理学療法士や作業療法士などのリハビリテーション業界はいったい何年目くらいからベテランって呼ばれるのかな?業界そのものが若いから、たぶん20年を超えるとちょっとベテランって呼ばれるんだろうな。僕は臨床に出て24年目、リハビリ病院、老健、訪問リハビリと変遷しているけど、日々悩みながら仕事をしている。経験を積んだからってパパパッと何でも閃いて素晴らしいリハビリを展開できるって訳ではない。ベテランでも悩みながら仕事をしているってことを書いてみた。
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キャリアを積んでも悩むことは多い
この記事を書こうと思ったのは僕よりも1~2年若い、それでも臨床一筋20年超の理学療法士から担当利用者さんの相談を受けるようになったからだ。退職したスタッフの担当を引きついで、受け持つようになった小児の訪問ケースのことで最近は毎週のように相談を受けるっていうか、そのケースのことでディスカッションしている。
その理学療法士も経験豊富で信頼できる。いつもなら担当ケースの情報交換することはあっても毎週相談するなんてことは初めて。
その理学療法士さんが引き継ぐことになったのは就学前の小児のケース。経験が少ないから、自分の実施しているリハビリテーションの内容が大丈夫かどうかってことでいろいろ話を聞いている。
相談を受けたときに僕が感じるのは、安心感だ。
相談してくる臨床経験20年超のこの理学療法士に対して不安感を感じることはない。むしろ、このくらいのキャリアを積んでも苦手な領域についてはきちんと確認しながら訪問を継続していこうっていうスタンスに安心感を覚える。
経験を何年積もうが、不安を感じたり迷ったり、悩んだりすることは多い。いつでもスパスパッと治療をすすめられるわけではない。
分からないことををわかっていることの重要性
新人でも若手でもベテランでも迷うことはある。その時に大事なことは
自分が理解できていることと、できていないことをきちんとわかっているってこと
理解できていないことに気づいているから、「念のため」「ひょっとして」「もっと他に・・・」って感じで、他のスタッフに質問して確認したり、勉強したりするって行動につながる。
だけど、自分の実践している治療に対して疑問を持ったり、わかっていないってことに気づいていなかったりすると、他のスタッフに確認したり勉強したりするってことが減ってしまう。
自分の提供しているリハビリテーションや治療技術なんかについて
- 間違ってるアプローチ
- 間違ってないアプローチ
- 間違ってないけど、大正解ではない
- 正解のアプローチ
どのように自分のことを評価しているかってことが、その後の行動に与える影響は大きい。
経験を積めば積むほど、「正解のアプローチ」にたどり着ける確率が大きくなる。だけど、ベテランになっても自分のやっていることに自信が持てない「間違ってないけど大正解ではないだろうなあ」って感じながら臨床に取り組んでいることもある。
「間違っていないけど大正解ではない」ってことは案外多いのではないかな。僕に毎週相談することになった理学療法士もきっとこんな風に感じているからこそ相談しに来るんだと思う。
他にももっと良いアプローチや考え方があるんじゃないか!
って、さらにレベルの高いものを目指すのである。
気づかないことの危険性
経験を積んでもわからないことはあるし、さらに上のレベルを目指すために研鑽をつむ。
だけど、自分のやっているアプローチに対して何の疑問も持たないで研さんもしない理学療法士や作業療法士、言語聴覚士もいる。
セラピストの免許は更新制ではないので、一旦取得してしまえば研鑽をつまなくても免許を剥奪されることはない。だから研鑽をつむセラピストと研鑽をつまないセラピストの差は大きくなる。
若いころは研修会に行ったりするけど、段々と行かなくなったりするセラピストも多い。
40代くらいになるとそこそこ実力があったり、自信がついたりするしね。だけど、若くても実力のある人はいるし、経験を積むだけであまり実力がないセラピストもいる。
出来れば自分の立ち位置や足元をしっかりとみて、これからの行動を決められるようになってほしい。
ベテランだからといって迷わないなんてことはあり得ないんだ。
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