均すると半年程度の入院ができた。長い人なら1年間くらい入院している方もいて、退院後は同じ病院に外来通院していた。1か所の病院で対応できていた。それが医療保険の改定により、入金期間の短縮、リハビリの保険点数や枠組みの変更があり、徐々にリハビリを取り巻く状況が変わってきている。その変化に対応したリハビリテーションの連携が求められている。20年前の連携のスタイルと今の連携のスタイルは変わっているんですが、そのことを意識していちんと実践できる体制を作ったり、若手スタッフに意識させている病院や施設は少ないのではないでしょうか?


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介護保険の登場と医療保険の変化

私がセラピストになった20数年前は、入院患者さんが退院したらそのまま外来も担当するっていうことがあった。外来枠が空いていなくても、同僚が担当していた。リハビリに関する情報もそのまま同僚に伝えれば完了していた。1ヶ所でリハビリテーションサービスを継続できるという意味合いでワンストップサービスと私は表現することが多い。

ところが、介護保険が登場し医療保険の改定などによって入院期間が短くなってきた。介護保険が開始されて1年がたったころ、私が勤務していたリハビリテーション病院の自宅復帰率は、介護保険開始前の80%台から60%台に低下したことを記憶している。入院期間が徐々に短縮してきていることもあって、退院時の患者さんの状態では自宅復帰が難しいと判断する患者さんや家族が増えたと考えられる。

入院期間が短くなれば、リハビリテーションを受ける時間も短くなる。医療の進歩でリハビリテーションの業界も進歩はしているが、短くなった入院期間内にすべての患者さんが満足できる成果を上げるくらいに進歩しているわけではない。その結果、退院後もリハビリテーションを継続したい方は介護保険で利用できる施設に入所するので、当然自宅復帰率は低下することになる。リハビリテーションのワンストップサービスも行うことが困難になる。

現在のワンストップサービス

入院期間が短くなり、自宅復帰率が低下して施設に転院する方が増えてもワンストップサービスの提供は可能なんです。

法人内の施設の図

法人内の施設の図

この図に示しているように、一つの法人で複数の施設や事業を抱えているところが多くなってきた。こういう法人では、リハビリ病院を退院する患者さんは系列の老人保健施設に転院し、老人保健施設を退所すると系列のケアマネさんが担当となって系列のサービスを利用するってことがある。一か所の病院だけでリハビリテーションサービスを提供するというワンストップサービスではなく、法人全体のサービスを使ってリハビリやその他の介護保険サービスを提供するというワンストップサービスが、現在のワンストップサービスなんですよね。

施設間での連携が重要となる

これまでの連携では施設内の連携が重要視されていました。そのことは今でも変わりありません。それに加えて、現在は施設間連携が利用者さんのQOL向上のカギを握っているんですよね。それが、法人内ですべてのサービスを利用されている利用者さんがいるなら、法人外サービスを使っている利用者さんよりはスムースに連携できるはず。

担当者による個人の連携や顔の見えるお付き合いも大事ですが、施設間や事業者間による連携の重要性が増してきているのが現在の連携の重要ポイントなんです。個人のお付き合いだけでは限界があることも多い。

でも利用者さんのためには事業者間の連携ができることが不可欠な時代です。

コメント

  1. […] 今の時代は法人内連携が重要になってくるということを、リハビリの連携 時代による変化に書いた。しかし同じ法人だからといってスムースに連携ができるかというと、そんなことは […]

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